圈谷とは? わかりやすく解説

けん‐こく【圏谷】

読み方:けんこく

カールKar


圏谷


圏谷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 08:05 UTC 版)

穂高岳涸沢カール
宝剣岳千畳敷カール
仙丈ヶ岳・小仙丈カール
飛騨山脈涸沢カールや天狗原カールなどが確認できる。
タトラ山脈の圏谷

圏谷(けんこく)、カール(ドイツ語: Kar、英語: Cirque)は、山地において、氷河の源流部で形成されたのことで[1]、氷河の侵食作用によって形成された地形の1つである[2]

概要

山地の斜面をスプーンでえぐったような地形であり、高山の山稜直下などに見られる。氷河が成長と共に山肌を削り、上からみると半円状ないし馬蹄形状の谷となる。成長期には形状を推し量ることはできないが、氷河の後退と共に地上に現れ谷となる。

谷の両側と山頂側が急峻なカール壁に囲まれ、それらの急崖に囲まれた底には平坦な(ときには逆傾斜した)カール底が広がる。カール底には氷河によって運ばれた土砂が堆積したモレーン(堆石)が認められることが多く、またカール湖という湖ができている場合がある。

日本で最初に発見され学術的に記載された圏谷は、帝国大学教授の山崎直方により発見された立山連峰山崎カールであるとされている。以後、多くの圏谷を含む氷河地形が国内で発見・調査され、それらは日本の後期更新世から完新世における古環境研究に大きな[要出典]寄与をもたらしている。

世界の圏谷

アジアの圏谷
アメリカの圏谷
ヨーロッパの圏谷

日本の圏谷

日本国内では、日本アルプスおよび日高山脈などで圏谷が現存している[3]。カール底にあるモレーンや堆積物を対象にして氷河が発達・衰退した年代の推定が行われている。立山連峰に現存する氷河の規模はいずれも1km内外であり、また氷河が現在よりも発達した最終氷期においても、規模は大きいものでもせいぜい10kmで、数百m程度の小規模なものも多く、それほど大規模の氷河はなかったとされる。

日高山脈
飛騨山脈
木曽山脈
赤石山脈

脚注

  1. ^ Goudie 2004, p. 154.
  2. ^ 青木 2008, pp. 94–95.
  3. ^ 青木 2008, p. 94.

参考文献

関連項目


圏谷(けんこく)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 15:19 UTC 版)

登山用語一覧」の記事における「圏谷(けんこく)」の解説

氷河侵食によってできた広いU字型の谷のこと。中央アルプス千畳敷カールなどが有名。カールとも。

※この「圏谷(けんこく)」の解説は、「登山用語一覧」の解説の一部です。
「圏谷(けんこく)」を含む「登山用語一覧」の記事については、「登山用語一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「圈谷」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「圏谷」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

圈谷のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



圈谷のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
山と高原地図山と高原地図
CopyrightcShobunsha Publications, Inc. All rights reserved.
山と高原地図
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの圏谷 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの登山用語一覧 (改訂履歴)、氷食 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS