圏論的な解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 01:13 UTC 版)
「閉包 (位相空間論)」の記事における「圏論的な解釈」の解説
閉包作用素は、以下のように普遍射を用いるとすっきりと定義することができる。 集合 X の冪集合は半順序集合として、X の部分集合を対象とし、包含写像を射とする圏 P と看做すことができる。さらに X 上の位相 T は P の部分圏であり、包含函手 I: T → P を考えることができる。X の部分集合 A を固定して、A を含む X の閉集合全体のなす集合族をコンマ圏 (A ↓ I) と同一視すれば、この(半順序集合でもある)圏は始対象として Cl(A) を持つ。ゆえに、A から I への普遍射が存在し、それは包含射 A → Cl(A) で与えられる。 同様に、X ∖ A を含む任意の閉集合は A に含まれる開集合と対応するから、コンマ圏 (I ↓ X ∖ A) を A に含まれる開集合全体のなす集合と解釈することができて、A の内部 Int(A) がその終対象を与える。 閉包作用素の持つ性質は全てこの定義(と上記の圏のいくつかの性質)から導くことができる。さらにこの定義が普遍射として述べられていることにより、やはり普遍射として記述される他の種類の閉包(たとえば代数閉包)などと位相的な閉包との間の類似対応が明確になるという利点がある。
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