半順序集合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:11 UTC 版)
すべての半順序集合は圏とみなすことができる(x ≤ y であるときに、またそのときのみ、 xとyの間には1つだけ射があるとする)。2つの半順序集合の間の随伴関手対はガロア接続と呼ばれる(そして、反変の場合は、antitoneガロア接続である)。ガロア接続の記事に多くの例がある。とくにガロア理論が一番の例である。任意のガロア接続は閉包作用素や対応する閉じた要素間の逆順序を保存する全単射に持ち上げることが出来る。 ガロア群の場合と同様に、実際の興味はしばしば双対との対応(例えば、antitone順序の同型)を詳細化していくことにある。Kaplanskyよるこのガロア理論の捕らえ方は、ここに一般的な構造があることへの認識に影響を与えた。 半順序の場合の随伴の定義は著しくつぶれているが、いくつかのテーマを与えてくれる。 随伴は双対や同型でなくてもよいが、これらに昇格する際の候補とすることが出来る 閉包作用素は対応するモナドによる随伴の存在を示すことがある(Kuratowski closure axiomsを参照) William Lawvereによる非常に一般的な解説 によると「構文と意味」は随伴である。つまり、Cを全ての論理(公理化)からなる集合とし、Dを全ての数学的構造からなる集合の冪集合とする。Cの各理論Tに対して、F(T)を公理Tを満たす構造全てからなる集合とし、各数学的構造の族Sに対して、G(S)はSの最小の公理化とする。このとき、F(T)がSの部分集合であることと、G(S)がTの論理的帰結であることは同値であり、「意味関手」Fは「構文関手」Gの左随伴である。 乗算の逆としての(一般の)演算としての除算は、多くの例があるが例えば、述語論理における含意の導入規則や、環のイデアルによるイデアル商は、随伴を与えるものと見ることができる。 このような観察は全ての数学で価値のあるものである。
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