impedance
「impedance」の意味・「impedance」とは
「impedance」は、電気工学の分野で頻繁に用いられる専門用語である。電気回路における抵抗力を表すために使用され、直流だけでなく交流に対しても適用可能である。具体的には、電流が流れる際に電圧と電流の比を示す値を指す。この値は、電流の流れを妨げる力、つまり「抵抗」を表している。「impedance」の発音・読み方
「impedance」の発音は、IPA表記では /ɪmˈpiːdəns/ となる。IPAのカタカナ読みでは「イムピーダンス」となり、日本人が発音するカタカナ英語では「インピーダンス」と読む。この単語は発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。「impedance」の定義を英語で解説
「impedance」は英語で"The measure of the opposition that a circuit presents to a current when a voltage is applied."と定義される。これは「電圧が印加されたときに回路が電流に対して示す抵抗の尺度」という意味である。「impedance」の類語
「impedance」の類語としては、「resistance」や「reactance」がある。これらも電気工学の分野で使われる用語で、「resistance」は直流に対する抵抗力を、「reactance」は交流に対する抵抗力をそれぞれ表す。「impedance」に関連する用語・表現
「impedance」に関連する用語としては、「capacitance」や「inductance」がある。これらは電気回路の特性を表すパラメータで、「capacitance」はコンデンサの電荷保持能力を、「inductance」はコイルの磁場生成能力をそれぞれ表す。「impedance」の例文
以下に、「impedance」を用いた例文を10個示す。 1. The impedance of the circuit is calculated by the ratio of voltage to current.(回路のインピーダンスは電圧と電流の比率で計算される。) 2. This device measures the impedance of the electrical component.(この装置は電気部品のインピーダンスを測定する。) 3. The impedance of the speaker is 8 ohms.(スピーカーのインピーダンスは8オームである。) 4. The impedance mismatch can cause signal loss.(インピーダンスの不一致は信号損失を引き起こす可能性がある。) 5. The cable has a characteristic impedance of 50 ohms.(そのケーブルは特性インピーダンスが50オームである。) 6. The impedance is inversely proportional to the current.(インピーダンスは電流に反比例する。) 7. The impedance of the circuit changes with frequency.(回路のインピーダンスは周波数によって変化する。) 8. The impedance is a complex number in AC circuits.(インピーダンスは交流回路では複素数である。) 9. The impedance is determined by the resistance and reactance.(インピーダンスは抵抗とリアクタンスによって決まる。) 10. The impedance of the circuit can be reduced by using a transformer.(トランスを使用することで回路のインピーダンスを減らすことができる。)インピーダンス
インピーダンスとは交流回路における電気抵抗の値のこと。略記号はZ。単位はΩ(オーム)が用いられる。
インピーダンスは、主に電気回路を扱う分野で用いられる用語であるが、オーディオの分野においても音質に少なからず影響をもたらす要素として重視される(オーディオ信号は交流電流である)。音の信号を出力するマイクやアンプと、信号が入力されるスピーカーやイヤホンなどを、適切に接続すれば、雑音(ノイズ)や高音域の音の劣化を抑えられる。この接続の際には、出力側のインピーダンスを小さく(「ロー」に)し、入力側の値を高く(「ハイ」に)する、いわゆる「ロー出しハイ受け」の接続方法が基本的といえる。こうした入出力の調整を「インピーダンス整合」と呼ぶ。
電子機器や回路に電圧および電流を流して抵抗値を調べることを「インピーダンス測定」という。インピーダンス測定は、歯科医療の現場において虫歯の進行状況を調べる方法としても用いられている。歯の表層部であるエナメル質と内部の象牙質、深部の歯随ではそれぞれ電気抵抗値が異なる。この性質を利用して、特殊なインピーダンス測定器で調べた抵抗値から歯の内部で起きている損傷や虫歯の状態を判断し治療に活用するわけである。
インピーダンス【impedance】
インピーダンス/Ω
ごく簡単にいうと抵抗値。ユニット単体ならボイスコイルのインピーダンスのことを指すが、多くの場合スピーカーシステム全体のインピーダンスのことを指す。周波数が低くなるにつれインピーダンスは下がってゆく。
(執筆:オーディオビジュアル評論家 佐久間輝夫)
※この情報は「1999~2002年」に執筆されたものです。
インピーダンス
交流に対する電気抵抗のこと。直流抵抗がほとんどゼロの電線をコイル状に巻くとインピーダンスは高くなる、というようにむずかしい。アンプの出力インピーダンス、といえば負荷側から見たアンプの内部抵抗だ。
(執筆:オーディオビジュアル評論家 高津修)
※この情報は「1999~2002年」に執筆されたものです。
インピーダンス
入力の応答に対する比で、入力による系の応答特性を示す。この応答特性は周波数によって変化し、この量が大きいと応答しにくいことを意味する。電気系、機械系、音響系などで用いられる。電気系では回路における2端子間の電圧の電流に対する比をインピーダンスと呼ぶ。機械系では振動入力の振動応答に対する比がとられる。入力および応答の両者とも複素量で、その両方の偏角は時間とともに直線的に同じ割合で増加する。
参照 機械インピーダンスインピーダンス
インピーダンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/20 01:23 UTC 版)
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インピーダンス(英: impedance)は、オリヴァー・ヘヴィサイドの造語で、交流回路における電気抵抗と同等の位置づけを持つ[1]。
直流回路ではその部分の電圧降下は、その部分の導線の電気抵抗と電流で一意に決まり、オームの法則で表せるが、交流回路においてはコンデンサやコイルが電気振動による電磁場の影響を受けるため、単純に電圧降下や電流が決まらず、その回路の電圧と電流の変化には時間差が生じる。そのため交流回路では位相の変化を伴う電圧降下が生じる。この効果も考慮した比例定数がインピーダンスであり、複素数で表される。単位は直流回路の電気抵抗と同じオーム(単位記号はΩ)が用いられる。
電気回路におけるインピーダンス
インピーダンス impedance |
|
---|---|
量記号 | Z |
次元 | M L 2 T −3 I −2 |
種類 | 複素数[2] あるいは ガウス平面上のベクトル[3][4] |
SI単位 | Ω |
電気回路におけるインピーダンスは、交流回路におけるフェーザ表示された電圧と電流の比(電圧/電流)である。インピーダンスの逆数をアドミタンスという[2]。 インピーダンスの実部をレジスタンス、虚部をリアクタンスということがある。
ある電気回路からの出力とその次の電気回路の入力を接続する場合、前者と後者のインピーダンスが一致した場合に最も効率よく信号のエネルギーを伝達できる。無線機とアンテナの場合など、整合が取れていない場合は、エネルギーが出力(この例の場合、電波)に効率良く変換されないわけであるが、そのような状態を、不整合(インピーダンス不整合)により信号が反射されているなどと言う。オーディオ機器などで効率を問題としない接続の場合は、接続の簡便性を優先し、いわゆる「ロー出しハイ受け」(機器の出力インピーダンスはごく低く、入力インピーダンスは高めに)とし、信号をもっぱら電力ではなく電圧で伝達する。他方、電力ではなく電流で伝達するものがMIDIやテレタイプ端末で使われているカレントループで、回路構成は面倒になる。
以下では電気電子工学の慣例に従い、虚数単位として
本来の電気インピーダンスは、電気回路の交流特性を示す尺度である。抵抗 (R) の電位差は電流と同相であり、それらの比は一定であるのでスカラー量又は絶対値だけ単純な議論で足りる。それに対し、コイル(以下、L)、キャパシタ(以下、C)を含む回路では電圧と電流とに位相差が生じる。また、抵抗 (R) は電圧・電流の積に由来してエネルギー消費が生じるが、交流RLC回路では電圧・電流に位相差があるため、その積は一定ではない。このため、各値を複素平面でベクトル表現(複素数表現)することが便利なのである。
交流回路における電圧と電流との比という電気インピーダンスの定義は、波動の圧力と流量との比として一般の波動・振動現象に拡張することができる。この場合の振動は、電気振動に限らず、電磁波、機械振動、音波(音響)、光、地震、水面の波などの多くの波動・振動現象に適用できると考えられる。電気インピーダンスの概念は、電気振動以外の波動・振動現象の説明にも便利なために、今では様々な分野で利用されている。
例えば、音波は空気の振動であるが、木、コンクリート、金属では音の伝わり方が異なる。医学で用いられる超音波エコー装置は、生体組織界面のインピーダンスの差による反射波を観測している。
インピーダンスはしばしば「インピーダンス = 伝わりにくさの指標」と誤解される。値が低いから波動が伝わりやすい、又は高いから伝わりにくいということは、エネルギー消費を伴う抵抗(実数成分としてのレジスタンス)では正しくても、インピーダンスでは正しくない。高周波伝送に用いられる600 Ω平行線路よりも52 Ω同軸ケーブルが伝わりやすいというのは、全くの間違いである。例えば、真空、純水、アクリル(ガラスより透明度が高く沖縄美ら海水族館の大水槽で使用されている)は光の伝播において透明という点では同じであり、理想的には減衰はないがそれらの界面では反射・屈折が生じる。高校物理ではこれを屈折率の違いによるものと説明しているが、別の観点では界面のインピーダンスの相違による反射波と透過波と表現することができる。小区間の海岸線付近での直正面からの波の進行もインピーダンスの概念で説明することができる。
脚注
出典
- ^ ポール・J・ナーイン『オリヴァー・ヘヴィサイド』海鳴社、2012、p.121
- ^ a b "インピーダンス". デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典. コトバンクより2021年1月4日閲覧。
- ^ 平山博『電気学会大学講座 電気回路論』 オーム社、1995年、ISBN 4-88686-103-2、pp.51-58
- ^ 内山喜之『電気学会大学講座 電気・電子基礎数学』 オーム社、1995年、ISBN 4-88686-104-0、p.1
- ^ インピーダンス | 用語集[リンク切れ] - KDDI 2016年3月31日(2018年3月26日閲覧)
関連項目
インピーダンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 07:36 UTC 版)
「ライン (音響機器)」の記事における「インピーダンス」の解説
理想的には、出力インピーダンスと入力インピーダンスを一致させる(インピーダンス整合をとる)ことで、最も効率よく信号が伝送される。インピーダンス整合を取る場面では、歴史的にかつて機材を共用した事情から電話回線と同等の600Ωがよく使われる。この方式は入出力双方で電圧・電流・電力が一致し、基準レベルの統一が必要なスタジオ設備などで使われる。 一方、出力側をローインピーダンスに(数百Ωなど)、入力側をハイインピーダンスに(数十kΩなど)するインピーダンス・ブリッジング(英語版)、いわゆる「ロー出しハイ受け」と呼ばれる方式も取られる。この方式は整合させた場合と比較して損失はあるが、機器間のインピーダンスのばらつきがあまり問題にならず、分配を扱いやすい長所がある。この方式は基準レベルの厳密でないスタジオ設備や、ほとんどの民生用機器で使われている。 伝送理論上、電話回線のような長距離の配線の扱いは、回路(線路)のモデル的にも分布定数回路となり、不整合による反射や損失が問題となるため、整合させなければならない。一方スタジオ設備の配線のような、集中定数回路として扱える、アナログ音声信号の波長(数十kHzでは数km-数十km)に対して影響が無視できる長さの伝送路では、反射や損失は一般にたいした問題ではないため、オーディオの分野ではインピーダンス・ブリッジングのような利便性が優先され利用されている。
※この「インピーダンス」の解説は、「ライン (音響機器)」の解説の一部です。
「インピーダンス」を含む「ライン (音響機器)」の記事については、「ライン (音響機器)」の概要を参照ください。
インピーダンス
出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:04 UTC 版)
語源
英語 impedance
発音
- い↗んぴ↘-だんす
名詞
インピーダンス
関連語
翻訳
- ドイツ語: Impedanz (de) 女性
- 英語: impedance (en)
- エスペラント: impedanco (eo)
- バスク語: inpedantzia (eu)
- エストニア語: impedants (et)
- ペルシア語: مقاومت ظاهری (fa)
- フィンランド語: impedanssi (fi)
- フランス語: impédance (fr)
- マン島語: castid (gv) 男性, castys (gv) 男性
- セルビア・クロアチア語: impedancija (sh) 女性
- ハンガリー語: impedancia (hu)
- イタリア語: impedenza (it) 女性
- 朝鮮語: 임피던스 (ko)
- オランダ語: impedantie (nl) 女性
- ポーランド語: impedancja (pl)
- ルーマニア語: impedanță (ro)
- ロシア語: импеданс (ru)
- スペイン語: impedancia (es)
- ベトナム語: trở kháng (vi)
- 中国語: 阻抗 (zh) (zǔkàng)
「インピーダンス」の例文・使い方・用例・文例
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