音響インピーダンスとは? わかりやすく解説

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音響インピーダンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 04:37 UTC 版)

音響インピーダンス(おんきょうインピーダンス、: acoustic impedance)は、音響について交流電力のインピーダンスの概念を導入した物理量であり、音場において波面に平行で有限な面における、音圧とその面を通過する体積速度(=粒子速度✕面積)との複素数比である[1]SI単位は[Pa⋅s/m3](=N⋅s/m5)。

概要

電力電圧電流の積により表され、その次元L2 M T−3である仕事率(パワー)であるが、音波について電力に対応する次元の量は、音圧とその面を通過する体積速度(=粒子速度✕面積)の積により表される音響パワーである。音響パワーは電力と同様に仕事率であり単位はワットである。 この音響パワーを構成する音圧と体積速度について、交流電力における電圧と電流の比であるインピーダンスに対応させ[注釈 1]、音圧と体積速度の比を取ったものが音響インピーダンスである[2]。音響インピーダンスは複素数比であり、その実数部を音響抵抗といい、虚数部を音響リアクタンスという。

比音響インピーダンス

この音響インピーダンスから面積の要素を除き[注釈 1]、音場内のある点における音圧と粒子速度との比を取ったものを比音響インピーダンス(ひおんきょうインピーダンス、: specific acoustic impedance)という。単位は[Pa⋅s/m]である。比音響インピーダンスは複素数比であり、その実数部を比音響抵抗といい、虚数部を比音響リアクタンスという[3]

特性インピーダンス

また、自由進行平面波の比音響インピーダンスを特性インピーダンス: characteristic impedance)といい、ある点の音圧 p [Pa]と粒子速度(振動速度)u [m/s]との複素数比により表される特性インピーダンスzc (=p/u)は、エネルギー損失がない媒質では常に実数であり、pcuから媒質の密度ρ[kg/m3]とその弾性波の伝搬速度 c[m/s]との積ρc [Pa⋅s/m] に等しく、媒質に固有の値をとる。固有音響インピーダンスあるいは固有音響抵抗ともいう[2][4]

この実数で表される特性インピーダンス(固有音響インピーダンス)を指して、時に「音響インピーダンス」と言われることがあるが、音響学において音響インピーダンスは交流電力におけるインピーダンスと同様に、複素数比で示される量である。

脚注

注釈

  1. ^ a b JIS Z 8106:2000, 「インピーダンス」では、「インピーダンスは、その積がパワー又は単位面積当たりのパワーの単位をもつような二つの量の商である。」と説明する。

出典

  1. ^ 『新版 音響用語辞典』 (2003), p. 48, 「音響インピーダンス」.
  2. ^ a b 前川・森本・阪上『建築・環境音響学』第3版 (2011), pp. 4–5.
  3. ^ 『新版 音響用語辞典』 (2003), p. 318, 「比音響インピーダンス」「比音響抵抗」「比音響リアクタンス」.
  4. ^ 『新版 音響用語辞典』 (2003), p. 282, 「特性インピーダンス」.

参考文献

関連項目


音響インピーダンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:05 UTC 版)

インピーダンス整合」の記事における「音響インピーダンス」の解説

インピーダンス概念は、交流だけではなく波動一般に広げられる例え音波伝播にもインピーダンス導入しうる。音響インピーダンスは一つの面における(複素表示による)音圧SI単位Pa)を(複素表示による)体積速度SI単位はm3/s)で除したもので,そのSI単位Pa・s/m3である。また,平面進行波について音圧粒子速度除したものは,その媒質特性インピーダンスSI単位Pa・s/m)と呼ぶ。これは電気における電流対す電圧の比に対応したのである。特に平面波場合媒質密度媒質中音速の積で表される。音響インピーダンスの単位Pa・s/m3又はN・s/m5(結局同じ)である。このように音響インピーダンスと音波についての特性インピーダンス異なった概念物理量である。 水の音響特性インピーダンスは約1.5×106 N・s/m3であり、空気特性インピーダンスは約4.1×102 N・s/m3である。よって、例え水面向かって叫び声上げても、空気中の音波水面でほとんどが反射され水中には伝播しにくい。ここで、軽く大面積の振動板とそれに連結した小面積の振動板用意し、その面積比を空気特性インピーダンスの比にあわせることにする。小面積の振動板水面触れさせ、大面積の振動板向かって叫び声あげれば、狭い面積大きな圧力がかかり、効率よく音のエネルギー伝えられる聴覚系では、耳小骨がこれに近い働きをし、空中音波内耳リンパ液伝えている。 音波の、チューブ開放端や閉鎖端における反射特性インピーダンス違いよるものである。開放端はインピーダンス低く閉鎖端はインピーダンス高くなっている。金管楽器ではラッパ状の開口部カットオフ周波数上の音波に対してホーンとして働き効率良く音波放射する。しかし低い周波数音波に対して開放端に近い動作をすることになり、管内定在波維持される。 音響インピーダンスは媒質中音速媒質密度との積で表される代表的な媒質の音響インピーダンスを以下に示す。 音響インピーダンス (縦波)媒質密度(kg/m3)音速(m/s)音響インピーダンス(kg/m2s)備考空気1.29 331 428 1、1気圧 103 1452 1.5×106 25 ガラス2.42×103 5440 13.2×106 天然ゴム0.97×103 1500 1.5×106 1MHz 氷0.917×103 3980 3.65×106 7.86×103 5950 46.4×106 8.96×103 5010 44.6×106 アルミニウム2.69×103 6420 17.3×106 鉛11.3×103 1960 22.4×106 ポリエチレン0.9×103 1950 1.75×106

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