音響インピーダンスとは? わかりやすく解説

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音響インピーダンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:05 UTC 版)

インピーダンス整合」の記事における「音響インピーダンス」の解説

インピーダンス概念は、交流だけではなく波動一般に広げられる例え音波伝播にもインピーダンス導入しうる。音響インピーダンスは一つの面における(複素表示による)音圧SI単位Pa)を(複素表示による)体積速度SI単位はm3/s)で除したもので,そのSI単位Pa・s/m3である。また,平面進行波について音圧粒子速度除したものは,その媒質特性インピーダンスSI単位Pa・s/m)と呼ぶ。これは電気における電流対す電圧の比に対応したのである。特に平面波場合媒質密度媒質中音速の積で表される。音響インピーダンスの単位Pa・s/m3又はN・s/m5(結局同じ)である。このように音響インピーダンスと音波についての特性インピーダンス異なった概念物理量である。 水の音響特性インピーダンスは約1.5×106 N・s/m3であり、空気特性インピーダンスは約4.1×102 N・s/m3である。よって、例え水面向かって叫び声上げても、空気中の音波水面でほとんどが反射され水中には伝播しにくい。ここで、軽く大面積の振動板とそれに連結した小面積の振動板用意し、その面積比を空気特性インピーダンスの比にあわせることにする。小面積の振動板水面触れさせ、大面積の振動板向かって叫び声あげれば、狭い面積大きな圧力がかかり、効率よく音のエネルギー伝えられる聴覚系では、耳小骨がこれに近い働きをし、空中音波内耳リンパ液伝えている。 音波の、チューブ開放端や閉鎖端における反射特性インピーダンス違いよるものである。開放端はインピーダンス低く閉鎖端はインピーダンス高くなっている。金管楽器ではラッパ状の開口部カットオフ周波数上の音波に対してホーンとして働き効率良く音波放射する。しかし低い周波数音波に対して開放端に近い動作をすることになり、管内定在波維持される。 音響インピーダンスは媒質中音速媒質密度との積で表される代表的な媒質の音響インピーダンスを以下に示す。 音響インピーダンス (縦波)媒質密度(kg/m3)音速(m/s)音響インピーダンス(kg/m2s)備考空気1.29 331 428 1、1気圧 103 1452 1.5×106 25 ガラス2.42×103 5440 13.2×106 天然ゴム0.97×103 1500 1.5×106 1MHz 氷0.917×103 3980 3.65×106 7.86×103 5950 46.4×106 8.96×103 5010 44.6×106 アルミニウム2.69×103 6420 17.3×106 鉛11.3×103 1960 22.4×106 ポリエチレン0.9×103 1950 1.75×106

※この「音響インピーダンス」の解説は、「インピーダンス整合」の解説の一部です。
「音響インピーダンス」を含む「インピーダンス整合」の記事については、「インピーダンス整合」の概要を参照ください。

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