講和会議とは? わかりやすく解説

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こうわ‐かいぎ〔カウワクワイギ〕【講和会議】

読み方:こうわかいぎ

講和条約協議締結するため、当事国の代表が集まって行う会議


講和会議

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:32 UTC 版)

ポーツマス条約」の記事における「講和会議」の解説

講和会議の公式会場メイン州キタリー所在するポーツマス海軍工廠86号棟であった海軍工廠ポーツマス海軍造船所)はピスカタカ川の中洲にあり、水路対岸ニューハンプシャー州ポーツマス市である。日本とロシア代表団は、ポーツマス市に隣接するニューカッスル英語版)のホテル宿泊し、そこから船で工廠赴いて交渉行った交渉参加者以下の通りである。 日本全権委員小村寿太郎外務大臣)、高平小五郎(駐米公使随員佐藤愛麿(駐メキシコ弁理公使)、山座円次郎外務省政務局長)、安達峰一郎外務省参事官)、本多熊太郎外務大臣秘書官)、落合謙太郎外務省二等書記官)、小西太郎外交官補)、立花小一郎陸軍大佐(駐米公使館陸軍武官)、竹下勇海軍中佐(駐米公使館付海軍武官)、ヘンリー・デニソン外務省顧問ロシア全権委員セルゲイ・ウィッテ元蔵相・伯爵)、ロマン・ローゼン駐米大使開戦時駐日公使随員:ゲオルギー・プランソン(ロシア語版)(外務省条約局長)、フョードル・フョードロヴィチペテルブルク大学国際法学者外務省顧問)、イワン・シポフ(ロシア語版)(大蔵省理財局長)、ニコライ・エルモロフ(ロシア語版陸軍少将駐英陸軍武官)、ウラジーミル・サモイロフ(ロシア語版陸軍大佐(元駐日公使館陸軍武官)、イリヤ・コロストウェツ(ロシア語版)(ウィッテ秘書、後に駐清公使)、コンスタンチン・ナボコフ(ロシア語版)(外務省書記官) 講和会議は、1905年8月1日より17回にわたって行われた8月10日からは本会議始まったまた、非公式にホテル交渉することもあった。 8月10日第一回本会議冒頭において小村は、まず日本側の条件提示し逐条それを審議する旨を提案してウィッテ了解得た小村ウィッテ示した講和条件次の12箇条である。 ロシア韓国大韓帝国)における日本の政治上・軍事上および経済上の日本利益認め日本韓国対す指導保護および監督対し干渉しないこと。 ロシア軍満州よりの全面撤退満州におけるロシア権益のうち清国主権侵害するもの、または機会均等主義反するものはこれをすべて放棄すること。 満州のうち日本の占領した地域改革および善政保障条件として一切清国還付すること。ただし、遼東半島租借条約包含される地域は除く。 日露両国は、清国満州商工業発達のため、列国共通する一般的な措置執行にあたり、これを阻害しないことを互いに約束すること。 ロシアは、樺太および附属島、一切公共営造物財産日本譲与すること。 旅順大連およびその周囲租借・該租借関連してロシア清国より獲得した一切権益財産日本移転附すること。 ハルビン旅順鉄道とその支線およびこれに附属する一切権益財産鉄道所属する炭坑ロシアより日本移転附すること。 満州横貫鉄道東清鉄道本線)は、その敷設にともなう特許条件したがい、また単に商工業上の目的にのみ使用することを条件としてロシア保有運転すること。 ロシアは、日本戦争遂行要した実費払い戻すこと。払い戻し金額時期方法別途協議すること。 戦闘中損害受けた結果中立港に逃げ隠れしたり抑留させられロシア軍艦をすべて合法戦利品として日本引き渡すこと。 ロシア極東方面において海軍力増強しないこと。 ロシア日本海オホーツク海およびベーリング海におけるロシア領土沿岸港湾入江河川において漁業権日本国民許与すること。 それに対してウィッテは、8月12日午前第二回本会議において、2.3.4.6.8.については同意または基本的に同意、7.については「主義においては承諾するが、日本軍占領されていない部分放棄できない」、11.については「屈辱的約款には応じられないが、太平洋上に著大海軍力を置くつもりはないと宣言できる」、12.に対しては「同意するが、入江河川にまで漁業権与えられない」と返答する一方、5.9.10については、不同意の意を示した。この日は、第1条韓国問題についてさらに踏み込んだ交渉なされたウィッテは、日露両国盟約によって一独立国滅ぼしては他の列強からの誹りを受けるとして、これに反対した。しかし、強気小村はこれに対し今後日本行為によって列国から何を言われようと、それは日本の問題であると述べ国際的批判意に介せずとの姿勢示したウィッテも譲らず、交渉初手から難航した。これをみてとったロマン・ローゼンは、この議論議事録にとどめ、ロシア日本抵抗した記録残し韓国同意得たならば、日本保護確立進めてもよいのではないかという妥協案をウィッテ示した小村また、韓国日本承諾なければ他国条約を結ぶことができない状態であり、すでに韓国主権は完全なものではないと述べたウィッテ小村主張聞いてローゼン妥協案を受け入れた。こうして、1.についても同意得られた。 8月14日第3回本会議では第2条第3条について話し合われ難航したものの最終的に妥結した15日第4回本会議では第4条満州開放問題日本案通り確定され第5条樺太割譲問題両者対立のまま先送りされた。16日第5回本会議では第7条第8条討議され第7条原則的な、第8条は完全な合意成立至った8月17日第6回本会議18日第7回本会議では償金問題討議したが、成果上がらず小村全権依頼によって、かねてより渡米し日本広報外交担っていた金子堅太郎ルーズベルト大統領会見して、その援助求めたルーズベルト8月21日ニコライ2世あてに善処求め親電送った8月23日第8回本会議では、ウィッテ小村対し「もしロシアサハリン全島日本にゆずる気があるならば、これを条件として、日本金銭上の要求撤回する気があるか」という質問なげかけた。ロシアとしては、これをもし日本拒否したならば、日本金銭のために戦争をおこなおうとする人道的な国家であるという印象世界がいだくであろう期待して問いであった。それに対し小村樺太はすでに占領しており、日本国民領土償金両方望んでいると応答したルーズベルト日本巨大な償金要求をやめよと声をかけた。 ルーズベルトは再び斡旋乗りだしたが、ニコライ2世から講和勧める2度目親書返書受け取ったとき「ロシアはまったサジ投げた。講和会議が決裂したら、ラムスドルフ外相ウィッテ自殺して世界にその非を詫びなければならぬ」と口荒く語ったといわれている。8月26日午前秘密会議午後第9回本会議成果なく終わった。しかし、このとき高平との非公式面談席上ロシアは「サハリン半分譲渡」を示唆したといわれる。しかし、小村らはロシア毫も妥協示さないとして、談判打ち切りの意を日本政府打電した政府緊急に元老および閣僚による会議開き8月28日御前会議経て領土償金要求両方放棄してでも講和成立させるべし、と応答した全権事務所にいた随員日本から派遣され特派記者もこれには一同たいへんな衝撃受けた。 これに前後してニコライ2世樺太の南半分割譲してもよいという譲歩をみせたという情報同盟国イギリスから東京伝えられたため、8月29日午前秘密会議午後第10回本会議では交渉進展し南樺太割譲ロシア側が同意することで講和事実上成立した。これに先だち、ウィッテはすでに南樺太割譲合意することを決心していた。第10回会議場から別室戻ったウィッテは「平和だ日本全部譲歩した」とささやき随員抱擁接吻喜んで受けたといわれている。 アメリカヨーロッパ新聞は、さかんに日本が「人道国家」であることを賞賛し、日本政府開戦目的達したとの記事掲載した皇帝ニコライ2世は、ウィッテ報告聞いて合意成立した翌日日記に「一日中頭がくらくらした」とその落胆ぶりを書き記しているが、結局のところ、ウィッテ決断受け入れるほかなかった。9月1日両国のあいだで休戦条約結ばれた。 以上のような曲折経て1905年9月5日(露暦8月23日)、ポーツマス海軍工廠内で日露講和条約調印なされたロシア軍部には強い不満が残りロシア勝利を期待していた大韓帝国皇帝高宗絶望した

※この「講和会議」の解説は、「ポーツマス条約」の解説の一部です。
「講和会議」を含む「ポーツマス条約」の記事については、「ポーツマス条約」の概要を参照ください。

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