遺産技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/21 22:48 UTC 版)
峰島勇次郎が発明し現在の技術水準を遥かに超越した技術、機械、方式など。一部に娘の峰島由宇が発明したものも含まれる。SランクからFランクまで存在し、それ以下はロストランクとされる。 LAFI(ラフィ) Aランクの遺産、スーパーコンピュータ。スフィアラボにファースト(黒川謙率いる海星によってNCT研究所から強奪されたが、空母フリーダムが沈んだ際に搭載されていたファーストはそれと共に深海に沈み圧潰した)、NCT研究所にセカンド、サードが存在する。サードは携帯型のノートタイプ。また、存在のみ確認されるフォースがあるが、作中の記述ではコンピュータではないとされる。アリシア・新井によると実用化されていない量子コンピュータ(著者の公式HPでの発言ではそれとも違うものらしい)。 スフィアラボ 直径525m、ほぼ球形をした大規模研究施設。閉鎖空間内に地球循環環境を再現し、内部の資源だけで自給自足が可能。外壁の特殊ガラスは破壊不可能。LAFIファーストを有し、実験やスフィアラボ全体の管理を細部まで行うことができる。メインゲートとサブの2つの出入り口、輸送用のヘリポートを備える。 霧斬(むざん) Dランクの遺産。物体に接触した際に物体の固有振動数を発生させることによって、その物質の結合力を弱め、液状化現象を引き起こす。また、位相が逆の振動波で打ち消すことが可能。水が含まれていない鉄などは砂状になる。 A9特殊汎用装甲 Eランクの遺産。特殊合金と関節に仕込まれた対ショックギアにより驚異的な防御力を持つ。ゼクト社がコピーした粗悪な流出品が蜃気楼に使用される。亜門が装備していたのはオリジナル。 ユニバーサル迷彩 熱、赤外線、音といった様々な痕跡を隠す特殊迷彩。空気の流れだけは隠せない。 ブレインプロクシ 代理脳、脳の代わりをしてくれる機械。本来、脳死患者などに対する医療用として開発されていた。峰島由宇が開発した遺産で、蜃気楼がこれを転用、戦闘プログラムをインストールし一般人に装着させることで簡易兵士に仕立てあげた。 イワン・イヴァノフはこれによる肉体の動きの最適化に加え外部からの電気信号で動きを補強し、更に戦闘に必要のない部分を徹底的に削り取り極限まで軽量化することで超人的な動きを可能にする「いかずち隊」を組織している。 多段式軽ガスガン(ただんしきけいガスガン) スペースデブリの高速衝突実験を目的として製作された機材の小型機。直径9mmのアルミの弾をマッハ30超で撃ちだすことができる。弾と副産物であるはずの弾が発生させる衝撃波は多大な破壊力をもつ。 レプトネーター(Leptoneta) 二ツ橋重工が開発している多目的多足型無人戦車の開発コードネーム。人工衛星シグマからマイクロ波によって電源供給を受け行動することができる。低烈度紛争を対象として開発された。武装はレールガン、ワイヤーカッターなど。 視覚毒(しかくどく) Dランクの遺産。複雑な光の組み合わせにより、脳の体内分泌物を制御する技術で、体内で毒を生成させる(応用方法としてアドレナリンなどのホルモンも操作できる)。理論は光過敏性発作に近い。 天国の門(ヘブンズ・ゲート) LAFIファーストの中にあった峰島勇次郎への手がかりであり、奨励都市《希望》の地下に埋まっている遺産。本来相容れぬはずの真目家の家紋が刻まれ、都市1つ分の人命と重量によって封印。 ナイトメア 強力な暗示による共鳴現象。暗示によって傷ついたと認識すると実際に傷ついてしまうといったフィードバックがみられる。これは影響範囲や効果がごく小さいものであったが、マジシャンはその特性からその欠点を克服しこの遺産を使用できる。 ゲノム・リモデル 遺産の一つ。遺伝子情報を操作しその身体の能力を凄まじく伸ばすことができる。しかし、木梨ほどの急激な変化は見込めない。ビッグフット、スピード、パペットはその被験者。 ウィンディーネ 環あきらが使用する遺産。伝導率が一定の液体を自在に操ることができ、攻撃や偵察に使用することができる。 コーザリティゴーグル 蓮杖直人の使用する遺産。周囲の様々な事象から過去と未来を予測するゴーグル。ただし、過去視は過去に遡るほど過去の候補が増え、未来視は1秒先を予測するのに10秒掛かるという始末なのでロストランクとされる。 ト02型合金(トぜろにがたごうきん) Dランク相当の遺産。ダイヤモンドを超える硬度を持つ7種の合金のうちの1つ。 フリクション・キャンセル Dランク相当の遺産。常温下での摩擦係数を限りなく0に近づけるコーティング剤。 フリーダム 全長320mオーバー、全幅480mオーバーの飛行航空空母で世界最大の航空機。DIAとアメリカ海軍が極秘裏に建造した。建材にト00合金を使用。約3000人の兵員が搭乗でき、95機の艦載機を搭載できる。動力は原子力。ユニバーサル迷彩の技術を備える。 ト00合金 ダイヤモンドを越える硬度とジュラルミンとチタンの合金の四分の一の重量の金属。 リーディング能力 人の記憶を読み取る能力。相互に記憶が流れ込む。あまりにも情報量が極めて多いので適性の無い人間は発狂する。マモンはリーディング能力を持っているかどうかを基準にして自己を再構成していた。 分子間力制御装置(Intermolecular Force Control) 通称IFC。分子間力を制御することにより無機物の形を自在に操ることができる。峰島勇次郎の案をもとにセルゲイ・イヴァノフが開発したもののひとつ。二十年前、ソ連の科学者だったイヴァノフは偶然勇次郎が世界に流した技術の情報を手にいれたことでそれに魅せられ、日本に亡命し死亡した。そしてソ連に残されたイヴァノフの研究所は閉鎖され残されていた技術も没収された。だが当時勇次郎の技術は高度すぎたため理解できる者がおらず、そのまま放置されてしまった。その中にIFCも存在し、自己の複製という行動を設定されていた。周辺の無機物を取り込み自己を複製していくが、IFCには複製回数と寿命が設定されており一つのIFCの寿命は平均十七秒程度しかなかった。しかしその過程で不完全なものが現れ始め、複製回数制限が壊れてしまう。さらに多様性が発生したIFCは自らの姿も変えていき、その中の一つがCPUと同じ機能を獲得し「記憶」を可能にしたことで無機物生命体へと進化を遂げる。やがて研究所から外へと出た無機物生命体だったが、彼らにとって炭素は猛毒であったためそのまま絶滅するかと思われた。しかし冬が訪れたことで地面は凍りつき、有機物が氷の下に隠れてしまったことで無機物生命体は新たな進化を開始する。その中に液体窒素を体とする者たちがいた。彼らは断熱素材を体とする者たちと共棲することで己の体を保ち、液体窒素によって有機物を凍りつかせ死滅させることで生存を可能にした。そして無機物生命体が勢力を広げるために活動を活性化させたことでシベリアに未曽有の災厄が発生する。
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