ひゃくじょう‐いいんかい〔ヒヤクデウヰヰンクワイ〕【百条委員会】
百条委員会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 07:08 UTC 版)
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百条委員会(ひゃくじょういいんかい)とは、都道府県および市町村の事務に関する調査権を規定した地方自治法第100条に基づき、地方議会が議決により設置する特別委員会の一つで、特別委員会の設置根拠は地方自治法110条である。
地方自治法第100条第1項には「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」(一部抜粋)との条項があり、この権限は議会の百条調査権とも呼ばれる。
百条調査権の発動に際しては、証言・若しくは資料提出拒否に対し禁錮刑を含む罰則(同条第3項)が定められており、国会の国政調査権(日本国憲法第62条)に相当するものである。議会の議決にあたっての補助的権限、執行機関に対する監視機能、世論を喚起する作用等を有している。
調査の対象
次の事務を除く当該普通地方公共団体の事務である。
調査主体
調査権の行使の主体は、議会である。議会が調査権を行使するには、議決が必要である。
したがって、議会の委員会は本来この調査権の行使を認められてはいないが、議会が特定の事件を指定したうえで常任委員会又は特別委員会に対して調査を委任したときに限り、当該委員会は調査権を行使することができる。この委任を受けた委員会のことを、百条委員会と呼ぶ。
なお、委員会に一般的包括的に権限を委任することはできない。
罰則
国会の国政調査権と同様、罰則を設けることで調査権の実効性を担保している。
- 出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、6箇月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処せられる(地方自治法第100条第3項)。
- 宣誓した関係人が虚偽の陳述をしたときは、3箇月以上5年以下の禁錮に処せられる(同法第100条第7項)。
また、この罰則に関して同法第100条第9項では「議会は、選挙人その他の関係人が、第3項又は第7項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる」としており、原則として議会に対して告発を義務づけている。
調査の様態
- 政治資金規正法調査
- 政治調査
- 事務調査
関連項目
百条委員会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 20:51 UTC 版)
小池は石原の回答に対して非常に不満を抱き、再度ヒアリングを要請する事を求める見解を示し、翌2017年(平成29年)1月の都議会定例会開会以後、当該事象の石原に対する調査として、2月22日から都議会は豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において審議を行っており、同年2月7日に都議会の全会一致にて石原と元副知事であった濱渦武生を参考人招致する事が決定していた。ただし、石原は長時間の質問に耐えられる状態ではない事が懸念されていた。また、後述の百条委員会の設置について、自民党都議団の中から野党側に同調する造反者が生まれ、後に自民党会派から離脱する事態となった。 しかし、同年2月20日に開かれた議員運営委員会にて、東京改革議員団(民進党)、日本共産党東京都議議団の会派は調査特別委員会(百条委員会)の設置を求め、都議会公明党もそれに乗じ、百条委員会の設置が決定し、同年3月16日に正式設置。 同年3月11日から特別委員会が開かれ、都が事前に提出した資料には石原就任前の知事であった青島幸男からの引継ぎ書類に豊洲へ移転させる方向性が示され、それ以外の候補地は記されていなかった。 18日の委員会審議の中で、元東京都中央卸売市場長であった岡田至が東京ガス側に対して、東京ガスが法令上の対策を能動的に済ませていた経過を鑑みて、自らの判断で土壌汚染対策費の追加負担を求めない事を決定し、「瑕疵担保責任の放棄には当たらない」との証言を行い、岡田の前任者であった比留間英人は、前述の土壌汚染が俎上に上がった際、代替地や築地再整備への議論の有無を問われ「議論を行わず、「再々議論はなし」と言う結論の元で、豊洲移転で進めた。」と証言した。 翌19日に前述の濱渦が招致され、濱渦が東京都側の交渉記録において、2000年10月に東京ガスに対して水面下での交渉を申し入れた事について問われ、「当時、先方(東京ガス)側に独自の豊洲の開発計画があり、株主等に説明済のため、先方の意向を忖度しないとうまくいかない。私は『水面下、結構です』と申し上げた」と明かし、当時の東京ガスとの直接交渉担当者だった元都政策報道室理事の赤星経昭に対して「(土壌汚染で)地価が下落して困るだろうから、知事の安全宣言で東ガスを救済しろ。」とのメモの内容を証拠して質問された際、「私は承知していない。知事が安全宣言なんてできるわけがない」と否定し、地権者と東京ガスとの間との「水面下の交渉」に対して、「『水面下の交渉』と言う趣旨にについて誤解しており、『丁寧にやろう』という趣旨で悪い言葉ではない」と見解を述べ、翌2001年7月時点で確認書の存在に関しては「全く知らない」と証言した。 最終日の20日、石原が招致され、特別委員会及び百条委員会設置前から主張していた、用地買収交渉は「部下に一任しており、都庁全体の流れで市場移転を豊洲に決定し、組織の長として移転を裁可した責任は認める」と証言し、政治問題化させた小池に対して、「科学者が安全と言うのに、なぜ移転しないのか不可解だし、不作為の責任が問われるべきだ。都民を第一に考えて移転しなければならない」と批判を展開した。 翌々週の4月11日には、元知事本部長→本局長であった前川燿男が証人として招致され、濱渦の証言を真っ向から否定し、「所管局を含め、他部局についても、(濱渦が)直接指揮しており、手紙は現実の存在であり、職員から濱渦に対する『詫び状』が存在し、(部局の)部長の手紙の認め方が気に召さなかったため、突き返された」と証言し、「実体上の決定権者は濱渦(当時)副知事で、終始一貫して責任を持っていた」と濱渦への権限集中ぶりを強調する証言を行った。 百条委員会を開会したが、計24人の証人と20時間以上に及ぶ喚問を行った結果、百条委員会設置を求めた会派は「濱渦の偽証疑惑を引き出せた事が成果」と強調したが、実態は石原及び濱渦が豊洲移転に際して、当初究明しようとした「移転先となった豊洲への経緯」や「土壌汚染対策の費用分担」に関する決定過程、「不可解な裁可を決定した」と言う確たる証言を得ることができず、追加の証人喚問に消極的な声も出ており、消化不良状態であった。 同年4月6日に同委員会の理事会は今後の日程を協議し、その中で委員会メンバーの賛成多数により、濱渦、赤星両名の偽証認定を議決する方向で合意。 その間、濱渦は同年4月10日に都庁内で前述の石原のように自宅至近に記者、リポーターが張り込んで近所迷惑になっている事を鑑みて、委員会の証人質問に対する反駁の記者会見を行い、「自らの言い訳のための記者会見ではなく、記者の疑問をぶつけて欲しい」と述べ、「海鮮物の輸送方法がトラック輸送メインの昨今、豊洲の地の利が(船が)海に接岸する事もなく、同所にする是非を石原に諫言したが、『(都庁経企幹部から)決まっているので豊洲で進めて欲しい』、『東京ガスからいい返事がないから、こう言う(交渉)話は役人は無理だから、お前がやれ』と告げられ、人間関係が良好でないと交渉が前進しない前提があるので、理事の(直属の)上司は局長であるが、私が直接赤星(当時:経昭元政策報道室)理事に交渉担当をお願いした。」、「(東京ガスは株主等から)、街づくりを急に止めて(迷惑施設の)市場を建築しろと言うのは納得行かず、このプロセスではダメなので水面下で交渉して欲しいと告げられた、向こう側を慮って了承し、赤星が覚書の中に『市場機能を乗り込んだまちづくり』と言う文言を(土地所有者の東京ガス関連企業である)豊洲開発社長の江口洋(さん)、市野紀生(東京ガス元会長)(さん)と合意した。」、「(市場内の)護岸工事を都側の施工予定だったため、その際に土壌汚染は双方(2017年4月時点程の情報量の)認識はされておらず、エネルギー会社程の調査技術を持ち合わせてないため、(どの範囲でどれだけの汚染度の)調査をお願いし、土壌改良されないと用地取得が出来ない事を江口社長に告げ、了承して貰って基本合意を行ったので、委員会質疑で提出されたメモの存在等認知しておらず、石原知事から『(基本合意後の交渉について)おまえはそこまででいい』と告げられ終了した話。」であり、「メモだけで指示が出る都政なんてあり得ず、交渉には関わってない」、「前川さんの(委員会証言に対して)反駁はありません。言及するなら、(再喚問された場合の)委員会で発言し、(手紙の件は)本人が持参すべき内容で全て後付けの証言であり、このような状態で委員会が結了すべきか(都民及びメディア含め)皆さんにも考えて欲しい」、(前川の「手紙」証言に対し)石原都政2期目以後、特別秘書時に石原の思慮内容を訳す役割でもあったため、職員に対して意思統一のため自分を通しての話が早いと思ってた部分もあり、(ディーゼル規制政策策定時)交渉の相手方に2人しか所持してないペーパーが渡った事で、担当の部長へ始末書を書かせた際に署名をワープロソフトで書いた事を叱責した事を恨まれて証言されたのかも」事を説明した。 4月28日に自民党会派以外の会派が求める両名に対し、百条委員会の委員長であった桜井浩之(自民)が偽証認定を拒否する意思を示すため、委員長職の辞意を表明したが、賛成多数で可決、同年5月18日に新たな委員長として、副委員長であった谷村孝彦(公明)が選任され、同月31日での採決が決定。 5月24日に意見開陳が行われ、自民党都議団以外の全会派(都民ファーストの会含む)は「濱渦と赤星が虚偽の陳述を行った」と認定する意見を提出された事で告発の議決を求められ、同月31日の委員会で濱渦、赤星両名の偽証認定と24日の委員会で河野雄紀(自民)の発言に対して音喜多駿(当時:都民ファースト)が動議して、問責決議を提出し、双方の内容は可決。同年6月2日に通常は採択されない、同委員会委員長提案の報告書内容が賛成多数で可決され、百条委員会は結了。濱渦、赤星両名を地方自治法違反(偽証)容疑で東京地検に告発した。
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