破壊の八極道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 22:53 UTC 版)
輝村極道(きむら きわみ) 主人公の一人。“破壊の八極道”の一人。推定29~30歳。髪で隠しているが、側頭部に大きな傷跡がある。 表向きは玩具会社「ダイバン」の企画部長というエリートサラリーマン。裏では音羽組傘下二代目竹本組“裏組長”、割れた子供達(グラスチルドレン)創立時のメンバーでその当時のMP(マサクゥルポイント)は80万。中国拳法の心得があり、短刀と銃の扱いに長ける。また、部下の極道技巧を使用することもできる。“地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)”の元締め。 人心掌握術にたけ、目的の為なら手段を択ばない悪のカリスマ。極道を「世を外れ社会から孤立した者達の生きる寄る辺」と考えており、“孤独な者”を排除する現在の社会の破壊をもくろみ、“短刀”“銃”“麻薬”による打倒忍者を誓っている。一方で、家庭環境と事故が原因で感情の起伏が常人から大きく逸脱しており、人間らしい感情を感じることがなく、極道仲間であろうと共感しあえる人間がいない。そのことを隠し表向き自分を偽り続けているため、本心を曝け出せずにいる。なお、情や仲間意識自体はあり、夢澤や殺島の死を悼んだり、彼らの計画がうまくいったときのための祝いの席を予約していたりと、「全ての孤独な者の力になる」という想いは本物。 プリンセスシリーズの熱狂的ファン。その縁で忍者(しのは)との深い友情が結ばれた。中でも『F(フラッシュ)』のダークヒロインであるヒースが大好きで、孤独な怪人を愛し守ろうとしている彼女に自分と忍者(しのは)を重ねている。何に対しても芯から感情が動かないはずだったが、忍者(しのは)といる時のみ心から笑ったり、つられて涙を流するなど、人間的な情緒が生まれている。年の離れた彼を友達として本気で大切に思っており、自らの命運を左右する希少な“地獄への回数券”すら「君が危機に陥った時に使うんだ」と譲り渡している。 ガムテとは複雑かつ劣悪な「親子」関係で繋がっており、あくまで「ビジネスストライクな取引をする上司と部下」または「師弟」として接している。その一方、本人は一切気が付いていないが、ガムテとの歪な関係を続けた影響により、僅かながらも本来の感情(主に怒りと哀しみ)を取り戻している。 赤坂で東京中の極道を扇動し、忍者狩りを行おうとするも壊左により皆殺しにされるが、忍者を挑発すべく討ち取った壊左の遺骸を挽肉にする。その後は主に裏方に回っており、生前夢澤が嫌っていた今の歌舞伎町を爆破し死者8万人超の崩落事故を引き起こし、殺島の望む帝都高(テトコー)暴走のための極道車をわずか数日で3万台用意するなどしている。「割れた子供達(グラスチルドレン)」の総理官邸襲撃に巻き込まれた際は、ガムテの悪意を評価しながらも「このタイミングは0点だ」と告げ、自らの生存と忍者(しのは)を守るために行動を開始する。 刺青は彼の理想像である「地球をブッ壊すシヴァ」。 夢澤恒星(ゆざわ こうせい) 二代目竹本組組長で、極道の側近。“破壊の八極道”の一人。“仁義の大侠(おおおとこ)”の異名を持つ巨漢。38歳。 その怪力は容易に人の首を引き抜くほど。義に篤く部下想いであるが、敵に対しては子供が虫を殺すが如く躊躇なく行う残虐性を持つ。極道技巧“進撃の極道電車道(ヤクザライナー)”を使う。実力は八極道の中では最弱。趣味はEテレの理系番組視聴。刺青は愛と家庭円満の象徴である愛染明王。 自分より後から見習いとして入ってきた極道(きわみ)の知性とカリスマに惹かれ、数年前より組の実権を譲り支えている。極道(きわみ)の無感情について理解したうえで彼を尊敬している。 忍者達をおびき寄せるために在日米軍の施設跡地“歌舞伎町地下倶楽部”(カブチカ)で極道(きわみ)に反目する半グレやヤクザを殺害していたが、忍者の襲来を察知して忍災孤児トリオを逃がした後に陽日により舎弟共々火だるまにされた後、腹を貫かれ瀕死の重傷を負うが、直前に殺害していた者達の血の池で消火し、自身に刺さっていた角質から陽日の能力を解析する。反撃の為に瀕死の状態から意識を取り戻すため切腹、それに動揺した陽日に組み付いた舎弟全員の命と引き換えに極道(きわみ)からの誕生日プレゼントの短刀で陽日の胸を貫くも、同時に陽日の暗刃によって首を狩られ、在りし日の歌舞伎町での初代組長と舎弟達の幻影を見ながら満足げに息絶えた。 彼の死後、極道(きわみ)は忍者(しのは)との帝都高のドライブ中に、夢澤をフラッシュ☆プリンセスのオトコングに例えて「私には出来過ぎた仲間だった」と語っている。 ガムテ / 輝村照(きむら てる) 極道(きわみ)の息子。推定15~16歳(本編の3年前時点で中学1年生のため)。未成年の少年少女だけで構成された殺し屋集団「割れた子供達(グラスチルドレン)」のリーダー。MP(マサクゥルポイント)は本編の3年前の時点で53万。{{Ruby|忍者|しのは}との決戦に二枚摂取(ギメ)をし、5分という時間制限と引き換えに MP 1000万を超える実力を持つことができた。その際、他の’’割れた子供達’’の能力を使用することができる。破壊の八極道”の一人。“殺人(コロシ)の王子様”の異名を持つ。 戦闘時は髪や顔中にガムテープを張り付け、ズボンの上から裾がボロボロなプリーツスカートを履いている幼い外見の少年。当初は短刀の二刀流(両手とも逆手)を武器にしていたが、左手を失ってからの帝都高(テトコー)での戦闘では短刀をガムテープで留めた双刃刀「Wドスドス」を獲物としていた。帝都高(テトコー)での戦闘の色の抵抗に因って「Wドスドス」はその場で放棄し、以降は短刀一本でのスタイルに切り替えている。 性格は軽率かつ幼稚に見えるが、相手の油断を誘うために道化を演じており、本質はかなり冷静で観察眼が鋭い。「心が壊れた子供の味方」を自称し、「高価な大人」の殺害を楽しんでいる。学習能力や閃きには優れており、戦闘中に狙って筋繊維の隙間から内蔵へ短刀を刺せる、無呼吸で30分程度なら活動できる等、超人的な技能も持つ。極道技巧“疒(やまいだれ)”の使い手。 極道(きわみ)からは認知されておらず、ただの雇用関係。本人も極道(きわみ)を父親と見なさず、母親と自分を見捨てた男として殺す機会を探っている。母親のことは強く慕うが、幼い頃から鼻と口をガムテープで塞がれた上で蹴られるなどの壮絶な虐待を受けており、真っ当な愛情をほとんど与えられていなかった。 「割れた子供達(グラスチルドレン)」以外には敵対的に振舞うことが多いが、母親と同様に「大人であることによる苦しみを持つ人間」にあたる聖華天のメンバーには好意的に接していた。また、殺島のことは"兄(アン)チャン"と呼び慕っており、彼の遺体を見つけたときは本気で号泣していた他、殺島の死後も彼への敬愛を抱き続けていた。 カブチカに突然現れ、殺島と共に瀕死の陽日にとどめを刺す。その後駆け付けた忍者(しのは)の右目の辺りを斬りつけ傷を残すも、同時に暗刃で左手を切り落とされてしまい、さらに歌舞伎町崩落に巻き込まれるが生還。その後、自分がいると分かっていながら歌舞伎町を崩落させた極道(きわみ)を殺す為の「社会科見学」として殺島の帝都高(テトコー)暴走に同行し、遭遇した色を「痛覚と共に研ぎ澄ました感受性(カン)」だけで仕留めている。 帝都高(テトコー)暴走で「総理官邸で忍者(しのは)と極道(きわみ)を殺す」計画を思いつくが、決定打が見つからず悩んでいたところに忍者(しのは)が読書感想文コンクールの総理大臣賞に選ばれ極道(きわみ)もその授賞式に参加することを知り、「割れた子供達(グラスチルドレン)」全員を引き連れて官邸襲撃を決行する。 殺島飛露鬼(やじま ひろき) 元“暴走師団『聖華天』”初代総長。現・講談會傘下長沢組若頭。39歳。“破壊の八極道”の一人。"暴走族神(ゾクガミ)"の異名を持つ。 絶世の美貌と絶大なカリスマ性を持ち、聖華天が解散した後も黄金時代(あのころ)を忘れられない大人達の心の拠り所となっていた。極道技巧“狂弾舞踏会(ピストルディスコ)”や”世界の終わり”を使う。自身の戦闘力としては八極道の中では下から二番目だが、そのカリスマは群を抜いている。背中の刺青は自身が率いていた暴走師団聖華天の名と燃え盛る帝都高(テトコー)の路線図。 暴走の際には気合い入れの為、有刺鉄線を鉢巻のように巻き、特攻服の内側には大型リボルバー拳銃を何丁も吊るしている。 聖華天が解散した後は長沢組に就職、順調に成績を伸ばして25歳で本部長の地位まで伸し上がり、当時付き合っていたノリカと結婚し愛娘である花奈を授かるが夫婦間の齟齬により離婚。親権は妻に取られ、元妻は自身の上司である長沢組組長と再婚したが、程なくして忍者による強襲にて組長と元妻は死亡、その際の混乱に因る組員の流れ弾で花奈を喪う。以降数年に渡り酒浸りの日々を過ごしていたが、その辛さを払拭できず黄金時代(あの頃)を夢見る中、極道(きわみ)と出会い「全て忍者が悪い。忍者をブッ殺そう」と持ち掛けられ承諾、復帰して若頭まで伸し上がった。上述の娘との経緯もあるのか、ガムテのことを非常に可愛がり、彼にも懐かれていた。 蒲田の多摩川河川敷から2万の仲間と共に帝都高(テトコー)への暴走を敢行し、池袋にて忍者(しのは)と相対する。地の利を活かした”狂弾舞踏会”で忍者(しのは)相手に善戦するも、”暗打豪落”により左腕を失う。さらに”世界の終わり”での奇襲も失敗し、諦めと笑みの混じった表情で首を狩られた。 死後は愛する花奈のいる天国に向かう道もあったが、「悪いことしたら責任取らないと」という意志の下、聖華天の皆と地獄の底まで出発(デッパツ)していった。最期まで仲間を愛したその心を極道(きわみ)はフラッシュ☆プリンセスのヤンキラーに例えて「美しい」と称えた。
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