スミス・ジョンソン・ディーリー
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「複式機関」の記事における「スミス・ジョンソン・ディーリー」の解説
イギリスのノース・イースタン鉄道では、ウォルター・マッカーシー・スミス (Walter Mackersie Smith) の設計と同じ構造の試作機、4-4-0の複式3CC形 (NEC Class 3CC) が1898年に登場した。この機関車自体がワーズデル/フォン・ボリース式 (Worsdell/Von Borries) 2シリンダー複式機関車からの改造であった。これがミッドランド鉄道向けにサミュエル・W・ジョンソン (Samuel W. Johnson) が設計した1000形蒸気機関車 (Midland Railway 1000 Class) の5両の初期の基礎となった。これらは1905年からさらに40両の拡大生産バージョンへ続いた。これらは全てスミスの構成から、ジョンソンの後継者、リチャード・ディーリー (Richard Deeley) の設計によるレギュレータに組み込まれた単純化した始動機構に置き換えられている。当初のジョンソンの機関車は、1914年からディーリー式の複式に改造され、また過熱器を搭載した。 1923年にロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道(LMS)が成立した後、構成した会社の機関車の間での比較試験が行われ、ミッドランド鉄道の複式機関車が最も優れていると考えられ、わずかに改良されたLMS複式4-4-0が採用されて1925年から1932年にかけてLMSの急行用標準機関車として245両が製造された。LMSの複式機関車は普遍的に受け入れられたわけではなく、特に旧ロンドン・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の区間ではミッドランド鉄道によって要求された運行方法と密接に関連して好まれなかった一方で、スコットランドでは地域特有の急行用機関車に関する重大な問題の解決法として受け入れられて好まれた。 5両の大型3シリンダー機関車が同じパターンでG.T. グラバー (G.T. Glover) の設計によりベイヤー・ピーコックで1932年にアイルランドのグレート・ノーザン鉄道のダブリン - ベルファスト急行向けに製造された。保存されているものとしては、ミッドランド鉄道の1000形(イギリス国鉄では41000番台)とグレート・ノーザン鉄道87号機がある。
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