兵器 兵器に対する規制

兵器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/01 07:38 UTC 版)

兵器に対する規制

一方で兵器の開発・製造を規制する動きもある。第一次世界大戦後の「ワシントン海軍軍縮条約」や、「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」などがある。

ただし、ワシントン会議後の1920年代から1930年代戦間期には、確かに主力艦の保有数の制限があったものの、技術開発は続けられた。また、それら条約を批准しない国があるなどの問題もある。近年ではクラスター爆弾の使用を規制する「クラスター弾に関する条約」などが有名であるが、やはり批准を拒否する国が存在する。

兵器の寿命

新たな兵器が採用されるに伴い、老朽化や旧式化した兵器は退役を迎える。兵器の寿命はその兵器の耐久年数のみならず、新たな技術革新や技術の進歩に合わせて異なる。また、新兵器の更新が進まず、老朽化した兵器の延命改修を行う場合もある。

顕著な例としては、アメリカ空軍戦略爆撃機B-52がある。1952年の初飛行後、B-1/B-2などが登場してもなお、その「枯れた技術」を基礎とした信頼性の高さから、最終量産型であるH型は2045年までの運用が予定されている[注 4]

また、第二次世界大戦時に建造されたアイオワ級戦艦アイオワ」「ニュージャージー」「ミズーリ」「ウィスコンシン」の4隻は、1980年代600隻艦隊構想に基づいて近代化改修が施され、冷戦が終結する1990年代前半まで運用された。

世界初の攻撃ヘリコプターとして有名なAH-1(原型のモデル209は1965年に初飛行)は、元々AH-56の開発に時間がかかる事が予想されたため、開発が完了するまでの繋ぎの暫定攻撃ヘリコプターとして採用された経緯がある。しかし、AH-56は技術面・コスト面の問題を解決することができず最終的にキャンセルされ、AH-1は主力攻撃ヘリコプターとして現在でも派生型が運用されている。

退役後の兵器

アメリカ合衆国アリゾナ州デビスモンサン空軍基地AMARGでモスボールされ、保管される兵器たち
手前にUH-1、奥にF-4が並ぶ

第一線から退いた兵器は、様々な余生を送ることになる。

状態の良いものはモスボール化され、有事の際に前線で兵器や物資が不足した際に再利用される。また、他国への輸出商品となる場合もある。太平洋戦争終結後、海上自衛隊アメリカ海軍から供与された、のちにあさひ型護衛艦と呼ばれる事になるアミックUSS Amick, DE-168)とアザートン(USS Atherton, DE-169)は、元々大戦終結後に予備艦となっていたものであったし、中華民国では自国のF-104の維持のため、航空自衛隊ドイツ空軍などで退役したF-104を導入し、機体数維持や部品取りに用いた。

これらに加え、博物館などで余生を送る場合もある。しかし、アメリカ海軍F-14艦上戦闘機などの様に[注 5]、退役した兵器が他国では現役で運用されている場合は、完全な形で展示されない事もある。

上記の二つは保管や維持にコストが掛るため、不必要となった兵器は最終的に解体スクラップとなる。 ただし、兵器はその運用・設計思想から頑丈にできているため、解体自体にも多くのコストを必要とする。

ベルリンの壁崩壊によるドイツ再統一に伴い、ドイツ連邦軍東ドイツの東側の兵器を多数保有するに至った。MiG-29などの一部の兵器はドイツ連邦空軍で引き続き運用[注 6]されるかインドネシアなど他国へ売却されたが、西側との規格の違いや運用コストの高さなどから多くの兵器が解体された。


注釈

  1. ^ 本記事では銃弾、砲弾、ミサイルの弾頭などを破壊体としたが、これらを発射体と呼ぶこともある
  2. ^ 兵器システムにおける運搬体は、プラットフォームと呼ばれることが多い
  3. ^ 欧州各国でエアバス A400Mを共同開発した例や、NATOで輸送機を共同保有する例がある
  4. ^ つまり、初期型の初飛行からほぼ一世紀運用される可能性を有している
  5. ^ 政治的に対立するイランへの部品流出を防ぐため、レーダーやエンジン等の重要備品は完全に撤去されてから引き渡されている
  6. ^ ドイツ空軍のMiG-29は西側の有する数少ない東側戦闘機として他国との共同訓練に頻繁に参加していたが、部品供給や稼働率の低さなど問題を抱え、2005年ユーロファイター タイフーンの導入により全機が退役した。しかし、その多くがポーランドに売却され、第二(第三)の人生を送っている
  7. ^ アメリカ海軍の協力が得られた「トップガン」、自衛隊の協力を得られたゴジラシリーズガメラシリーズ、「戦国自衛隊1549」など

出典

  1. ^ a b c ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「兵器」
  2. ^ a b c 出典:加藤朗著 『兵器の歴史』 芙蓉書房出版 2008年1月25日第一刷発行 ISBN 9784829504130
  3. ^ さらに言うと、戦車や戦闘機ですら、米国では個人が趣味で所有して乗り回したり飛ばしたりすることもあるわけで、個人が趣味で所有したら戦車や戦闘機ですら「兵器」扱いではなくなる。
  4. ^ a b c d e 小学館『日本大百科全書』「兵器」
  5. ^ なお、念のために言っておくと、軍隊が所有するありとあらゆるものが「兵器」というわけではない。「兵器」はあくまで軍事目的で重要な装置や設備のことである。軍隊が保有・使用しているものでも、たとえば軍隊の施設内に、たとえば寝台・運動用器具(ランニングマシン、ベンチプレス器具)やカラオケ装置などを保有していても、その寝台・運動用器具 等までが「兵器」というわけではない。攻撃や防御などの目的に使用されるわけでもなく、軍事的に重要な器具・装置類ではないからである。
  6. ^ 岩狭源清著 『中国原潜技術&漢級侵犯事件』 軍事研究2005年4月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2005年4月1日発行 ISSN 0533-6716 Page195
  7. ^ 三鷹聡著 『2010年アジア欧州の陸戦主力兵器』 軍事研究2005年2月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2005年2月1日発行 ISSN 0533-6716 Page75
  8. ^ 宮園道明著 『発展する中国のミサイル産業』 軍事研究2008年9月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年9月1日発行 ISSN 0533-6716
  9. ^ 清谷信一著 『実需要の高い新型ジープ』 軍事研究2008年10月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年10月1日発行 ISSN 0533-6716 Page73
  10. ^ 菊池雅之著 『DLO:空中機動作戦師団』 軍事研究2008年10月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年10月1日発行 ISSN 0533-6716 Page78






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