スミス–ヴォルテラ–カントール集合
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数学において、スミス–ヴォルテラ–カントール集合 (SVC)、太ったカントール集合、ε-カントール集合[1]は、実数直線の部分集合であって、疎集合(特に、区間を含まない)でありながら正の測度を持つものの一例である。スミス–ヴォルテラ–カントール集合の名はヘンリー・スミス、ヴィト・ヴォルテラ、ゲオルク・カントールにちなむ。1875年の論文において、スミスは実数直線上の正測度を持つ疎集合について議論している[2]、そしてヴォルテラは1881年に似た例を紹介している。[3] 続いて、1883年に今日知られているカントール集合が紹介されている。スミス–ヴォルテラ–カントール集合は middle-thirds Cantor set と呼ばれる"真ん中を1/3ずつ取り除いて構成する"通常のカントール集合と同相である。
構成
通常のカントール集合とよく似た構成であり、スミス–ヴォルテラ–カントール集合も単位区間
スミス–ヴォルテラ–カントール集合の構成の各ステップでは残りの区間に比例して除去される部分の割合も小さくなっている。このことはカントール集合の構成と対照的であり、カントール集合では除去される部分の割合は不変である。このことにより、前者は正の測度をもち、後者は測度 0 をもつ。
性質
その構成法により、スミス–ヴォルテラ–カントール集合はいかなる区間をも含まず、よって内部が空である。また、閉集合列の交叉として得られるので、閉集合である。構成法により
スミス–ヴォルテラ–カントール集合
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「カントール集合」の記事における「スミス–ヴォルテラ–カントール集合」の解説
詳細は「スミス–ヴォルテラ–カントール集合(英語版)」を参照 カントール集合を作る過程において、任意の小区間から中央の 1/3 を取り除くことを繰り返す代わりに、中央からもっと別の固定した割合 (0%から100%の間) で取り除くことを繰り返すこともできる。区間の中央 8/10 を取り除くようにした場合、できあがるのは十進展開の各桁が 0 と 9 のみで書ける [0, 1] の数全体から成す集合という極めて分かりやすいものになる。 各段階において取り残す小区間の割合を徐々に小さくしていくことにより、カントール集合に同相で正のルベーグ測度を持ち、それでもなお至る所疎であるような集合を構成することができる。例はスミス–ヴォルテラ–カントール集合(英語版)の項を見よ。
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