シン国の人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 08:21 UTC 版)
「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の記事における「シン国の人物」の解説
隣国シンから不老不死の法を求めやってきた者たち。 リン・ヤオ 声 - 宮野真守 演 - 渡邊圭祐 シン国第十二皇子。一人称は「俺」。メイとは異母兄妹にあたる。大陸暦1900年生まれ。初登場時15歳。身長170cm前後。後にグリードとなる。 細目の少年。50万人からなるヤオ族の出身で、ヤオ族の地位向上と次期皇帝になるため、不老不死の法を求めてアメストリス国に不法入国してくる。ラッシュバレーで出会ったエルリック兄弟が不老不死の法(「賢者の石」)に通じていると直感し、兄弟を追いかける。ランファンとフーを護衛役として連れているが身勝手な行動でよくはぐれる。また、大食漢でもあり腹を空かせて行き倒れていることが多い。 基本的に笑顔で陽気な性格。細目なのは、目つきが悪いことを気にして意図的にしている。その反面、出身部族代表として、多くの兄弟たちと次期皇帝の座を競いあっており、シビアな一面もみせる。そして「王は民のために在る者」と統治者としての強い信念を持つ。後に「強欲」の賢者の石が注入された際には、シンの皇帝となることを公言してグリードに気に入られている。 暗殺の危機から逃れるために身体を鍛えており、卓越した体術を誇る。また武器として柳葉刀を用いる。さらに気の流れを読むことができ、人とは違う気を持つホムンクルスらを探知し、彼らとの戦いを有利に進める。 不老不死の法を手に入れるため、エドワードやマスタングらと協力してグラトニーを捕らえる。しかし、グラトニーの暴走でエドワードと共に飲み込まれてから、紆余曲折の後、ホムンクルスたちのアジトに乗り込むこととなる。そこで「お父様」と対峙することになるが、手も足も出ず、「強欲」の賢者の石を注入されてしまう。拒絶反応の中で、自身を取り込もうとするグリードに対し、逆に受け入れてやると啖呵を切り、彼にその強欲さを気に入られる。そして、人間ベースのホムンクルスとなり、以後はグリードとして行動する。しかし、リン自身の魂は自我を残したまま存在しており、地下でグリードがビドーを手にかけて記憶のフラッシュバックを起こし、パニックを起こした隙をついて主導権を奪回、エドたちとの合流に成功する。その後、落ち着きを取り戻したグリードに再び主導権を奪われるが、ホーエンハイムとの遭遇後に起きたプライドとの戦いをきっかけに主導権が半々となり、場合に応じて勝手に入れ代わるようになった。 「約束の日」も、基本はグリードとして行動していたが、ブラッドレイとの死闘でフーが戦死し、その死を無駄にしなかったバッカニアにも何も出来ないことに歯噛みする(この時銃撃を頭に受けたが再生している)。そこに、瀕死のバッカニアから正門の防衛を頼まれ、グリードの硬化能力を駆使して押し寄せる中央兵を一人で圧倒、門を守りきった。 「お父様」との最終決戦、「神」を横取りし、渇望感を埋めようとするグリードに対し、彼が本当に欲しい者は仲間だと指摘する。「お父様」に吸収されそうなグリードを引き止めようとするが、結局グリードがリンを巻き添えにしないために自身を犠牲にしたことで、引き止めきれずに終わる。 「約束の日」の後は、マスタングらに協力する過程でシンに匿ったロスが手柄を立てていたことと、ランファンが「賢者の石」を手にしたことにより、皇帝となることがほぼ決まる。その際には、他家の者も蔑ろにせず全て王として受け入れると宣言、メイからは「強欲過ぎ」と言われ、グリードの影響を受けたことを自覚した。帰国後は、皇帝に即位し、アメストリスとの条約を結んだりしている。 グリードの項も参照のこと。 ランファン 声 - 水樹奈々 演 - 黒島結菜 ヤオ家に代々仕える家系の娘でリンの護衛の1人。一人称は「私」。身長150cm台前半。 美少女だが内気な性格で素顔を見せることを嫌い黒い仮面を常時付けている。リンを心底敬愛しており、彼への誹謗中傷には一切容赦しない。リンがグリードになった際には、自分の無力さに涙を流している。 戦闘スタイルは忍者のような白兵戦で、卓越した体術と主にクナイを武器として戦う。戦闘能力は高く、エドワードと互角の戦いを見せる。左腕を機械鎧にしてからは、肘部分に仕込んだ刃物を使って戦い、その際にはリハビリが十分ではないにもかかわらずグラトニーを圧倒している。 エルリック兄弟、マスタングらとの協力でグラトニーの捕獲を試みた際に、ブラッドレイの奇襲を受けたことがきっかけで左腕を失う。そしてノックスの世話になった後、リンがグリードになったことを知らされ、これを取り戻すべく祖父・フーと共にセントラルを離れ、エルリック兄弟とも別れる。 「約束の日」の直前、カナマスラムでの戦いに機械鎧を装着して馳せ参じ、グラトニーを圧倒する。その後のセントラルの戦いではリン(グリード)を探し出すため、エドワードらとは別に単独で地下の捜索をする。ブラッドレイが傷の男(スカー)に敗れて行動不能になった後、祖父の仇を取るために現れるが、とどめを刺す前にブラッドレイは息絶えてしまう。そして最終決戦ではリンと共に戦い、グリードの捨て身の攻撃に一役買う。 ブラッドレイが持っていた賢者の石を回収したことでリンが皇帝になることが決まり、「約束の日」の後、 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回の写真では皇帝となったリンの横にいる。 フー 声 - 堀勝之祐 / 稲葉実(ゲーム『MOBILE』) 演 - 筧利夫 ヤオ家に代々仕える家系でリンの護衛の1人。一人称は「儂」。身長145cm前後。ランファンの祖父。 卓越した体術を誇る白髪白髭の老人男性。リンのお目付け役ということになっているが、よく見失っている。普段はランファン同様に白い仮面をつけている。義理堅い人物であり、孫娘の手当てをしてくれたノックスには手を合わせて感謝している。リンがグリードになった際には、主人であるリンを守れなかったことに対して師として厳しく当たる反面、祖父として腕を無くした孫娘を心配するなど深い愛情も見せた。また、理知的な人物でもあり、エドワードがランファンの機械鎧に関しウィンリィやピナコを紹介しようとした時は、提案に感謝した上で「軽々しく動いては共倒れになってしまう」と申し出を断っている。 優れた体術を誇り、年を感じさせない戦闘を行う。武器の薄刃刀以外にも、爆弾や煙幕、閃光弾などを用いる。 マリア・ロスの件で、彼女のシンへの亡命の手助けをし、一時アメストリスを離れる。その間の出来事でリンがグリードに乗っ取られてしまい、リンの奪還とランファンの機械鎧を得るため、ランファンを連れてエルリック兄弟たちと別行動を取る。その際には再び戻ってくることを誓う。 「約束の日」、帰還したブラッドレイを、バッカニアおよびリン(グリード)らと迎え撃つ。しかし圧倒的な強さを前に劣勢を強いられ、最終的に体に巻きつけた爆弾でブラッドレイに自爆攻撃を仕掛けようと突進。それすらもブラッドレイに無効化されたが、その隙をついてバッカニアがブラッドレイに致命傷を与える。そしてバッカニアに自分の命が無駄にならなかったことを感謝し、息絶える。 メイ・チャン 声 - 後藤麻衣 演 - ロン・モンロウ シン国第十七皇女。リンとは異母兄妹にあたる。錬丹術師。身長110cm前後。 黒髪の御団子頭が特徴の少女。弱小の民族・チャン族の出身で、一族の地位を引き立ててもらうため、不老不死の法を求めてアメストリスにやってくる。最初はユースウェルでエドワードのことを知り、彼に会おうとする。セントラルで偶然、傷の男(スカー)と出会い、彼の傷を治したり、共にホムンクルスのアジトへ潜入したことが縁で以降、傷の男(スカー)と一緒に行動するようになる。一方で、エドワードが自身が想像した人物と違って落胆するが、直後にアルフォンスに惚れた。 未だ年端もいかない少女であるが、高度な錬丹術や体術を使いこなす。一族の命運を握っていることもあり、同じくアメストリスにやってきていた他家のリンたちと争うこともしばしばあった。一方で年相応に乙女心も持っており、思い込みが激しい。エドワードを長身の白馬の王子様のような人物と勝手に勘違いし、実際にエドワードと会うと乙女心を踏みにじったと怒りを露わにしている。 錬丹術の達人で通常の錬成はもちろん、様々な文字や模様の描かれた鏢を駆使することで遠隔錬成が可能。また、リンたちと同じように気を読むこともできる。作中でも不意打ちとはいえ、エルリック兄弟を退け傷の男(スカー)を助けたり、合成獣の群れ相手にいとも簡単に倒していくなどの活躍を見せる。ただし、イメージのセンスはエドワードといい勝負。 錬丹術の見地からホムンクルスたちの計画に関わる重要な事柄をエルリック兄弟たちに示唆する。特に北方では傷の男(スカー)の兄が残した研究書の解読に一役買う。また、傷の男(スカー)らと協力してエンヴィーを迎え撃ち、彼を無力化する。その後、これ以上他国のことに関わる必要は無いと傷の男(スカー)に諭され、不老不死の手掛かりとしてエンヴィーを渡され、シンへ帰るよう促される。しかし、エンヴィーの唆しもあって、途中で帰ることを取り止め、セントラルへと向かう。 「約束の日」、ホムンクルスのアジトへ潜入するも人形兵の襲撃にあい、そのどさくさでエンヴィーを逃がしてしまうが、エドワードらと合流し、そのまま「お父様」と戦う。右腕を破壊されたエドワードを助けるため、アルフォンスが自らを対価に彼の右腕を錬成しようとすると、涙を流しながらも遠隔錬成によってそれを補助し、結果としてエドワードが「お父様」を倒すことに繋げる。 最後の戦いの後、アルフォンスが身体を取り戻すと涙を流しながら抱きつき、喜ぶ。また、一族のことも帝位に就くであろうリンが責任を持って守るとし、リンたちと一緒にシンへと帰る。「約束の日」の後、 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回の写真には成長した姿で登場し、我が子を抱えるエドワードとウィンリィの家族、またアルフォンスと共に写っており、アルフォンスと付き合っている様子である。 シャオメイ 声 - 釘宮理恵 メイが一緒に連れているパンダ。メス。 病気で大きくなれなかったジャイアントパンダの子供で、メイの肩に乗れるほど小さい。エルリック兄弟をはじめとするアメストリスの人間には「白黒の猫」と認識されている。見た目に反し、人間の言葉を理解する高い知能とメイと同じく「気」を読む能力を持つ。作中の描写ではコミカルな面が目立ち、ビールをジョッキで一気飲みしたり、メイの動きに合わせてキックやパンチなどをしている。 主人であるメイに忠実で、彼女の危機には身を挺して敵に噛み付いたりする。関連して人間をランク付けしており、自分より下位と認識した相手には懐かない。メイは同格、傷の男(スカー)はその下、エドワードとヨキはミジンコ以下の最低ランクと見ており、噛み付いても鎧の身体のため全く効かなかったアルフォンスを最上位と認識している。
※この「シン国の人物」の解説は、「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の解説の一部です。
「シン国の人物」を含む「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の記事については、「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の概要を参照ください。
- シン国の人物のページへのリンク