クランクシャフトの曲げ振動
クランクシャフトが同一平面内で周期的に変形する現象。ピストンに作用する燃焼ガス力や慣性力により、曲げモーメントが発生し、とれによる変形が曲げ振動の引き金になる。一方、クランクシャフトの質量と弾性とで形成されるばねマス系の曲げ振動の固有振動数があるため、加振力とこの固有振動数が特定の関係になると、激しく曲げ振動を起こす。クランクシャフトが同一面内でムチ状に曲がり、振動する現象。その固有振動数は、ねじれの固有振動数より高いのが一般的。直列4気筒エンジンの場合、クランクピンとクランクジャーナルは同一面内にある。その面内でのクランクシャフトの曲げ剛性は、これと直角方向の剛性より低く、この面内での振動が発生しやすい。また、クランクシャフトが長くなると曲げ剛性・ねじれ剛性ともに低くなり、固有振動数が低くなる。エンジン運転中にピストンからの加振動と固有振動が一致する(または特定の関係になる)と、激しい振動となりエンジンを破損することがある。これを低減するため、複合式のダイナミックダンパーを用いる。
参照 クランクシャフトのねじり剛性、クランクシャフトのねじり振動- クランクシャフトの曲げ振動のページへのリンク