圏論の基礎付けとは? わかりやすく解説

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圏論の基礎付け

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/11 13:57 UTC 版)

集合の圏」の記事における「圏論の基礎付け」の解説

ツェルメロ–フレンケル集合論英語版) (ZF) において、集合全ての集まり集合でない(これは基礎の公理から従う)。集合でない集まりのことを真の類と呼ぶが、真の類は集合を扱うようには扱えず、特にそれら真の類は(集合あるいは真の類の何れの意味でも)集まり属するものと書けない。これは問題である、というのもこのような設定の下では集合の圏直接的に定式化することができないこと意味するからである。 そのような問題解決する一つ方法は、正しく真の類を扱うことのできる体系例えNBG集合論英語版))の中で議論することである。この設定において、集合から構成される圏は小さいといい、集合の圏 Set のように真の類を成すような圏は大きと言う別な解決法としてはグロタンディエック宇宙存在仮定することが挙げられる厳密さをさておけば、グロタンディエック宇宙とはそれ自身ZF(C)モデルとなるような集合をいう(例えば、ある集合一つ宇宙属するならば、その任意の元も同じ宇宙属し、あるいはその冪集合もまた同じ宇宙属する)。グロタンディエック宇宙存在性は(空集合存在および遺伝的有限集合全体の成す集合 Vω の存在除いて通常の ZF公理系からは導かれない。すなわちグロタンディエック宇宙存在追加独立公理であっておおまかに強到達不能基数同値である。この追加公理仮定するならば、集合の圏 Set対象特定の宇宙属するものだけに制限して考えることができるようになる注意すべきは、このモデル内に「集合全ての成す集合」は存在しないが、宇宙 U の元として「内部集合」を考えるならば、内部集合すべての成す類 U はきちんと意味を成すことである)。 同様の方法論一種に、集合全ての類はグロタンディエック宇宙全体の成す塔 (entire tower) の合併等しいとするものがある(この合併真の類でなければならないが、各グロタンディエック宇宙集合である。実際、それはより大きなグロタンディエック宇宙属す元になっている)が、これは「集合全体の成す圏」を直接的に扱えない。それでも、議論現れる定理を、十分大きなグロタンディエック宇宙 U に属する元を対象とする圏 SetU の言葉表して、それらが特定の U の取り方に依存しないことを言えば十分である。圏論の基礎として、このやり方真の類を直接意味づけることのできないタルスキグロタンディエック集合論英語版のような体系とはよく馴染むこのような場合主な欠点は、ある定理が SetU では真だSet定理としては真でないことが起こり得ることである。 他の解決法やうえで述べた方法変種様々に提案されている。 同じ問題はほかの具体圏、例え群の圏位相空間の圏などでも生じる。

※この「圏論の基礎付け」の解説は、「集合の圏」の解説の一部です。
「圏論の基礎付け」を含む「集合の圏」の記事については、「集合の圏」の概要を参照ください。

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