スミスが影響を受けた文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 13:44 UTC 版)
「E・E・スミス」の記事における「スミスが影響を受けた文学」の解説
スミスのエッセイ "The Epic of Space" で、彼は好きな作家を(姓のみ)挙げている。ジョン・W・キャンベル、L・スプレイグ・ディ=キャンプ、ロバート・A・ハインライン、マレイ・ラインスター、H・P・ラヴクラフト、A・メリット(特に『イシュタルの船』、『ムーン・プール』、『黄金郷の蛇母神』、『蜃気楼の戦士』)、C・L・ムーア(特に《処女戦士ジレル》)、A・E・ヴァン・ヴォークト、スタンリイ・G・ワインボウム(特にトウィール)、ジャック・ウィリアムスンなどである。スミスは《レンズマン》の準備をする過程で、Clinton Constantinescu の "War of the Universe" は傑作ではないとし、Starzlやウィリアムスンの作品は傑作だと記している。Starzl は Interplanetary Flying Patrol というパトロール隊を作品で描いており、それがスミスの三惑星連合軍や銀河パトロール隊に影響している可能性がある。《レンズマン》シリーズにはA・メリットの『ムーン・プール』によく似た場面がいくつかある。 スミスは Galactic Roamers や E. Everett Evans らの作品への協力があったことを認めている。スミスの娘 Verna は彼女が若いころにスミス家を訪問した人物として、Lloyd Arthur Eshbach、ハインライン、デイヴィッド・カイル、ウィルスン・タッカー、ウィリアムスン、フレデリック・ポール、A・メリット、そして Galactic Roamers を挙げている。 サム・モスコウィッツの著書 Seekers of Tomorrow にあるスミスの伝記的記述によれば、スミスはアーゴシー誌を定期購読しており、H・G・ウェルズ、ジュール・ヴェルヌ、ヘンリー・ライダー・ハガード、エドガー・アラン・ポー、エドガー・ライス・バローズの作品は全て読んでいたという。モスコウィッツはまた、スミスの読書遍歴について「哲学、古代史や中世史、英文学全般」に及んでいたとしている。そういった素養が作品に表れている部分は少なく、『三惑星連合軍』の古代ローマの章やスミスの複雑だが完璧な文体ぐらいしかない。『銀河パトロール隊』で「レンズ」が万能翻訳機の役目も果たすという設定は、ゴットロープ・フレーゲに代表される19世紀言語哲学の影響ととることもできる。また『グレー・レンズマン』ではラドヤード・キップリングの "Ballad of Boh Da Thon" を引用している。 モスコウィッツとスミスの娘 Verna Smith Trestrail は、アスタウンディング誌編集長ジョン・W・キャンベルとスミスは問題を抱えた関係だったとしている。スミスの最も成功した作品はキャンベルが出版したものだが、キャンベルがどの程度影響を与えたかは不明である。《レンズマン》シリーズの骨子はキャンベルの前の編集長F・オーリン・トレメインが受け入れたもので、スミスが『渦動破壊者』をトレメインの新雑誌 Comet に売ったため(1941年)、キャンベルの怒りを買ったという。1947年にアスタウンディング誌に『レンズの子供たち』を連載開始する際のキャンベルの紹介にはそれほど熱がこもっていなかった。後にキャンベルはそれを掲載するのはいやだったと語っているが、作品そのものは賞賛しており、その後はスミスの作品をほとんど買い取っていない。
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