田舎
「田舎」とは、都会から離れた、人家の少ない、たいてい田畑や山林に囲まれており開けていない、長閑で辺鄙な地域を意味する表現である。あるいは、自分やその両親の故郷を意味する表現として用いられることもある。
「田舎」は「都市」または「都会」と対比される概念である。「都(みやこ)」に対して「鄙(ひな)」ともいう。
田舎から都会に出ることを「上京」といい、都会から地方へ行くことを「下向(げこう)」という。田舎から都会に移り住んだ者が田舎へ戻ることを「帰郷」という。生活基盤は都会に置いたまま一時的に田舎に帰るような場合は「帰省」と呼ばれることが多い。
「田舎」は、いわゆる「日本の原風景」のようなイメージを伴って想起されることが多い。「自然豊かな」「都会の喧騒を離れた穏やかな所」といったポジティブなイメージが抱かれることもあれば、「過疎化が進む」「強烈な因習が今も残るムラ社会」といったネガティブなイメージを抱かれることもある。
「田舎者(いなかもの)」という表現は、基本的には「田舎育ちの者」あるいは「田舎生まれの者」のことであるが、「垢抜けていない」「野暮ったい」「がさつな」「無作法な」といった罵りや嘲笑のニュアンスを込めて用いられることがある。
「田舎」の発音・読み方
「田舎」の読み方は「いなか」である。「田舎」の2字で「いなか」と読む、いわゆる熟字訓である。「田舎」を「でんしゃ」もしくは「でんじゃ」と読む場合もある。とはいえ、これは古語の類である。現代の一般的な文脈で「田舎」を「でんしゃ」と読ませる場面はほとんどない。
「田舎(でんしゃ)」は「いなか(地方の辺鄙な所)」の意味の他に「(田んぼに囲まれているような)いなかの家」を指す場合がある。
「田舎」の語源・由来
「田舎」の語源は「田居中(たいなか)」が転じたと考えられている。「田居(たい)」は「田んぼのある所」および「田んぼのそばの住居などを設けた所」を意味する語である。この「田居」にいる(ある)状況を「田居中(たいなか)」といった。ここから語頭の「田」が省かれて「居中(いなか)」となり、さらに「田舎」の文字が当てられて、「田舎(いなか)」という言葉になった、とされる。「田舎」の類語
「田舎」の類義語としては、「地方」や「故郷」などが挙げられる。「地方」は「都会から隔たった辺鄙な地域」を指す意味で用いられる言葉である。
「故郷」は「自分や自分の父母などが生まれ育った地域」の意味で用いられる言葉である。
「田舎暮らし」とは
「田舎暮らし」とは、文字通り「田舎で暮らすこと」であり、とりわけ「都会で暮らしていた人が田舎に移住すること」を指す意味で用いられることの多い表現である。都会の生活基盤を引き払って完全に田舎に移す場合もあれば、生活基盤は都会に残しながら余暇を田舎で過ごす場合もある。田舎暮らしに憧れを抱く都会人は少なからずいる。「自然に囲まれて穏やかに暮らしたい」とか「水や空気が綺麗な場所で過ごしたい」、あるいは「地方で新しい事業を開拓したい」といった要因が理由が動機になりやすい。
田舎は高齢化・過疎化が深刻化しつつある所も多く、自治体が移住者を積極的に迎え入れるための支援する制度を打ち出していることも多い。たとえば、移住先の物件の購入費用を助成したり、就業支援や起業支援などを充実させている所は少なくない。
田舎暮らしは都会での生活に比べれば間違いなく不便である。虫なども多い。移住したものの理想と現実とのギャップに落胆して早々に都会に戻る、といった失敗談もしばしば話題に上る。
「田舎」を含むその他の用語の解説
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い‐なか〔ゐ‐〕【田‐舎】
田舎
名字 | 読み方 |
田舎 | いなか |
いなか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 09:05 UTC 版)
広辞苑では、「首府以外の土地。」との説明をしている。この意味の説明に「いなか」とも書かれている。 大辞泉では「首都などの大都市に対してそれ以外の土地。」との説明をしている。
※この「いなか」の解説は、「地方」の解説の一部です。
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いなか
庄
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