圏論における空積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:18 UTC 版)
任意の圏において、空の族の積はその圏の終対象である。これは積の極限による定義を用いて証明できる。n 重の圏論的積は n 個の対象からなる離散圏(英語版)によって与えられる図式に関する極限として定義できる。すると空積は空圏に関する極限によって与えられ、これは圏の終対象(存在すれば)である。この定義を特殊化すれば上記の結果が与えられる。例えば、集合の圏において、圏論的積は通常のデカルト積であり、終対象は単元集合である。群の圏において、圏論的積は群のデカルト積であり、終対象は1つの元からなる自明群である。空積の通常の算術的定義を得るためには、有限集合の圏において空積の脱圏化(英語版)を取らなければならない(今の場合これはすなわち、各集合に対してその濃度を考えるということに他ならない)。 双対的に、空な族の余積は始対象である。零項の圏論的積や余積は与えられた圏において存在しないかもしれない。例えば、体の圏においては、どちらも存在しない。
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