隣都道府県・同地区初戦対決
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「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の記事における「隣都道府県・同地区初戦対決」の解説
かつて、1府県1代表制(北海道・東京は2代表)となった1978年(第60回記念大会)から2006年(第88回大会)まで、夏の甲子園では初戦で近隣都道府県の代表校と当たることを避けるために、初戦は「東ブロックの高校対西ブロックの高校」として、組み合わせが行われていた。これは1977年(第59回大会)に早稲田実(東東京)-桜美林(西東京)といきなり初戦で東京決戦に、その前1976年(第58回大会)も豊見城(沖縄)-鹿児島実(鹿児島)と南九州の隣県決戦など、その他にも隣都道府県同士に近い組み合せが何度も続き、「初戦は東西対決に分けるべき」という声が多かったためである。 しかし、初戦で「東西対決」方式の組合せに変更した1978年以降も、丁度東西ブロックの境目での隣府県対決や、全国9地区で唯一東西に分断される北信越地区(新潟・長野・富山・石川・福井)同士の試合が行われたケースが何度か発生し、「不公平感がある」との声があがった。そのため検討の末、2007年(第89回大会)から東西対決方式だった初戦の組合せを、1977年以来30年ぶりに、全地区でのフリー抽選式に戻すこととなった。但し、2代表が出場する北海道と東京勢は初戦で対戦しないように、抽選の最初に振り分けられる(なお10年毎の記念大会において、第80回と第90回は埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・兵庫の6府県2代表と、及び第100回から福岡の1県が追加し合計7府県2代表を、初戦で同府県同士が当たらないよう配慮される)。 フリー抽選式で行った第1回から第59回大会までに、実現していた初戦・隣都道府県対決及び現在の春選抜の同じ地区に属するものは、以下の対戦がある。 1915年 - 1977年の初戦・隣都道府県及び同地区対決回開催年勝利校結果相手校3 1917年 京都一中(京都) 1-0 和歌山中(和歌山) 長野師範(長野) 4-3 愛知一中(愛知) 5 1919年 神戸一中(兵庫) 3-1 和歌山中(和歌山) 6 1920年 京都一商(京都) 5-1 和歌山中(和歌山) 松山商(愛媛) 10-1 鴻城中(山口) 7 1921年 和歌山中(和歌山) 20-0 神戸一中(兵庫) 9 1923年 早稲田実(東京) 5-1 横浜商(神奈川) 徽文高普(朝鮮) 9-4 大連商(満州) 11 1925年 静岡中(静岡) 3-2 愛知一中(愛知) 13 1927年 札幌一中(北海道) 4-1 青森師範(青森) 16 1930年 静岡中(静岡) 5-4 愛知商(愛知) 17 1931年 平安中(京都) 6-5 八尾中(大阪) 20 1934年 享栄商(愛知) 11-2 島田商(静岡) 21 1935年 育英商(兵庫) 5-4 米子中(鳥取) 22 1936年 静岡商(静岡) 27-4 長野中(長野) 23 1937年 平安中(京都) 6-5 浪華商(大阪) 呉港中(広島) 9-5 大田中(島根) 慶応商工(東京) 5-4 高崎商(群馬) 浅野中(神奈川) 1-0 島田商(静岡) 海草中(和歌山) 1-0 徳島商(徳島) 24 1938年 仁川商(朝鮮) 3-2 天津商(満州) 28 1946年 愛知商(愛知) 2-0 沼津中(静岡) 浪華商(大阪) 11-2 和歌山中(和歌山) 32 1950年 鳴門(徳島) 4-2 明石(兵庫) 33 1951年 高松一(香川) 12-3 岡山東(岡山) 34 1952年 松山商(愛媛) 10-4 津久見(大分) 水戸商(茨城) 5-0 都留(山梨) 36 1954年 米子東(鳥取) 2-1 滝川(兵庫) 37 1955年 新宮(和歌山) 3-2 浪華商(大阪) 38 1956年 伊那北(長野) 4-1 静岡(静岡) 39 1957年 岐阜商(岐阜) 7-0 津島商工(愛知) 法政二(神奈川) 3-0 清水東(静岡) 41 1959年 倉敷工(東中国・岡山) 10-1 大田(西中国・島根) 八尾(大阪) 1-0 滝川(兵庫) 42 1960年 米子東(東中国・鳥取) 8-0 盈進商(広島) 大宮(西関東・埼玉) 1-0 桐生工(北関東・群馬) 鹿島(西九州・佐賀) 5-3 熊本商(中九州・熊本) 青森(北奥羽・青森) 1-0 東北(東北・宮城) 43 1961年 銚子商(東関東・千葉) 2-1 法政一(東京) 法政二(神奈川) 9-1 宇都宮学園(北関東・栃木) 報徳学園(兵庫) 7-6 倉敷工(東中国・岡山) 47 1965年 帯広三条(北海道) 3-2 八戸(北奥羽・青森) 49 1967年 習志野(東関東・千葉) 3-1 堀越(東京) 小倉工(福岡) 4-2 海星(西九州・長崎) 51 1969年 松山商(北四国・愛媛) 10-0 高知商(南四国・高知) 静岡商(静岡) 6-0 東海大相模(神奈川) 52 1970年 大分商(中九州・大分) 5-1 九州工(福岡) 53 1971年 銚子商(東関東・千葉) 3-2 深谷商(西関東・埼玉) 郡山(紀和・奈良) 8-3 PL学園(大阪) 54 1972年 津久見(中九州・大分) 3-2 鹿児島商(鹿児島) 56 1974年 東海大相模(神奈川) 3-2 土浦日大(茨城) 58 1976年 豊見城(沖縄) 3-0 鹿児島実(鹿児島) 市神港(兵庫) 1-0 岡山東商(岡山) 福井(福滋・福井) 8-0 市岐阜商(岐阜) 59 1977年 早稲田実(東東京) 4-1 桜美林(西東京) 宇都宮学園(栃木) 10-0 東海大相模(神奈川) それから第60回記念大会から第88回大会までの29年間、夏の甲子園で初戦は「東ブロックの高校対西ブロックの高校」として、組み合わせが行なわれるようになった。しかし、東西の境目での隣府県と北信越地区については、以下のようなケースで初戦対決が行われている(東ブロックの境目-新潟・長野・富山・岐阜・三重。西ブロックの境目-石川・福井・滋賀・京都・奈良・和歌山。なお第60回大会から69回大会までの10年間、石川県代表は東ブロックに入っていた)。 1978年 - 2006年の初戦・東西隣府県及び北信越対決回開催年試合日(回戦)西ブロック代表校結果東ブロック代表校62 1980年 第6日第3試合(2回戦) 瀬田工(滋賀) 9-7 明野(三重) 67 1985年 第6日第1試合(2回戦) 甲西(滋賀) 7-5 県岐阜商(岐阜) 第6日第4試合(2回戦) 和歌山工(和歌山) 1-11 海星(三重) 69 1987年 第1日第1試合(1回戦) 天理(奈良) 7-3 明野(三重) 74 1992年 第2日第4試合(1回戦) 星稜(石川) 11-0 長岡向陵(新潟) 76 1994年 第6日第1試合(2回戦) 敦賀気比(福井) 0-5 佐久(長野) 77 1995年 第8日第1試合(2回戦) 星稜(石川) 3-0 県岐阜商(岐阜) 81 1999年 第4日第1試合(1回戦) 小松(石川) 5-9 新湊(富山) 83 2001年 第5日第3試合(2回戦) 金沢(石川) 13-4 滑川(富山) 85 2003年 第4日第1試合(1回戦) 近江(滋賀) 9-5 宇治山田商(三重) 86 2004年 第3日第3試合(1回戦) 遊学館(石川) 6-3 県岐阜商(岐阜) 87 2005年 第3日第1試合(1回戦) 京都外大西(京都) 4-1 菰野(三重) 88 2006年 第2日第2試合(1回戦) 福井商(福井) 8-1 福岡(富山) 第60回大会から第88回大会まで、東西境目の隣府県及び北信越地区の初戦対決は、過去に13回行われている。また東ブロック代表の勝利はわずか3回のみで、圧倒的に西ブロック代表の方が有利な試合展開であった。 2007年以降の初戦・隣都道府県及び同地区対決回開催年試合日(回戦)勝利校結果相手校89 2007年 第1日第3試合(1回戦) 文星芸大付(栃木) 5-0 市船橋(千葉) 第7日第2試合(2回戦) 前橋商(群馬) 2-1 浦和学院(埼玉) 90 2008年 第2日第2試合(1回戦) 宮崎商(宮崎) 7-1 城北(熊本) 第2日第3試合(1回戦) 智弁学園(奈良) 5-4 近江(滋賀) 第3日第1試合(1回戦) 関東一(東東京) 13-5 常総学院(茨城) 第3日第3試合(1回戦) 浦添商(沖縄) 7-0 飯塚(福岡) 第5日第4試合(1回戦) 横浜(南神奈川) 6-5 浦和学院(南埼玉) 91 2009年 第1日第2試合(1回戦) 明豊(大分) 4x-3 興南(沖縄) 第5日第1試合(1回戦) 智弁和歌山(和歌山) 2-0 滋賀学園(滋賀) 第6日第4試合(2回戦) 立正大淞南(島根) 1x-0 華陵(山口) 92 2010年 第2日第4試合(1回戦) 関東一(東東京) 9-2 佐野日大(栃木) 第5日第1試合(1回戦) 延岡学園(宮崎) 5-4 大分工(大分) 第5日第3試合(2回戦) 東海大相模(神奈川) 10-5 水城(茨城) 第6日第3試合(2回戦) 履正社(大阪) 4-1 天理(奈良) 93 2011年 第5日第2試合(1回戦) 開星(島根) 5-0 柳井学園(山口) 94 2012年 第3日第2試合(1回戦) 滝川二(兵庫) 5-4 北大津(滋賀) 第4日第1試合(1回戦) 浦和学院(埼玉) 6-0 高崎商(群馬) 第5日第2試合(1回戦) 東海大甲府(山梨) 3-0 成立学園(東東京) 95 2013年 第5日第2試合(1回戦) 樟南(鹿児島) 1-0 佐世保実(長崎) 第5日第3試合(2回戦) 延岡学園(宮崎) 4-2 自由ケ丘(福岡) 96 2014年 第4日第1試合(1回戦) 佐久長聖(長野) 3-1 東海大甲府(山梨) 第7日第2試合(2回戦) 八戸学院光星(青森) 4-2 武修館(北北海道) 97 2015年 第1日第2試合(1回戦) 中京大中京(愛知) 4-1 岐阜城北(岐阜) 第2日第4試合(1回戦) 東海大甲府(山梨) 8-7 静岡(静岡) 第3日第3試合(1回戦) 大阪偕星学園(大阪) 7-3 比叡山(滋賀) 第4日第1試合(1回戦) 津商(三重) 9-4 智弁和歌山(和歌山) 98 2016年 第5日第2試合(1回戦) 富山第一(富山) 1x-0 中越(新潟) 99 2017年 第1日第3試合(1回戦) 津田学園(三重) 7x-6 藤枝明誠(静岡) 第2日第3試合(1回戦) 前橋育英(群馬) 12-5 山梨学院(山梨) 第3日第4試合(1回戦) 聖心ウルスラ(宮崎) 5-2 早稲田佐賀(佐賀) 100 2018年 第3日第2試合(1回戦) 近江(滋賀) 7-3 智弁和歌山(和歌山) 第7日第4試合(2回戦) 愛工大名電(西愛知) 10-0 白山(三重) 101 2019年 第1日第2試合(1回戦) 神村学園(鹿児島) 7-2 佐賀北(佐賀) 第2日第2試合(1回戦) 津田学園(三重) 3-1 静岡(静岡) 第3日第2試合(1回戦) 明徳義塾(高知) 6-4 藤蔭(大分) 第3日第3試合(1回戦) 国学院久我山(西東京) 7-5 前橋育英(群馬) 第5日第3試合(2回戦) 岡山学芸館(岡山) 6-5 広島商(広島) 第7日第1試合(2回戦) 宇部鴻城(山口) 7-3 宇和島東(愛媛) 103 2021年 第2日第3試合(1回戦) 松商学園(長野) 17-4 高岡商(富山) 第3日第1試合(1回戦) 明桜(秋田) 4-2 帯広農(北北海道) 第4日第1試合(1回戦) 長崎商(長崎) 8-4 熊本工(熊本) 第7日第4試合(2回戦) 敦賀気比(福井) 8-6 日本文理(新潟)
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