villain
「villain」の意味
「villain」は、悪役や悪人を意味する英単語である。文学や映画などの物語において、主人公に対立する敵対者や、社会的な規範に反する行為を行う人物を指すことが多い。また、道徳的に非難される行為を行う人物を指す場合もある。「villain」の発音・読み方
「villain」の発音は、IPA表記では /ˈvɪlən/ であり、IPAのカタカナ読みでは「ヴィラン」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「ヴィラン」と読むことが一般的である。「villain」の定義を英語で解説
A villain is a character in a story, particularly in literature or film, who opposes the protagonist or commits morally reprehensible actions. They are often depicted as evil or morally corrupt individuals, causing harm or conflict to others.「villain」の類語
「villain」にはいくつかの類語が存在する。例えば、「antagonist」は物語の主人公に対立するキャラクターを指す言葉であり、「villain」と同様に使われることがある。また、「criminal」や「wrongdoer」は、犯罪や不正行為を行う人物を指す言葉で、「villain」と同じような意味合いを持つ。「villain」に関連する用語・表現
「villain」に関連する用語や表現には、「hero」や「protagonist」がある。これらは、物語の主人公や善良なキャラクターを指す言葉で、「villain」と対立する存在として扱われることが多い。「villain」の例文
1. The villain in the movie was defeated by the hero in the end.(映画の悪役は最後に主人公に倒された。) 2. Some people find villains more interesting than heroes.(悪役の方が主人公よりも面白いと感じる人もいる。) 3. The villain's plan was to take over the world.(悪役の計画は世界を支配することだった。) 4. The villain in the story was motivated by revenge.(物語の悪役は復讐に動機づけられていた。) 5. The villain was eventually captured by the police.(悪役は最終的に警察に捕まった。) 6. The villain's actions caused chaos and destruction.(悪役の行動は混乱と破壊を引き起こした。) 7. The villain disguised himself as a kind old man.(悪役は親切な老人に変装していた。) 8. The villain tried to manipulate the hero into joining his side.(悪役は主人公を自分の味方に引き入れようとした。) 9. The villain's backstory explained why he became evil.(悪役の過去の話が、彼がなぜ悪になったかを説明していた。) 10. The villain was eventually redeemed and became a better person.(悪役は最終的に救われ、より良い人間になった。)ヴィラン
「ヴィラン」とは、英語で「悪役・悪人役・悪党・敵方・敵キャラ」などの意味で用いられる表現であり、特にアメコミ等における敵キャラの総称である。または、「ヒロアカ」の用語で「敵陣営」を指す語。あるいは「てにをは」が発表したボカロ曲のタイトルである。
「ヴィラン」の基本的な意味
「ヴィラン」は英語の名詞「villain」をカタカナ表記した語である。英語の villain も「悪役・悪党・敵キャラクター」を意味する語であり、日本語の「ヴィラン」とほぼ意味は一致している。英語の「ヴィラン」の正しい綴りは「villain」である。「villan」ではない。語末の n の手前に「i」字が含まれる。
もっとも、「villan」という綴りも、かつて用いられていた。その意味で「 villan は誤字である」とも言いにくい。とはいえ現代において villan は廃語となっており、現代においては不正確な綴りである。
日本語では、もっぱら「ヴィラン」と表記される。「ビラン」と表記されることはめったにない。
「ヴィラン」の例
「ヴィラン」という概念の原型は古くからある。たとえば童話には、わかりやすいヴィランが配置され、主人公に立ちはだかったり妨害したりしてくる。「白雪姫」や「眠れる森の美女」における悪い魔女、「赤ずきん」の狼などは典型的なヴィランといえる。そして最終的にヴィランは主人公(ヒーロー)に打倒される。主人公がヴィランを打ち倒す物語は、教訓やメッセージあるいは強烈なエンターテイメント性によって読者を魅了する。
ヴィランは主人公(ヒーロー)たちの正義や純粋さを引き立てる存在である。ヴィランの残虐さが強烈なほど、読者は主人公たちに感情移入しやすくなる。
時にはヴィランの強烈な個性が読者を魅了し、主人公や物語の存在に依存しない人気を確立することもある。いわゆるダークヒーローとして、物語の主人公に抜擢される場合もある。
純文学の世界では「ヴィラン」は役柄として決定されていない(決定できない)場合が多い。文学が穿つ世界は単純な勧善懲悪では割り切れず、どの人物もそれぞれ事情を背負っているためである。
ヴィランによく似た言葉として、「ヒール」が挙げられる。ヒールは英語の「heel」から生まれた言葉で、ヴィランと同じく「悪役」の意味である。ただし、ヒールは「悪役を演じている」という状況が、受け手に共有されているケースが少なくない。悪役レスラーをヒールと呼ぶように、受け手は演技としての悪人ぶりを楽しむ。一方、ヴィランはフィクションの世界において、本質的な悪を担っているキャラクターのことだ。
ヴィランという言葉自体は昔から存在していた。しかし、ヴィランが一般的な単語になっていったのは、アメリカン・コミックス(アメコミ)がきっかけである。1930年代あたりから量産され始めたアメコミは、DCやマーベルなどの出版社の登場で一大産業になっていく。その多くはヒーローやヒロインとヴィランの対決を描いてきた。ヴィランはヒーローと同等以上の信念を持っており、作品の盛り上がりに必要不可欠だった。スーパーマンやバットマンといったアメコミのヒット作には必ず、魅力的なヴィランがいる。やがて21世紀に入り、マーベル・シネマティック・ユニバースという映画シリーズが製作されるようになると、ヴィランの重要性が世界中に広まった。
ディズニースタジオが製作してきたアニメーション映画も、ヴィランの浸透に大きな役割を果たしている。20世紀のディズニーアニメの多くは、世界的な名作童話を原作にしていた。その勧善懲悪の構図を踏襲し、ディズニーは数々の長編アニメをヒットさせている。マレフィセントやジャファー、スカーといったヴィランたちは強烈なインパクトを作品に残した。これらのディズニー映画の悪役の総称として「ディズニーヴィランズ」という言葉もある。
日本の例では漫画「僕のヒーローアカデミア(ヒロアカ)」にヴィランという言葉が登場する。「ヒロアカ」はアメコミの影響を強く受けてきた。そのため、悪役の呼び名もアメコミに倣ってヴィランとしている。そのほかにも、アーティスト「てにをは」の楽曲にも「ヴィラン」がある。2020年発表のボカロオリジナル曲である「ヴィラン」の歌詞は、トランスジェンダーの視点で書かれた。一般社会になじめないトランスジェンダーの孤独がヴィランになぞらえて表現されており、若者層中心にヒットした。
「ヴィラン」の熟語・言い回しには何がある?
ヴィラン顔とは
フィクション作品に登場するヴィランのような顔だちを「ヴィラン顔」という。ヴィラン顔に明確な定義はなく、「悪役っぽい」「意地悪そう」という程度で使われることも多い。あえて定義するなら、ヴィラン顔には3つのパターンがある。まず、武骨で彫りが深く、強面と呼ばれるような顔立ちだ。「スーパーマリオ」シリーズのクッパ、マーベル・コミックスのサノスなどはこれにあたる。一目で悪役と分かる顔で、多くの受け手を恐怖させてきた。
次は、内面的な悪がにじみ出ている顔だちだ。顔色の悪さ、瘦せた輪郭、鋭い目つきなどが特徴である。フィクション作品では美少年や美少女として描かれることも少なくない。美しいヴィラン顔には一定のファンがいて、「ヴィラン顔が好み」のように語られている。「ソー」シリーズのロキや「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クインなどが該当してきた。
最後に、あくまでも表情としてのヴィラン顔である。このパターンの登場人物は、ヴィランの役割を担っているわけではない。あるいは、悪役だと受け手にはっきり認識されているわけではない。しかし、何らかのきっかけでヴィランのような、嗜虐性の高い表情を見せることがある。そのようなときに、「ヴィラン顔になった」「ヴィラン顔出た」といった反響をもたらす。ヴィラン顔は冷笑的で、相手を高みから見下ろしているような印象を受け手に与える。その冷酷さが逆に魅力的だという人もいる。
シネマヴィランとは
「シネマヴィラン」とはラトゥラトゥによるロックバンド、ラトゥラトゥによる楽曲だ。女性の視点で歌詞が書かれており、自己中心的な恋愛に溺れる姿が「シネマヴィラン」と表現されている。そもそもシネマヴィランは「映画の中の悪役」という意味だと考えられる。アクション映画やアドベンチャー映画においては、たびたびヴィランが設定され物語を盛り上げてきた。さらに、ホラー映画の怪物や幽霊、犯罪者をヴィランと呼ぶこともある。
シネマヴィランはときとして、主人公以上の鮮烈な存在感を放つ。なぜなら、常識や道徳にとらわれている主人公たちよりも、ヴィランの行動は自由奔放だからだ。そして、シネマヴィランの暴走こそが映画の主題を担っていることも少なくない。映画「ダークナイト」のジョーカーは、シネマヴィランの評価が主人公を超えた代表例である。ジョーカーは昔から「バットマン」シリーズのヴィランとして有名な存在だった。「ダークナイト」のジョーカーは主人公の欺瞞を看破し、観客の善悪を揺さぶる。本作のジョーカーは人気キャラクターになり、演じた俳優のヒース・レジャーにはアカデミー助演男優賞が贈られた。
そのほかにも、「スターウォーズ」シリーズのダースベイダー、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロウなどはシネマヴィランでありながら絶大な支持を得ている。スパロウについては、自身が主役の映画も製作された。公明正大な主人公ではなく、正直な振舞いをするシネマヴィランに感情移入している観客は多い。
スーパーヴィランとは
アメコミ用語で「スーパーヴィラン」は、「常軌を逸した強さのヴィラン」を指す。サノスや「X-メン」シリーズのマグニートー、「スパイダーマン」シリーズのヴェノムなどはスーパーヴィランにあたる。映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では正義の味方だったスカーレット・ウィッチが魔力にとりつかれ、スーパーヴィランに変身した。
多くの場合、スーパーヴィランの能力はヒーローを超えている。彼らや彼女らは科学や魔法、超能力などでもともとの能力を強化されている。そのため、ヒーロー側は不利な戦いを強いられてきた。スーパーヴィランはアメコミシリーズの重要作に登場する。そのうえで主人公に内省を求めたり、物語世界の構造に異議を唱えたりする。ときには、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のサノスのように、スーパーヴィランが勝利してしまうことも少なくない。そして、スーパーヴィランの登場をきっかけに、主人公たちはさらなる成長や結束を果たすのが定番の展開だ。
Villain
悪役
(villain から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/02 07:12 UTC 版)
悪役(あくやく)は、第一義には物語性のある芝居やその他の作品全般において悪人を演じる役、また、その演者をいう[1][2]。 第二義には、第一義から転じて比喩的に憎まれ役(他者から憎まれる役回り)[2]を指す。 さらには、人間の織りなす歴史を物語に譬える概念の下、特定の価値観において悪人と見える立ち回りの目立つ人物を「悪役」呼ばわりすることもある。また、政治的意図をもって悪人もしくは悪役に仕立て上げられる人物がいるのも、歴史である[* 2]。
注釈
出典
- ^ a b c 『大辞泉』
- ^ a b c 『大辞林』第3版
- ^ a b c 平凡社『世界大百科事典』「敵役」
- ^ “The greatest villains in literature”. The Daily Telegraph. (2017年9月8日) 2019年3月26日閲覧。
- ^ Blakeney, Katherine (2010). “Perceptions of Heroes and Villains in European Literature”. Inquires Journal 2 (1) 2019年3月25日閲覧。.
- ^ a b c d e f Vladimir Propp (1968). Morphology of the Folk Tale (2nd ed.). University of Texas Press. ISBN 0292783760 2019年9月5日閲覧。
- ^ Maria Tatar (2004). The Annotated Brothers Grimm (1st ed.). W.W. Norton. p. 136. ISBN 0393058484
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