リトル・ブラック・ドレスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > リトル・ブラック・ドレスの意味・解説 

リトルブラックドレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/19 21:49 UTC 版)

リトルブラックドレスと黒の長手袋

リトルブラックドレス(Little black dress)とは、黒一色で装飾の少ないドレス(主にワンピース)を指す。1926年喪服として受け入れられていた黒一色のドレスをファッションブランドシャネルがモードの洋装として発表[1] 。以降LBDとも愛称され、フォーマルからパーティー、ビジネス、お洒落着と使いまわしの融通の良さ、また女性の魅力を引き立たせる事から欧米では女性の必需品とされている。祖母から母へ、母から娘へと代々受け継がれる事も多い。オードリー・ヘプバーンが『ティファニーで朝食を』で着用した黒いジバンシィドレスは非常に有名である[2]

ギャラリー

有名な例

Betty Boop by Max Fleischer, 1931

映画『ティファニーで朝食を』(1961年)でホリー・ゴリワイトリー役を演じたオードリー・ヘップバーンが着用した黒いドレス(前述)は、ユベール・ド・ジバンシィがデザインしたものであり、真珠のアクセサリーをあしらったリトルブラックドレス(まとめて「ベーシックブラック」と呼ばれる)の定番を象徴するものであり、1960年代初期によく見られた。このドレスの現物は2006年に41万ポンドでオークションにかけられ、当初の見積もりの6倍の価格で落札された記録を持っています。[3]

ベティ・ブープは、1920年代の人気歌手・女優のヘレン・ケインをベースにしたカートゥーンキャラクターで、初期の映画では小さな黒いドレスを着て描かれていました。しかし当初は白黒であった映画が後にカラー化(テクニカラー)に移行する過程で、ベティのドレスは赤くなりました。[4]

ウォリス・シンプソンウィンザー公爵夫人)は、いくつかの小さな黒いドレスを所有しており、その服について多くの称賛の言葉を述べていました。公爵夫人の名言とされるものがある。「小さな黒いドレスが合う時、その代わりに他に着るものは何もありません」。[4]

フランスのフォークアイコンである歌手エディット・ピアフは、彼女のキャリア全体を通して黒いシースドレスを着てパフォーマンスを行いました。この習慣のために彼女は「小さな黒いスズメ」というあだ名を付けられました。このドレスは、観客がピアフの歌声に集中しやすくし、彼女の外見にあまり注目しないようにするのに役立ったと考えられていました。[4]

ダイアナ妃は、1994年6月に雑誌「ヴァニティ・フェア」が主催したサーペンタイン・ギャラリーの夏のチャリティパーティーに出席する際に、当初決まっていたのとは別の、クリスティーナ・スタンボリアンがデザインした黒のドレスを着用しました。その夜、夫であるチャールズ王太子(のちチャールズ3世)カミラ・パーカー・ボウルズとの不倫関係を公式に認めた。このダイアナのドレスは「リトルブラックドレス」と呼ばれ、または俗に「リベンジドレス」と呼ばれ、Wikipedia英語版には「Revenge dress」の項目が作られた。[5]

著名なテニス選手であったマリア・シャラポワは、2006年度全米オープンの試合中の夜に「リトルブラックドレス」を着用した。スポーツ用品メーカーナイキと共同でデザインし、ヘップバーンに触発されたラウンドのクリスタルで飾られた襟が特徴でした。[6]そして、その大会で優勝しました。2006年の大会で優勝してから11年後の2017年、テニス競技に復帰した彼女は、選手権への復帰を祝ってスワロフスキーとナイキ社と共同で「小さな黒いドレス」を着用し、その大会での復帰を祝いました。そのルックスは彼女の2006年のドレスを思い出させるように意図されています。

2004年のロンドンコヴェント・ガーデン劇場で、肥満したソプラノ歌手であるデボラ・ヴォイトは「リトルブラックカクテルドレス」の衣装を着用することができなかった。舞台演出家は彼女を解雇し、代わりにスリムなアン・シュヴァーネヴィルムスが起用された。

脚注

  1. ^ Steele, Valerie (1988). Paris Fashion: A Cultural History. Oxford University Press. pp. 246–248. ISBN 0-19-504465-7 
  2. ^ Audrey Hepburn's little black dress tops fashion list”. The Independent (17 May 2010). 16 May 2011閲覧。
  3. ^ Audrey HepburnのLittle Black Dressが高額で売却される”. Hellomagazine.com (2006年12月6日). 2013年7月13日閲覧。
  4. ^ a b c Edelman, Amy Holman (1998). The Little Black Dress. Aurum.
  5. ^ Wong, Brittany「dusty blue bridesmaid dresses」『HuffPost Australia』June 29, 2018。July 7, 2021閲覧。
  6. ^ Wilson, Eric「Maria Sharapova's Campaign」『The New York Times』25 May 2011。5 May 2013閲覧。

関連項目


リトル・ブラック・ドレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 02:46 UTC 版)

ココ・シャネル」の記事における「リトル・ブラック・ドレス」の解説

今日でも着用されているリトル・ブラック・ドレス(LBD)のコンセプトジャージースーツに続くシャネルファッション用語への貢献としてしばしば語られる1912年から1913年にかけて、女優シュザンヌ・オルランディ(Suzanne Orlandi)が、シャネル制作した「白いペタルカラーが付いた黒一色ベルベットガウン」を着た。彼女はシャネルのリトル・ブラック・ドレスを着た最初女性一人であった1920年シャネルオペラ観客観察し全ての女性に黒いドレス着させることを自身誓った:92931926年、『ヴォーグ』誌のアメリカ版シャネルのロングスリーブのリトル・ブラック・ドレスの画像掲載し、これをガルソンヌgarçonne、'little boy' look)と名付けた。『ヴォーグ』誌は、このようなシンプルながらもシックなデザインは、センスのある女性にとって定番と言える一着になるであろう予想し、このドレスベーシック輪郭を、広く普及していてやはり巷に溢れていたフォード社自動車例えた有名な批評残した他方、この質素なデザイン男性ジャーナリストたちから広範な批判巻き起こした。彼らは「もはや胸はなく、もはやお腹もなく、もはやお尻もない...20世紀のこの瞬間女性ファッション全て削り落とした」と文句を付けた:210。このリトル・ブラック・ドレスが人気博した理由一部はそれが導入されタイミングであったかもしれない1930年代世界恐慌の時代であり、女性たち手頃な価格ファッションを必要としていた。シャネル裕福ではない人々が「億万長者のように闊歩」できるようにしたと自慢した:47シャネルは昼用にウールかシェニールのリトル・ブラック・ドレス、そして夜用にサテンクレープまたはベルベットのリトル・ブラック・ドレスを作るようになった:83。ある時、シャネルは「私はあえて黒を使いました。この色はいまだに衰えていません。なぜなら、黒は他の全て一掃するからです」と宣言した

※この「リトル・ブラック・ドレス」の解説は、「ココ・シャネル」の解説の一部です。
「リトル・ブラック・ドレス」を含む「ココ・シャネル」の記事については、「ココ・シャネル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「リトル・ブラック・ドレス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リトル・ブラック・ドレス」の関連用語

リトル・ブラック・ドレスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リトル・ブラック・ドレスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリトルブラックドレス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのココ・シャネル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS