需要と供給 需要・供給分析

需要と供給

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 00:03 UTC 版)

需要・供給分析

需要曲線と供給曲線。
競争市場においてはの市場価格が需要と供給によって決定される[3]。財に対する価格は、需要量が増加すれば減少し需要曲線は右下がりとなり[3]、供給量の増加は高価格帯(グラフ右側)が増加し供給曲線は右上がりとなる[3]。需要量と供給量とが均等となる価格を均衡価格、取引数量を均衡需給量という[3]

グラフの見方

需要曲線と供給曲線ともに、需要量(消費量)、供給量(生産量)の数量(横軸側、Q:Quantity)は各需要者、各供給者しか把握できない数量のため、供給側(メーカーの「メーカー希望小売価格」やお店の「店頭価格」の価格(縦軸側、P:Priⅽe)と、需要側(消費者)の購入予算などの価格側(縦軸)から各数量(横軸)の増減(変動)を見ていく。

また、一般の人は収入(給与)より支出の機会(買い物)が多く需要側の考え方になりやすいため、供給曲線の”供給数量が増えると価格が上昇する”事に対し、供給量や供給者の増加は価格競争の薄利多売や量産効果などによって低価格化する思いに対して逆行している違和感を感じるが、供給者の立場である就活やバイト探しの時を想定すれば、時給(供給価格)の高い企業に求人希望者(供給数量)が増加すると考えれば把握しやすい。

需給曲線を一般的なグラフの見方や考え方でとらえると、数量(x軸)に対して価格(y軸)が決まると思ってしまうが、現代社会においては、先に決めた価格(y軸)の商品値段や時給によって需要数量や求人者数(生産数量)の数量(x軸)が予測や推定ができるの場合が大半なのである。つまり、需給曲線をそのままに縦軸と横軸を入れ替えると、クラフと経験則の整合性が取れやすい。

需要曲線

需要側の考え方は、出費する側の立場になるので、低価格品(食料品や安価な商品(百均)など)の’グラフの下側’に対し、消費者は多くの人が欲しがるため、総数量は多くなり’曲線の端は右側’となる。また、高価格品(家や宝石、自動車など)の’グラフの上側’に対し、消費者は購入の機会が無かったり(購入資金不足)や、購入に対して慎重的になり購買意欲が膠着し、総数量が少なくなり’曲線の端は左側’となる。

供給曲線

供給側の考え方は、労働やバイト等の労力を支払い、収入を得る側の立場になるので、高価格品(給与が高い)の労働には多く人が欲しがり総数量が多くなり’曲線の端は右側’となり、低価格品(バイトやパート※労働価格が低い代わりに労働時間が正社員より短いなどの利点がある)の労働は、全労働者に対して少数の育児世代や学生などの労働時間に対して制限のある労働者とし、総数量が少なくなり’曲線の端は左側’となる。

需給曲線の向き
数量
供給 需要
価格 多(右) 少(左)
少(左) 多(右)
各曲線の向き


需要・供給分析

需要曲線供給曲線を用いた分析では、アルフレッド・マーシャル以来の伝統により価格を縦軸に取る。

価格(P)と数量(Q)の関係は曲線によって図示される。

数量の変化率と価格の変化率の比は、弾力性といわれる。この弾力性が大きいほど、価格の変化に対する数量の変化は大きくなる。

なお、2本の需要曲線が交わっているような場合、その交点では、より傾きの緩やかな曲線のほうが、価格弾力性は大きい。

また、同じ価格に対応する数量が変化したとき、曲線そのものが移動する。より多くの数量が対応するように変化した場合、曲線は右方に移動する。


注釈

  1. ^ フォン・マンゴルト関数で知られるドイツの数学者ハンス・カール・フリードリヒ・フォン・マンゴルト英語版の息子である。
  2. ^ なお、中世の荘園・公領においては、供給に必要な食料や人夫は雑公事及び夫役として現地の在地領主及び名主百姓の負担とされていた[15]

出典

  1. ^ a b c d 小学館『日本大百科全書』「需要」
  2. ^ a b 小学館『日本大百科全書』「供給」
  3. ^ a b c d 需要・供給の法則』 - コトバンク
  4. ^ 岩田規久男 『経済学的思考のすすめ』 筑摩書房、2011年、73頁。
  5. ^ スティーヴン・ランズバーグ 『ランチタイムの経済学-日常生活の謎をやさしく解き明かす』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2004年、196-197頁。
  6. ^ 日本経済新聞社編 『経済学の巨人 危機と闘う-達人が読み解く先人の知恵』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2012年、35頁。
  7. ^ a b c d e f g Humphrey, Thomas M. (1992). “Marshallian Cross Diagrams and their Uses before Alfred Marshall”. Economic Review (Mar/Apr): 3–23. https://www.richmondfed.org/-/media/richmondfedorg/publications/research/economic_review/1992/pdf/er780201.pdf 2022年10月29日閲覧。. 
  8. ^ Karl Heinrich Rau,Grundsätze der Volkswirthschaftslehre , 1841b., Heidelberg.
  9. ^ 池田浩太郎「K.H.ラウの『財政学の諸原理』初版--「初期ドイツ財政学」のStandardwerkの出現」2003,成城大学経済研究159号、p97~131
  10. ^ Dupuit, Arsène Jules Étienne Juvénal (1844): De la mesure de l’utilité des travaux publics, Annales des ponts et chaussées, Second series, 8.:On the measurement of the utility of public works. Trans. by R.H. Barback in Readings in Welfare Economics,ed. K.J. Arrow and T. Scitovsky. Homewood,IL: Richard D. Irwin, 1969, 255-83.
  11. ^ Grundriss der Volkswirthschaftslehre. Ein Leitfaden für Vorlesungen an Hochschulen und für das Privatstudium. Faksimile der 1863 in Stuttgart erschienenen Erstausgabe. Komm. von Peter D. Groenewegen, Karl Heinrich Kaufhold und Jochen Schumann. Wirtschaft und Finanzen, 1995, ISBN 978-3-87881-096-4. 英語訳 The exchange ratio of goods. E,Henderson訳
  12. ^ 1870. " The Graphical Representation of the Laws of Supply and Demand, and their Application to Labour",in Alexander Grant, ed., Recess Studies, ch. VI, pp. 151–85.
  13. ^ 類聚名義抄
  14. ^ 早川庄八「供給」(『日本史大事典 2』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13105-5)P967
  15. ^ 網野善彦「公事」(『歴史学事典 1 交換と消費』(弘文堂、1994年) ISBN 978-4-335-21031-0)P218





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