拾人館(ドリフト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 16:55 UTC 版)
「群青のマグメル」の記事における「拾人館(ドリフト)」の解説
ヨウが営む拾人者の詰所。業界唯一の完全民間での救助会社にして、救助成功率は他を大きく引き離してのNo.1。廃ビルの地下を改造して事務所兼住居兼訓練室として利用している。ヨウとゼロ、一時的に加わっていたクー以外の構成員は確認されていない。 因又(イン ヨウ) 声 - 河西健吾 本作の主人公。少年ながらも救助成功率No.1を誇る拾人者で拾人館を営んでいる。マグメルから生まれついて授かった構造力という特殊能力と非常に高い身体能力を持つ。勘が鋭く機転が利き、正面突破が不可能な局面でもうまく切り抜けている。優れた決断力も持ち、必要とあらば非情に徹することができる。 基本的に飄々としていてミステリアス。ドライな生死観を持ち一見いい加減な性格のようでもあるが、家族というものへの思い入れは強く救助の仕事に対してのプロ意識も高い。生い立ちと武器兵器類を現実構造するための費用のこともあって金には非常にがめついが、遭難者救助以外の方法でマグメルから利益を得ようとはしない。また親友に認定しているクーの前では少年らしい面も見せる。 拾人者という救助の仕事を自身の天職と考えている。マグメルに関わる人間ながらも未知への好奇心が薄いことを自覚しており、探検家・冒険者よりもそれを助ける側に回りたいという。探検家の負の面を知るが正の面も重視しており、彼らは情熱に乏しい自分にとって眩しく活気をくれる存在だとする。 幼いころに浮浪児であったところを拾因に拾われ、そのまま弟子入りした。拾因の旅に同行し、マグメルでのサバイバル技術や構造力の扱い方を身につけた。ただ、暗記が苦手な上にもっぱら実践で学んだせいか用語的な知識には乏しい部分がある。離別後も長らく行方不明の拾因を実の家族のように慕い続け、帽子をはじめとして拾因の物に似た装備をしている。扉絵などでもヨウと思われる少年が「拾」と同じ意味の「10」という数字の入った私服をよく着ている。 目つきなどの容姿や雰囲気が拾因ととても似ているが、金色に近い明るい茶色の瞳を持つ。また構造力の質も拾因と非常に近い。黒い瞳をしたヨウ(拾因)、マグメル深部の少年(仮称)という、ヨウとよく似た人間がなぜか2人も存在する。 現実構造で相性の良い物質はおそらく金属。構造に刻まれる紋章は「又」。まだ未完成だが幻想構造の効果を込めた現実構造を作り出すことができる。 神明阿アススとの戦闘の中でゼロの死に直面し、他の誰かの記憶と幻想構造に目覚める。だが現在は心身ともに深手を負っており、満足に構造を行うことができない。葬送鋼刃(ブラックラック) ヨウの愛用の現実構造。名工による名刀が原型となっており、原型以上の構造完成度を持っている。 遍く右手(クラックライト)/遍く左手(クラックレフト) 人間の掌サイズの現実構造の籠手を、後に「神の見えざる手」として会得する幻想構造の効果で巨大化したもの。会得が不十分なうちは一度幻想を解除すると込め直すことはできず、再巨大化のためには一から再構造する必要があった。 思念で高度な操作が可能で、25トンを大幅に超えるロケットパンチを繰り出すことができる。 神の見えざる手(クラックローヴ) 近傍の物体の巨大化と任意での解除ができる幻想構造の篭手。 巨大化の上限は40倍。巨大化の対象にできる物体の質量は術者の115%まで。術者から離しても巨大化を維持できる物体は3つまで。巨大化の規模や対象数が増すほどに構成力の消耗も増す。 巨大化の上限は小規模なものの、名前や性質などの他の点は黒い瞳のヨウの幻想構想である「神の見えざる手」と一致する。黒い瞳のヨウと思しい「他人の記憶」のビジョンが脳裏で再生されたことで、このヨウは「神の見えざる手」を構造を持つ形で会得した。 ゼロ 声 - M・A・O 拾人館でヨウの助手を務める少女。第二部時点では11歳。探査機の幻想構造と豊富な知識で拾人館からヨウのサポートをする。ヨウと比べて戦闘能力に劣りマグメル現地へ赴くことは少ないが、それでも常人以上の身体能力を持つ。また、普段はずぼらなヨウの日常生活の世話も焼いている。 ご主人と呼んで敬愛しているヨウ以外の人間には辛辣。特にヨウに近づく女性に対して厳しく、主に胸のサイズのことで毒舌を浴びせる。 見た目に似合わず大変に大食いでほとんど常にお菓子などを食べている。 孤児院で構造者の素質を見出されたことにより、かつては神明阿一族への献上品として研究施設で虐待的な訓練を受けていた。6歳の時に拾因の依頼を受けたヨウによって救助され、以降ヨウと生活を共にする。 神明阿一族の全貌を探るさなか神明阿アススに殺害される。現在は原皇ティトールの端末化の能力により肉体を維持しつつ、ヨウによって蘇生の方法が探られている。 髪色は赤褐色で、瞳の色は緑がかった青。三歩後ろの子供達(ファミリアナンバーズ) 現実には存在し得ない完璧な探査機の幻想構造。200km以上の遠隔操作ができ、他人の構造を解析してその能力を完全に把握することすら可能。探査機本体かつ触れている者に探査感覚を共有できる1号、巨大モニターの2号、コントローラーの3号、自分用の通信ヘッドセットの4号、他人用の通信イヤホンの5号、ラストナンバーで切り札である中型人型ロボの6号から構成される。いずれも猫耳状の突起が付いている。 6号の砲身は徹甲砲や粒子光束などの22種類の砲弾を放つことができる。だが砲弾の種類はランダムで、発射の瞬間まではゼロにもその種類を把握することは出来ない。 クー・ヤガ・クラン マグメルの原住者である聖国真類の若者。飛び抜けた構造力と人類とは比較にならない身体能力を併せ持つ幻想構造者。優れた戦闘力を持ちその名もよく知られているが、若干感情的になりやすいところがある。 ダーナの繭の種が人界に転移したのを追い、マグメル深部からやって来る。当初はヨウたちの敵かと思われたが、実はヨウの幼馴染で喧嘩仲間。ヨウに約束を捨て置かれていたこともあって殺意と取れるほどの闘志を燃やしていたが、一戦交えた後には態度を和らげた。神明阿一族の動向を探るためにしばし人界に留まり拾人館の一員として生活していた。 敵には容赦なく身内には情が深いという戦士らしい性格。傲岸不遜にふるまい、文字通りの意味も含めて相手より高い位置に立とうとする。高等種族として人類ら他種族とは一線を引いているつもりだが、自覚に反して見どころを感じた相手や文化に対しては手厚く接することが多い。特に人類の娯楽を含む文化(コンピュータゲーム、漫画、ドラマなど)にはめざましい習熟を見せた。 幼い頃致死の病にかかり、里に1茎しか無い治療の薬草を、同じくその病に冒されていたラーストの孫に独占されてしまった。しかし里に侵入した拾因が置いて行った挨拶の品の中にその薬草があり、一命を取り留める。それ以来自分で運命を掴むために力を手に入れると誓っている。力で自分や身内を救えばかつての自分のように救われない他者が生まれる矛盾に気が付きつつも、研鑽を積み重ねて強者会入りを目指す。喰い現貯める者(クラウド・ボルグ) 装甲と鬼のような面をつけた黒い人型の幻想構造で、人型の構造を仲介として他者の現実構造を奪い取って蓄え、自在に出現させる能力。現実構造そのものだけでなく構造の起こした爆風や熱などの現象も吸収する。完成度が高いほど構造の吸収には時間がかかる、人型の構造が破壊されると仲介して出現させた構造も消える、などの弱点がある。なお衣服などの単純な構造ならば人型の構造の仲介は不要。 本体であるクーから離れても視聴覚の共有や声の伝達、複雑な操作などが行え、ある程度は喰い現貯める者が独立して戦闘することも可能。 喰い現貯める者とそれを通じて出現した構造に刻まれる紋章は「×」。
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