固有振動数
外力を除いたあとに、自己の内部的な力で続けられる振動を固有振動(または自由振動)といい、その振動数を固有振動数という。n自由度系では一般に、n個の固有振動数が存在する。質量Mがばね定数Kのばねに吊るされている1自由度の振動系における固有振動数は、(K/M)1/2/2π であり、ばね定数の平方根に比例し、質量の平方根に反比例する。外力の振動数が固有振動数と一致すると、振動振幅は非常に大きくなる。この状態を共振という。自動車は多自由度の振動系であり、エンジンの回転アンバランス、トルク変動そのほか多くの刺激の振動数が、車両の固有振動数に一致する回転数、車速で共振を誘発し、振動、騒音の問題などを発生させる。
固有振動数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 04:33 UTC 版)
体積V の容器(空洞)から、開口部の断面積S 、首の長さL の細い管が伸びているとき、容器の内部にある空気はバネとしての役割を果たすので、管の内部に存在する空気塊は、運動方程式; ρ S L ∂ 2 x ∂ t 2 + γ p S 2 V x = 0 {\displaystyle \rho SL{\frac {\partial ^{2}x}{\partial t^{2}}}+{\frac {\gamma pS^{2}}{V}}x=0} にしたがって、あたかも質量 ρSL を持ったピストンのように管の中で剛体的に振動するとみなすことができる。ここで ρ は空気の密度、x は空気塊の変位、γ は比熱比、p は圧力である。この系の固有角振動数は ω 0 = c S V L {\displaystyle \omega _{0}=c{\sqrt {\frac {S}{VL}}}} となるので、管の開口部などにこの振動数に一致する圧力振動が加えられると、空洞内部で共鳴が発生する。ここでc は音速であり、次式で表される。 c = γ p ρ {\displaystyle c={\sqrt {\frac {\gamma p}{\rho }}}} ただし、以下の仮定を置いている: LS ≪ V である(管の部分の体積は、容器の体積よりはるかに小さい)。 容器内の空気は理想気体であり、かつその圧縮・膨張は断熱過程である。 一例として、V = 1000 cm3、S = 1 cm2、L = 10 cmの容器を常温常圧の空気中で共鳴させると、音速をおよそ 3.5×104 cm/s として、固有角振動数 ω0 = 350 rad/s 、固有振動数 f0 = ω0 / 2 π {\displaystyle \pi } = 55 Hzとなる。
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