交差弾力性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/30 04:20 UTC 版)
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交差弾力性(こうさだんりょくせい, 英: Cross elasticity)、または需要の交差弾力性(英: Cross elasticity of demand)とは、ある財の価格が1%変化したときの、他の財の需要量の変化率のこと[1][2]。交差弾力性が正の場合は2つの財は互いに代替関係にあり、ゼロの場合は独立関係にあり、負の場合は補完関係にあるという。
概要
財Aの価格pA の変化ΔpA に対し、財Bの需要量qB がΔqB だけ変化したとき、交差弾力性
需要の交差弾力性の概念はアルフレッド・マーシャルに最初に提唱された。セロファンの誤謬のケースでは、ジョージ・ストッキングは、ある財の価格の変化は競合関係にある財の価格の変化を引き起こすと考え、2つ財の価格の動きについて調べた[5]。1924年から1940年にかけて、デュポンのセロファンの価格は、競合他社の価格とは独立して変動した。それは、セロファンと競合他社の財は実は競合関係にないことを示唆した[6]。セロファンの価格は次の3つの要因によって変化することを整理した。
- 競合製品の価格変化による需要の変化
- セロファンの供給量の変化
- 競合製品の費用曲線の傾きと位置
つまり、価格の変動はコストの変化と需要の変化の両方から生じるため、2つの財間の競争関係は、価格変動から単純に推察することはできない。そこで、一方の財の価格の変化がもう一方の財の需要にどのような影響を与えるのかを測る指標として、需要の交差弾力性の概念が提示された。
解釈
財Bの需要の財Aの価格に対する交差弾力性を


弾力性
需要の交差弾力性が正でその絶対値が大きいほど、2つの財の代替性が高くなる[8]。したがって、それらの財の間の競争は激しい。財が互いに代替関係にあっても、財の製品差別化の程度が大きければ、需要の交差弾力性の絶対値は低くなる[9]。
需要の交差弾力性が負で、その絶対値が大きいほど、2つの財の補完性は高くなる[8]。
弾力的なケース
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