釋摩訶衍論とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 釋摩訶衍論の意味・解説 

釋摩訶衍論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 02:09 UTC 版)

釋摩訶衍論』(しゃくまかえんろん)は、秦姚(ようしん:後秦384-417)の伐提摩多(ばつだいまた)による漢訳とも記され、『大乗起信論』に対する註釈書であり、大乗もしくは密教の龍樹菩薩の著作とされている。全十巻[1]如来蔵思想と阿頼耶識との結合を図ったものとされている。

撰述問題

本書は、龍樹作と伝えられているが、夙にその偽作説が唱えられており、日本の淡海三船が龍樹に仮託した偽書として厳しく批判した[2]最澄安然も偽作説を支持している[2]

このように伝来当時の日本でも偽書ではないかと論争が起き、その事実を知っていたはずの空海は本論を度々引用している[3][4]

仏教学者の石井公成は、『釈論』には元暁(ウォニョ)や義湘(ウィサン)の影響があり、また本文に変格漢文が見られることを指摘し、新羅撰述であるとする説を主張している[2]

真言教学との関係

真言教学史では特に重視されてきた[1]。これは弘法大師空海がこの論の中にある密教の要素に着目し、顕教と密教との峻別のための典拠としたことによる。空海真言密教の体系化に本論を用いたことによって、本覚思想が密教とともに進展した。

関連項目

脚注

参考文献

  • 石井公成「新羅成立の諸経論」『佛敎學報』第92号、東國大學校 佛敎文化硏究院、2020年、66-87頁、doi:10.18587/bh.2020.9.92.65 


このページでは「ウィキペディア」から釋摩訶衍論を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から釋摩訶衍論を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から釋摩訶衍論 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「釋摩訶衍論」の関連用語

釋摩訶衍論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



釋摩訶衍論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの釋摩訶衍論 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS