アメストリスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 外国人名の読み方 > アメストリスの意味・解説 

アメストリス

名前 Amestris

アメストリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/16 05:48 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
アメストリス
Amēstris
アケメネス朝ペルシア王妃
在位 紀元前485年 - 紀元前465年

配偶者 クセルクセス1世
子女 アルタクセルクセス1世
父親 オタネス英語版
母親 ダレイオス1世の姉妹
テンプレートを表示

アメストリス(Amēstris、紀元前5世紀)は、アケメネス朝(ハカーマニシュ朝)の王クセルクセス1世(クシャヤールシャン1世)の妻であり、アルタクセルクセス1世(アルタクシャサ1世)の母[1]

彼女の名前は以下のように綴られる。

古代の記録

アメストリスはオタネス英語版(ウターナ)の娘である。オタネスは紀元前522年にアケメネス朝の王位を僭称したとされるマグ(マギ、マゴス僧)の偽スメルディス(ガウマータ)を殺害した7人の貴族の1人であった。その後、ダレイオス1世(ダーラヤワウ1世、大王)が統治を開始した。ギリシアの歴史家ヘロドトスによれば、オタネスは王家と婚姻関係を持つ栄誉を与えられた。ダレイオスはオタネスの娘パイデュメ(ファイデュメ)と結婚し、一方のオタネスはダレイオス1世の姉妹と結婚した。彼女がアメストリスを生んだ。紀元前486年にダレイオス1世が死んだ時、アメストリスは王太子クセルクセス1世と結婚していた。

彼女は古代ギリシアの歴史家から低い評価を受けていた[3][4][5]

ヘロドトスはアメストリスを残虐な独裁者として描く。

「私の聞き知っているところでは、クセルクセスの妃アメストリスも年老いてから、名門のペルシア人の子供十四人を生き埋めにし、地下にあると伝えられている神に謝意を表したということであるから、人間を生き埋めにするのはペルシアの風習なのであろう。
ヘロドトス『歴史』巻7§114[6]

既知の文献や記録は、ペルシアの宗教では人身御供は許容されていなかったことを示すため、このストーリーの出所は不明である。当時についての大部分の記録はギリシアのものであり、ギリシアがペルシアに対して敵対者として関与していたため、記録の全てが正確ではないであろう。

創作における描写

アメストリス(イタリア語形:アマストレ)はゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルのオペラ、セルセの登場人物である。このオペラにおいてアメストリスはクセルクセス(セルセ)と結婚するはずであったが、彼は別の女性と恋に落ち、アメストリスではなく彼女との結婚を望んだ。そのためアメストリスはクセルクセスのそばにいるために男装した。オペラのクライマックスで、クセルクセスは自らの行動を後悔し、アメストリスにもう一度、自分の妻になってくれるかどうか問うた[7]

アメストリスの名はまた、マンガ・アニメ作品『鋼の錬金術師』において、アメストリス国として国名に設定されたことを通じて、ポップ・カルチャーでも見られるようになった。鋼の錬金術師ではクセルクセスも、アメストリスとシンの間にある大砂漠地帯の滅亡した都市の名として登場する。

脚注

  1. ^ Smith, William (1867). “Amestris (I)”. In William Smith. Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology. 1. Boston: Little, Brown and Company. pp. 137. http://www.ancientlibrary.com/smith-bio/0146.html. 
  2. ^ a b electricpulp.com. “"Amestris" in Encyclopedia Iranica”. 2014年9月9日閲覧。
  3. ^ ヘロドトス, 『歴史』 巻7§61、§114, 巻9§108—113
  4. ^ クテシアス, 『ペルシア誌』 c. 20. 30. ed. Lion
  5. ^ プルタルコス, 「アルキビアデス」『英雄伝』 p. 123, c.
  6. ^ 訳文はヘロドトス歴史 下』松平千秋訳、岩波書店岩波文庫〉、1972年2月。ISBN 978-4-00-334053-0に依った。
  7. ^ ドイツ・オペラ・アム・ライン英語版: 「クセルクセス」(2015年発効)、この書籍は、オペラ自体と同様に、同時代の作品の情報を含む。

出典


アメストリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 03:15 UTC 版)

鋼の錬金術師」の記事における「アメストリス」の解説

この物語の舞台となる国。人口5000万人1558年頃に建国され戦争によって徐々に領土拡大した。現在はほぼ円形に近い形をしており、中央東西南北5つエリア存在する主要な機関セントラル一極集中している。また、文字表記は英語となっている。 大陸内陸部位置し東西南北それぞれにシンクレタアエルゴドラクマという国と隣接する。ただ、シンとの間には東の大砂漠があるため、厳密に隣接しているとは言い難い。 「アメストリス」と言う国名の由来実在した人物で、紀元前ペルシアの王クセルクセス1世の后アメストリスから取られている。また作中出てくる「クセルクセス」は、この王の名前が由来である。 「お父様」が「星の真理」を得るために建国した国であり、頻発する内外での紛争領土拡大全て国土錬成陣の完成のためのものであるヨーロッパモデルにしており、イメージ産業革命期頃のイギリス

※この「アメストリス」の解説は、「鋼の錬金術師」の解説の一部です。
「アメストリス」を含む「鋼の錬金術師」の記事については、「鋼の錬金術師」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アメストリス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アメストリス」の関連用語

アメストリスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アメストリスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアメストリス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの鋼の錬金術師 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS