銀塩カメラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 工業 > 装置 > カメラ > 銀塩カメラの意味・解説 

ぎんえん‐カメラ【銀塩カメラ】

読み方:ぎんえんかめら

フィルムカメラ


銀塩カメラ

読み方ぎんえんカメラ
別名:フィルムカメラフィルム式カメラ
【英】silver halide camera

銀塩カメラとは、感光材料塗られフィルム露光させることで像を写し撮る方式カメラ総称である。フィルム記録媒体として使用する旧来のカメラが、銀塩カメラである。フィルムカメラ、または単純にカメラ呼ばれることもある。

デジタルカメラ登場以後、それと明確に区別するために従来カメラを銀塩カメラなどと呼ぶようになった塩化銀臭化銀といったハロゲン化銀が光に当たることで黒化する原理利用している。銀塩カメラでは一度撮影したものは撮り直しができず、現像焼付けをしなくては仕上がり確認できない

カメラ・デジカメのほかの用語一覧
種類:  iSight  カメラ付き携帯電話  カムコーダー  銀塩カメラ  銀塩写真  コンデジ  LifeCam

カメラ

(銀塩カメラ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/27 03:12 UTC 版)

カメラ: camera: Kamera[注釈 1]は、写真や映像を撮影するための光学的な機械や装置[2]写真機(しゃしんき、寫眞機)ともいう。

概要

一眼レフカメラ、ニコンF。
カメラ店に並ぶさまざまなカメラ(一眼レフカメラ、レンジファインダーカメラなど)。
ミラーレス一眼カメラの一例。
映像撮影用(映画などの撮影用)のカメラの一例。

カメラは静止画や動画スチル写真映像)を撮影するための装置である。光学的に像を結ぶためにレンズ等の光学系を有している(#構造)。16世紀に発明されたカメラ・オブスクラを起源にもち(#歴史)、技術の発展に伴って様々な種類のカメラが登場している(#種類)。スマートフォンなどに搭載された静止画・動画撮影兼用の「カメラモジュール」等を「カメラ」と呼ぶこともある。

構造

カメラは基本的に、遮光されたボディ(暗箱)に、

  1. レンズ
  2. 撮像素子
  3. シャッター

を取り付けた物である[3]。多くの場合ファインダーも有する。

レンズ

被写体からの光を集めて一点に像を結ぶようにする部品である。レンズ焦点調節装置絞りを組み合わせた写真レンズとして部品化されている[4][5]

ファインダー

カメラで写る範囲を確認するための窓をファインダーという[5]

ライカM3

撮影範囲を知るためのビュー・ファインダー(ファインダー)を、撮影用レンズと独立させて取り付けたものをビュー・ファインダー・カメラという。構造が簡単なため、安価なカメラに使用される。ファインダーには簡単なレンズが使用されることが多いが、ライカMシリーズのように、距離計と組み合わせて精密な焦点調節を可能にしているものもある。これらは距離計連動式カメラ(レンジファインダーカメラ)と呼ばれる。また、フィルムカメラにおいては、一眼レフカメラ・二眼レフカメラに対しコンパクトカメラと呼ぶ。

この形式の不可避の欠点として、撮影用レンズとファインダーが独立していることによるパララックス(視野の誤差)が生じるが、ほとんどの距離計連動式カメラにはパララックス補正装置が組み込まれている。またビュー・ファインダー・カメラは、その視差の為に極端な近接撮影には向かない。

語源

もともとの語源であるラテン語のcameraは「小さな部屋」を意味し、カメラの由来である「カメラ・オブスクラ」の「オブスクラ」(やはりラテン語で、obscura)は「暗い」という意味で、画家が風景画を描く際に用いた暗室に由来する(#歴史参照)。

歴史

レンズと鏡を用いた携帯式カメラ・オブスクラ。これがのちの写真機の原型になった

カメラの原理は、写真術の発明以前から知られていた。16世紀、画家が風景画を描く際、壁面に小さなを空け、反対側の壁面に外の景色が映し出されるという暗室(カメラ・オブスクラ)が利用された[5]。のちにカメラ・オブスクラには小穴の代わりにレンズが取り付けられ、より鮮明な像が得られるようになった[5]。さらに反射鏡によって箱の上面に像を結ばせるようにした小型のカメラ・オブスクラが作られた[要出典]。これは絵画における遠近画法の確立に寄与したと言われている[要出典]

1824年ニセフォール・ニエプスが世界初の写真である「ヘリオグラフィ」を発明[要出典]。携帯型カメラ・オブスキュラの画像が定着できるようになった。1839年8月19日にはルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが初の実用的写真術「ダゲレオタイプ」を発表[要出典]。その後のカメラは、写真とともに発展していった。

19世紀末までに、記録媒体として写真フィルムが普及し[要出典]、コンパクトで手軽に写真が撮影できるカメラが大衆化する。1950年代まではイギリスドイツアメリカ合衆国が世界市場を牽引していたが、1970年代以降は、日本製のカメラが世界市場を席巻する[要出典]1963年昭和38年)には、露出を自動化したAEカメラが現れた[要出典]。さらに1977年(昭和52年)には、オートフォーカス機構が実用化され[要出典]、構図を決めてシャッターを押すだけで写真が撮れるのが当たり前の時代になった。

2000年平成12年)ごろから、従来の銀塩フィルム上の化学反応による撮影画像の記録ではなく、撮像素子(CCDなど)からの電気信号をデジタルデータ化して記録するデジタルカメラが普及し始める。その後デジタルカメラは勢力を伸ばし、ついには従来のフィルムカメラを駆逐する勢いとなって、それに伴いフィルムカメラ関連の事業は縮小していった。

種類

ハッセルブラッド 500 C/M

銀塩式とデジタル式

銀塩カメラ

フィルム印画紙などの感光材料を利用したカメラで、フィルム式カメラやインスタントカメラなどデジタルカメラ以外のほとんどのカメラが銀塩カメラにあたる[6]。銀塩は感光材料の主たる原料に銀や塩素の化合物が用いられていることに由来する[6]

銀塩写真では撮影時に光を銀や塩素の化学反応として記録し、それを別の化学反応によって目に見える形に変化させる現像の処理が必要なため画像が出来上がるまでに時間がかかる[6]。また、銀塩写真では撮影するたびにフィルムを消費するためコストが比較的高くなる[6]

一方で銀塩写真は化学反応の強弱に応じた細かい諧調表現が可能なことや現像のプロセスを楽しむ目的などから未だに人気がある[6]

デジタルカメラ

デジタルカメラは、銀塩などの化学的な感光材料のかわりに、感光を電気信号に変換する部品(撮像素子)を用いたカメラである[6]。いわゆる電子ガジェット類に機能の一つとして付属している場合もある。

デジタルカメラはモニター画面を通して撮影後すぐに結果を見ることができ、色や画像のデジタル処理も容易に行うことができる[6]。また、デジタルカメラは撮影のみの場合にはほとんどコストがかからないなどの利点もある[6]。コストを気にせず桁違いに多数撮影することができ、撮影したものは原則的に紙にはプリントせず、コンピュータの記録媒体に転送し、ディスプレイで鑑賞するということが一般化している。

スチルカメラとムービーカメラ

スチルカメラ

静止した写真の撮影用のカメラをスチルカメラという[注釈 2][6]

ムービーカメラ

動画の撮影用のカメラをムービーカメラ(シネマカメラ、シネカメラ)という[6]

銀塩式(フィルム式)のムービーカメラの場合は小さいコマにフィルムを連続的に供給して記録する必要がある[6]

デジタル式の場合はスチールとよく似た仕組みでムービーの機能も実現できることから、多くのデジタルカメラは短時間の動画を撮影する機能を持つ[6]

ムービーの内、映画用カメラは、制作者達には特に「キャメラ」と呼ばれることもある(「キャメラを止めるな!」)。

コンパクトカメラとレフカメラ

コンパクトカメラ

コンパクトタイプのカメラは撮影の機能はシンプルに抑え持ち運びに便利なようにしたカメラである[6]

一眼レフカメラ

一眼レフカメラとは、フィルムに写る画像を鏡を使って反射(レフレックス)し、それをスクリーンに投影してそのままファインダー像とするカメラ[5]。撮影用レンズとフイルムとの間に45°の反射鏡(レフレクター)を配し、フィルム上と同等の画像を上方(一部のカメラにあっては側方)のピントグラス上に結像させ、確認できるようにしたカメラである。シャッターを開く際は、反射鏡が移動されてフィルム面へと光路が切り替わる。

二眼レフカメラ

撮影レンズと同じ焦点距離のレンズによるレフレックス型ファインダーのカメラ[5]。一眼レフカメラと同様に45°の反射鏡を使って、本体上部のピントグラス上にファインダー像を得る方式だが、撮影用レンズと同等のファインダー用レンズが別に存在するカメラである。ファインダーに映る像は左右が反転する[5]。ビュー・ファインダー式と同様に視差を生じる。

フィルムの大きさによる分類

製造者・使用者双方の利便性の為にフィルムの種類は規格化されており、規格ごとに概ね以下のように分類できる(なお、例えば以下では110を「超小型」に分類しているが、「小型」に分類されることも多いと思われるように、厳密な分類があるわけではない)。

超小型カメラ

16mmフィルムミノックス・サイズのフィルムを使うカメラ。戦前から戦後に流行した豆カメラや、110カートリッジ・フィルムを使うカメラ(ポケットカメラ)等。ギネスブック等で「一般市販された世界最小の(フィルム)カメラ」とされるのは、1948年から日本の「聖ペテロ光学」により少数が製造された円形カメラ「ペタル」(Petal 直径29mm・厚さ16mm・重量60g。専用24mm円形フィルム6枚撮り)。

小型カメラ

多くは35mmフィルムを使うカメラ(カプセルカメラ)。画面フォーマットとしてはライカ判(24×36mm判)が主流だが、一コマ分を長手方向に半分にして使用する35mmハーフ判もある。また、126カートリッジ・フィルムAPSフィルム(IX240)を使うカメラも小型カメラに分類される。

中型カメラ

中型カメラに分類される中判カメラは、120フィルムまたは220フィルム(ブローニーフィルム)を使うカメラ。画面フォーマットとしては、6×4.5cm判、6×6cm判、6×7cm判、6×8cm判、6×9cm判、6×12cm判、6×17cm判などがあるが、実際の画面サイズはカメラによって違う事もある。

大型カメラ

大型カメラに分類される大判カメラは、4×5インチ以上で、一般に、ロールフィルムではなくいわゆるシートフィルムである。4×5in判、5×7in判、8×10in判など。

その他の分類

以下は、撮影方式・用途、その他による分類である。

日本のブランド

カメラ

光学レンズ

利用

出荷統計

2019年1~12月期のデジカメ世界出荷台数に関して、カメラ映像機器工業会(CIPA)の発表によると(前年同期比21.7%減の)1521万台だったとされた。種類別の内訳では、コンパクト型が(22%減の)675万台、一眼レフが(32%減の)450万台だった。2019年時点でミラーレスカメラの出荷台数が395万台でデジタルカメラ全体の26%を占めた。[7]

2020年は、カメラ映像機器工業会(CIPA)の発表によると、(スマホの影響に加えて)コロナ禍によるイベント中止や外出自粛がデジタルカメラの出荷台数にも大きく影響し、世界出荷台数が(19年比42%減の)888万台だった。機種別ではミラーレスが293万台(26%減)、一眼レフは237万台(前年比47%減)であった。[8] 

三脚・一脚

三脚は、重量のあるカメラ・レンズやスローシャッターの使用、長時間露光(夜景・花火天体写真など)、セルフタイマーで撮影者も写る場合などに使われる。三脚や一脚は、手ブレを防ぐのにも有効だが、使用の手間もかかるので、35ミリなどの小型カメラでは限られた場合にのみ用いられる。最近は、各社メーカーから、軽量のものが出され、大型のものは主流がカーボンファイバーを使用したものに移行してきている。

カメラを固定するねじは、主にインチねじであるUNC1/4が使われ、まれにUNC3/8が使われる。

脚注

注釈

  1. ^ 「カメラ」を「キャメラ」と呼ぶ事もあるが、これは英語の発音から来たものである[1]
  2. ^ still camerastill=静止した、動かない、の意。

出典

  1. ^ キャメラマン、、、キャ!? - 株式会社プロスクルー 2023年11月19日閲覧。
  2. ^ 『日本大百科全書』【カメラ】
  3. ^ "カメラには、外側のボディ以外にかならず備わっている部品があります。... この 3 つのうちひとつでも欠けると、写真になりません。... レンズ ... 感光材料(フィルムやセンサ)... シャッター" Canon 2012, p. 1 より引用。
  4. ^ "レンズとは ... レンズそのものだけでなく、ピント調節や光の量を調節する部品も合わせた、レンズシステム全体を指すことがほとんどです。" Canon 2012, p. 1 より引用。
  5. ^ a b c d e f g カメラと写真がわかる本”. RICOH. 2020年7月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m カメラにはいろいろある”. CANON. 2020年7月2日閲覧。
  7. ^ 日本経済新聞「2019年のデジカメ出荷、22%減の1521万台に」
  8. ^ 日本経済新聞「デジカメ、20年世界出荷42%減 一眼をミラーレスが抜く」

参考文献

関連項目

外部リンク


銀塩カメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:22 UTC 版)

カメラ」の記事における「銀塩カメラ」の解説

フィルム印画紙などの感光材料利用したカメラで、フィルム式カメラインスタントカメラなどデジタルカメラ以外のほとんどのカメラが銀塩カメラにあたる。銀塩感光材料主たる原料に銀や塩素化合物用いられていることに由来する銀塩写真では撮影時に光を銀や塩素化学反応として記録し、それを別の化学反応によって目に見える形に変化させる現像の処理が必要なため画像出来上がるまでに時間がかかるまた、銀塩写真では撮影するたびにフィルム消費するためコスト比較高くなる一方で銀塩写真化学反応強弱応じた細かい諧調表現可能なことや現像プロセスを楽しむ目的などから未だに人気がある。

※この「銀塩カメラ」の解説は、「カメラ」の解説の一部です。
「銀塩カメラ」を含む「カメラ」の記事については、「カメラ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「銀塩カメラ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



銀塩カメラと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「銀塩カメラ」の関連用語

銀塩カメラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



銀塩カメラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2024 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【銀塩カメラ】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS