スミスチャート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 07:24 UTC 版)
スミスチャート(Smith chart)とは、電子工学において伝送路のインピーダンス整合を設計する際に用いられる、複素インピーダンスを示す円形の図表である。1939年にベル研究所のエンジニアでアマチュア無線家(コールサイン 1ANB)でもあるフィリップ・スミスにより発明されたとされる。発明の理由をスミス氏は「計算尺が使えるようになった頃から、数学的な関係を図で表現することに興味を持っていた」と説明した。スミスの提案の2年前、日本無線電信株式会社の水橋東作は1937年(昭和12年)に発表した論文中第1図で、「反射係数の(及)に対する円線図」という正規化インピーダンスに対するスミスチャートと等価の計算図表を提案し、この「便利な図」を用いてグラフィカルにインピーダンスの計算ができることを示した[1]。このため日本国内では、スミスチャートは水橋チャートまたは水橋-スミスチャートと呼称するのが妥当であるとの意見が存在する[2][3]。
- ^ 水橋東作, "四端子回路のインピーダンス変成と整合回路の理論," 電気通信学会雑誌、第12号、pp.1053-1058 (1937).
- ^ 岡村史良, "スミスチャートは日本人の独創ではないか," 電気通信学会雑誌、第8号、pp.768-769 (1959).
- ^ 伊藤健一「インピーダンスのはなし」日刊工業新聞社 、p.26 (1999) ISBN 4-526-04463-6
- 1 スミスチャートとは
- 2 スミスチャートの概要
- 3 参考文献
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