運行方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:55 UTC 版)
このような事例では、各駅に停車する区間については需要が少ない場合でその区間を通過する列車を設定しているが、地域輸送を担う列車を設定するほど需要が多くない、ないしはその区間の駅と列車始発駅周辺など一方向に需要が偏っていることから、必ずしも地域輸送にのみ特化した列車を運行するのに適していない場合にこのような列車を設定する場合が多い。 例えば「区間急行」は、起点駅付近は急行と同じ駅に停車し、郊外は各駅に停車する事が多い。 いずれも、「区間」がつかない列車より相対的に停車駅が多くなるのが一般的だが、阪神本線の「区間特急」は2009年3月20日改正時まで例外として、「特急」よりも停車駅が少ない列車となっていた。これは当該列車の設定当初、途中駅(芦屋駅)始発で大阪市内への通勤利用者に対して速達サービスを提供する戦略商品として設定されていたためである。名称については、一部区間のみ運転する特急列車ということで名付けられた。その後の一時期、三宮駅発に変更されたが、元町駅より先、神戸高速線・山陽電気鉄道本線まで運行区間が延びる特急列車に対し、区間運転の列車であるということから名称は継続されている。 さらに京阪本線の「区間急行」は準急よりも停車駅が多い設定となっている(東武の快速>急行の関係と同様)。名称の根拠は、一部区間のみ運転の短距離急行列車という意であり、急行に準ずる列車である準急より下位に置かれている。本来の準急の英語名"Semi-express"は区間急行に割り当てられ、準急には本来区間急行で使われる"Sub-express"の英語名が割り当てられている。 京王電鉄では準急は存在しないが、京阪同様区間急行の英語表記が"Semi Express"となっている。「通勤快速」から改称された2013年2月22日改定から2015年9月24日までは新宿駅・新線新宿駅 - 調布駅間の停車駅は「急行」と同一だったが、2015年9月25日改正より仙川駅が停車駅に設定されたため、同区間は「急行」よりも停車駅が1駅多くなっている。 また、2006年3月17日以前の東武伊勢崎線では、「区間準急」のうち東京メトロ半蔵門線との乗り入れ列車では、「準急」が停車する曳舟駅 - 北千住駅間の途中駅をすべて通過していた。翌18日の改正で半蔵門線直通の区間準急は準急に、浅草駅発着の準急は区間急行にそれぞれ改称されたが現在も準急と区間急行は上下関係が一致しておらず、新越谷駅 - 東武動物公園駅間では準急は各駅に停車するが、区間急行はせんげん台駅と春日部駅のみに停車する。一方で区間急行が各駅に停車する曳舟駅 - 北千住駅間では準急がノンストップとなっている。そのため、下り列車の場合、曳舟駅で準急に抜かれた区間急行がせんげん台駅または春日部駅で準急を抜き返し、東武動物公園駅より先、館林・太田方面および南栗橋・新栃木方面には区間急行が先に到着するというダイヤになっている。この現象は現在は朝と夜間以外見られないが2006年3月17日以前は昼間でもこのダイヤで運行されていた。半蔵門線直通列車がすべて曳舟駅 - 北千住駅間ノンストップとなっているのは水天宮前駅とほぼ同じ駅である東京メトロ日比谷線人形町駅と北千住駅との距離が大幅に異なることで、速達性を高め混雑緩和と利用客の誘導をする役割を担っているためである。 また、列車種別に「区間」を冠さずに中間区間で各駅に停車する場合もある。 このような事例として、小田急小田原線では、新宿駅から本厚木駅までは通過駅を有し、本厚木駅から新松田駅まで各駅停車、新松田駅から小田原駅まで再び通過駅を有する急行がある。
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運行方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/09 06:07 UTC 版)
急行列車が目的地の駅に接近すると、スリップ・コーチは車掌の操作により列車から切り離されて惰性で走行する。目的地の駅が近づくと、車掌はブレーキを操作して駅に停車させていた。急行列車が駅を通過する、プラットホームのない線路を通行していた場合には、スリップ・コーチは駅の少し手前に停車して、入換機関車が駅のプラットホームのあるところへ移動させていた。列車によっては、何両ものスリップ・コーチをつないで走り、駅ごとに切り離していったり、1つの駅に数両のスリップ・コーチを切り離したりすることもあった。場合によっては途中駅に停車したスリップ・コーチは、その後支線の列車に連結されてその支線の終点まで行くこともあり、急行列車に乗っていた乗客が支線の駅まで乗り換えなしに行くことができた。 これとは逆方向の旅行をするときには、乗客は途中駅からスリップ・コーチに乗車し、各駅停車の列車に連結されて急行列車が停車する近くの駅まで行き、そこで最終的な目的地まで行く急行列車に連結されていた。 今日の観点からすれば、走行中に客車を切り離して惰性で走らせることは危険に思われるが、この扱いはよく訓練された乗務員によって行われており、何十年にも渡って事故なしに運行されていた。
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運行方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/26 07:31 UTC 版)
「デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道」の記事における「運行方法」の解説
デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道は、デュランゴヤードからシルバートンまで45 マイルの道のりを、5回アニマス川を渡りながら運行する。シルバートンに列車が到着して乗客を降ろすと、列車はデルタ線を回って向きを変え、戻ってきた乗客を乗せるためにバックして戻ってきて、デュランゴまでの帰りの運行を行う。45 マイルの道のりを走るのに、定期列車は片道3時間30分かかり、シルバートンで2時間15分待ち合わせる。 デュランゴから出発する列車は一般的に、乗務員が到着してから列車の出発まで1時間ほどかかる。制動手が列車の掃除具合を調べ、手旗や尾灯など、その日の運行に必要な備品が揃っているかを検査する。車掌は乗務員の出勤を記録し、乗客リストを入手し、乗務員への報告を行う。機関士と機関助士は機関車の検査をして、全ての機械類が潤滑され、適切な状態にあって修理が必要な場所がないことを確認し、その日の運行に備えて準備する。機関助士は、十分な石炭と水が炭水車に搭載されていることを確認し、潤滑油が供給されており自動潤滑装置が機能していることを確認する。また運転台を掃除し、機関車と炭水車から灰がらとごみを吐き出す。 機関車の準備ができると、機関車は本線へ引き出され、機関車を動かしてブレーキの性能試験を行う。また煙室とシリンダー内の清掃を行い、潤滑のためにシリンダーを暖める。制動手が列車に機関車をつなぎ、車両工場の人も機関士を手伝ってブレーキテストを行う。 デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道の定期列車は、時刻表に基づいた方式で運行されるが、臨時列車や特別な状況下では場合によっては時刻表は無効とされることがある。デュランゴを出発する列車は、列車の末尾がプラットホームから離れるまで5 mph(約8 km/h)で進行し、その後ヤード内の制限区間を抜けるまで10 mph(約16 km/h)で進行し、本線上では15 mph(約24 km/h)で進行する。15番通りの橋は、デュランゴヤードのちょうど東端にあり、ここに保線員の物置が置かれており、また線路見回りの人が通過する列車の点検を行う。32番通りまで線路はほぼ平坦で、そこから小さな丘があって36番通りまで少し機関車が出力を上げる。そこから列車は4分の1 マイル(約400 m)ほどの下りになり、これを利用して20 mph(約32 km/h)まで加速して、36番通りからハーモサ (Hermosa) までこれを維持する。ホーム・ランチ (Home Ranch) にはデュランゴを出て最初の待避線があるが、ポーラー・エクスプレス号 (Polar Express) の向きを変えるための新しいデルタ線は、ここより少し東側に造られる予定である。この鉄道のほとんどの区間は川に沿って渓谷を曲がりくねって走っているので、この区間は鉄道の中で最も直線的な区間である。この区間ではバイクに乗って列車に併走することができ、ハーモサに向かって登り始めるために機関車が激しく稼動し始める様子を見ることができる。トリンブル・レーン (Trimble Lane) を通過すると、勾配が次第にきつくなるので機関車がさらに活発に稼動するようになる。定期列車では、デュランゴからハーモサまで40分ほど掛かる。 ハーモサには、小さな保線用ヤードと側線、そして炭水車に水を補充する最初の給水所がある。重連運転の列車は、しばしばここで補助機関車を連結する。補助機関車は列車に先行してハーモサへやってきて、水を補給した上で列車の到着を待つ。本務機関車が水を補給しているときに連結して重連運転となる。ブレーキテストの後、列車は30分をかけてハーモサからロックウッド (Rockwood) までの2.5 %の登り勾配にかかる。谷から離れて列車が登っていくにつれて、この鉄道を特徴付ける多くの曲線をこなしながら機関車が活発に列車を牽引していく。デュランゴを出て1時間が経ったところで高速道路550号線の下をくぐり、10 mph(約16 km/h)へ減速して小さな崖の端に沿って線路が走る岩棚を通り、そこから再度加速してシャロナ (Shalona) の牧草地を走る。ここにシルバートンまでで最後の踏切がある。踏切の後再び減速し、シャロナ湖の上にある岩場に沿って曲がりくねった道を進み、カーブを抜けるとロックウッドへ到達する。ロックウッドには小さなデルタ線と側線があり、また路線で最初のフラッグストップ(列車に乗りたい乗客が旗を立てて合図する方式の駅)がある。デュランゴからは鉄道で1時間10分の距離にあり、近くの住民が町まで運転していくよりも列車に乗って行きたいという需要があるからである。まもなく勾配は峠を越えて、重連運転の列車では補助機関車がカットオフし、タンク・クリーク (Tank Creek) へと走っていく。列車は狭い岩の切り通しに入り、アニマス峡谷を通る唯一の地上交通機関となる。高い崖の側面に沿って列車が曲がりくねっていく有名な区間に入り、列車はゆっくりと進行する。471.2 マイル地点にある橋の上で、機関士は機関車のボイラーにたまった沈殿物を吐き出させ、また機関助士は自分の側から後方を見て、最後尾に乗務している制動手が列車の最後尾が橋を通過したという信号を送ってくるのを確認すると、機関士は再び列車を15 mph(約24 km/h)まで加速させて、シルバートンまでの残りの区間をこの速度で進行する。ここから線路はアニマス川に沿って進行し、ここからカスケード峡谷までの間は勾配が頻繁に変化する。タコマ (Tacoma) には次のフラッグストップがあり、ここにも側線がある。474.5 マイル地点にはタンク・クリーク給水所があり、ここで停車して水を補給する。機関助士はおよそ4,000 ガロンの給水を行って炭水車を満タンにし、機関士は機械や軸受の点検と注油を行う。重連運転の列車の場合、補助機関車を連結しなおして、再度ブレーキ試験を行う。 タンク・クリークからは、トール・ティンバー・リゾート (Tall Timber Resort) まで1 マイル(約1.6 km)ほどである。その後、列車は非常に狭い岩壁の上を走り、勾配のある曲線を曲がってカスケードへ到達する。カスケードはデュランゴから2時間、26 マイル(約41.6 km)の距離で、この先には雪崩防止溝があることから、冬期には列車はここにあるデルタ線を利用して折り返す。アニマス川を3回目に横断して、東へ向きを変えてニードルトン (Needleton) へ向かう。この区間の勾配は、短く急な3 %の勾配と長く緩い2 - 2.5 %の勾配が階段のように繰り返し現れ、何度も向きを変えながら曲線が繰り返される。デュランゴまでにデンバー・アンド・リオグランデ鉄道が建設してきた本線と異なり、シルバートン支線では曲線により列車抵抗が増大する分を補償するために曲線部分で勾配を緩くするということは行われておらず、また背向曲線のために機関車と列車の編成が異なる向きを向いた状態になることがある。481.5 マイル地点にある岩壁の上の急な曲線に10 mph(約16 km/h)の速度制限が設定されている。 ニードルトンの側線から0.5 マイル(約800 m)のところにニードルトンフラッグストップがあり、さらに0.25 マイル(約400 m)のところにニードルトン給水所がある。ニードルトンフラッグストップは、シカゴ盆地 (Chicago Basin) へハイキングに行く人のためにあり、また時折この付近の森に小屋を持っている入植者が利用することもある。ここのフラッグストップや給水所からの発車に際しては大変運転が困難で、空転を防ぐためにレールに撒かれた砂の量がそれを示している。再発車のために少し機関車をバックさせなければならないこともしばしばである。西行きの列車の場合、シルバートンへ出発する前に積む必要のある水は1,000 ガロン程度であるが、この先にもっとも急な勾配が待ち構えている。ニードルトンを出発してしばらくは2.5 %程度の勾配で、486 マイル地点付近ではやや緩やかになるが、そこから急激に急勾配になって、488 マイル地点で4 %に達する。488 マイル地点からエルク・パーク (Elk Park) までは緩い曲線と勾配となって、機関助士はようやく休息することができる。 エルク・パークはシルバートンまでで最後の側線・デルタ線・フラッグストップがある。エルク・パークはニードルトンほどハイキングをする人に利用されてはいないが、コロラド・トレイルと交差している場所で、またシーズン中には狩猟に出かける人がよく利用する。エルク・パークを出ると、アメリカ中でもっとも雪崩防止溝が集中している一帯を通る。スノーシェッド・スライド (Snowshed Slide) には、かつて実際にスノーシェッドが存在していたが焼失し、残骸が残るのみとなっており、そこから名前が取られて地名となっている。スノーシェッドまで少し下り勾配になっており、そこを過ぎるとシルバートンまでは緩くわずかな勾配の曲線が続く快適で楽な道のりである。渓谷がもっとも狭くなっているカタラクト (Cataract) にある急曲線に接近すると機関士は警笛を鳴らし、シルバートンのある広い谷へ入っていく。 シルバートンのヤードに入る前に最後のアニマス川横断がある。車庫の前を通り過ぎる前に、列車は10 mph(約16 km/h)まで速度を落として、長い警笛で到着を知らせる。列車が到着すると乗客が下車し、乗務員は整備のために列車をデルタ線に送り込む。新しい灰落としの溝が、既存のものが大規模修理を必要とするときに備えて建設されている。次の乗客のために列車を駅に戻すと、機関士は機関車を再度点検・注油し、ほかの乗務員はデュランゴへの復路のためにブレーキ試験を行う。 列車はそのときの条件または設備が整っていないとき以外は、ほぼ直通空気ブレーキを使って運転する。タコマの東までは、列車を動かすためには蒸気を使う必要がほとんどなく、またロックウッドへの勾配を通った後は、デュランゴ付近のトリンブル・レーンまで惰行することができる。水に関しては、シルバートンからの列車はニードルトンで満タンにするが、カスケードからの列車は帰りに水を補給する必要はない。 デュランゴに到着した列車からは蒸気機関車は整備のためにすぐ切り離され、車庫のスタッフは夏には4両から5両の機関車が集中することになり忙しくなる。整備作業としては、炭水車に石炭を搭載し、夜間に火を維持するための木のペレットを投入し、砂撒き装置に砂を補給し、機関車の運用に応じて清掃を行ったり火を落としたりし、扇形庫に機関車を収容して注油・給水を行う。夏期に毎日90 マイルを重い列車を牽いて走行すると、走り装置が傷んでくることがあり、時折大きな修繕を必要とすることがあるが、この作業も扇形庫で行えるようになっている。 デュランゴ・アンド・シルバートン鉄道では、蒸気機関車がすぐに車庫に引き上げて整備を受けられるように、小さな入換用ディーゼル機関車を数両保有しており、保線作業やヤード内での入換作業に用いている。
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