警視庁警備部警護課第四係機動警護班
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「SP 警視庁警備部警護課第四係」の記事における「警視庁警備部警護課第四係機動警護班」の解説
機動警護班は特定の担当要人を持たない遊軍であり、第1 - 4係の増援要請や欠員補充のための応援警護につく。新人はまずここに配属され仕事を覚える場合が多い。外国からのVIPの警護も短期勤務のため、この機動警護班から組織される。 井上 薫(いのうえ かおる) 演 - 岡田准一(20年前:中島凱斗) 警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長。 1982年12月20日生まれ。旧姓は「北村」。 国家公務員試験II種合格の準キャリア警察官。6歳の頃テロに巻き込まれて両親を亡くし、叔父である警視庁組織犯罪対策第一課長・井上修司の養子となる。事件で標的となった現総理・麻田が浮かべた笑みを目にして以来、井上は悪夢に苛まれるようになる。幼少期に両親を目の前で亡くした衝撃から、脳内物質のバランス構築に影響を受け、脳内が常に活性化していると言われる。五感や記憶機能が異常発達しており、この体質によって「シンクロ」、「フォトグラフィック・メモリー」等の能力を持つ。訓練生時は通常の警護訓練では訓練にならず、より難易度の高くした訓練が実施されていた。 仕事中必ず手錠を忘れ、逮捕の際には毎回同僚から借りるようになる。通常、逮捕することがないSPには不要とも言えるものだが、異例のテロに直面する井上は度々犯人と対峙して逮捕してしまう。大規模任務では、尾形の意思により全体を見通すことの出来る外回りの配置が定位置となっている。任務中は落ち着きがなく、4係でも最も新人で体格も不利な井上はSPとして警護対象者側から苦情を受けることも少なくない。山本には“一日中ボーっとしているだけ”と揶揄される。考えが露骨に顔に出る等、非常時とのギャップが大きい。 合コンに熱心だが、悪意なく相手の隠しごとを明らかにするデリカシーのないところが災いしてしまったり、理想の女性像が非現実的だったりと一向に実を結ぶ気配がない。本人は「合コンが上手くいっていた」と思っているが、完全に空回りしている事に気づいておらず、尾形に「お前の連れ合いはそう簡単に見つからない」と断言されている。 特殊体質の他、高い資格技能を要するSPとして射撃や護身術、様々な格闘術にも精通しており、跳び三角絞めや腕ひしぎ十字固めから裸絞めへ連携させるシーンも見られる。エスクリマやサンボの技も使用する。 読書の趣味があり、特別編では論語を用いて公安に対する皮肉を言ってみせたり、Episode IIでは幅広い科学知識も披露している。自宅には犯罪心理学、軍事関連の書籍が大量にある。シンクロ 原因は神経成長因子(NGF)の異常な分泌であり、高まり過ぎた脳内の活性によって感覚神経が過剰反応し、音や空気にも同調(シンクロナイズ)して、その場の異物や違和感を察知する。特に緊張下では 、アドレナリンやドーパミンなどにより一層NGFの合成が促進されるため、その能力が高まっている。感覚的な物であるため井上自身も自由に制御することは出来ていない。また神経の異常発達は脳に負荷を与え、いずれは脳や精神に予測できない異常をきたす恐れがあると、専門医は示唆している。その症状はEpisode IVにおける麻田首相の警護を皮切りに悪化が進み、普段街中を行き交う人にさえ「シンクロ」を起こしてしまうほどの能力のエスカレートに伴い、過度の負担が表れている。 トラッキング 残された足跡から、その人物の年齢や性別、身体的特徴、状態などの情報を読み取る。ネイティブアメリカン(インディアン)が駆使する技術であり、誰でも習得が可能。井上の場合、大学生時のアメリカ留学中に独自に学んだもの。 フォトグラフィック・メモリー 写真を撮るように一瞬で物事を映像として記憶する能力。幼児期の子供の一部に見られる能力だが、通常は成長によって失われるものである。高い脳の活性により記憶力に優れる井上は、過去の記憶さえも鮮明に“見る”事が出来る。 予知、妄想 テロについて研究を積み重ねた上に、シンクロやフォトグラフィック・メモリーなどの能力による情報や知識から、井上はリアルな“妄想”のように現実に起こりうるテロの状況を的確に、鮮明にシミュレートする。そのビジョンは井上の中に井上自身によって再現されるものであり、“予知”したかのようにテロリストの思考を読み取るそれは、彼の中に根ざす深い闇の表れでもある。 これらの能力を駆使して、井上はテロリストと何度も対峙し逮捕する事になるが、それは“動く壁”と言われる警護課員の存在を超えており、SPの歴史にかつてない前例を作っている。 経歴 神奈川県立大学法学部法学科卒業→警視庁荒川署生活安全課配属→警視庁警備部第5機動隊配属→警護適任者として推薦を受け警察学校で訓練→ 警視庁警備部警護課第4係 尾形 総一郎(おがた そういちろう) 演 - 堤真一(20年前:中井澤亮) 警護課第四係機動警護班係長・警部。 1972年7月7日生まれ。岡山県岡山市出身(漫画版では、高知県高知市出身)。 東大法学部出身でキャリアとしての能力を持ちながら、あえて一般採用で入庁し、昇任試験も受けずにいる現場主義者。警察組織の改革論者であり、井上ら機動警護班は尾形に集められたチームである。新たな人材を探していた際に井上を紹介され、異例の抜擢で引き入れる。少年時代に前述のテロを目撃しており、井上同様麻田を疑問視している。その事件の真相を探るため、密かにテロの犯人山西を追及する。 組織の隠蔽体質や脅威を軽視する現状を良しとせず、上司にも度々意見する。衝突が少なくないもののその能力は上層部にも認められており、課内での信頼は厚い。そのため仕事は多忙を極めるが、ときには部下達にせがまれて飲みに連れて行くことも。 井上の過去を知る者であり、常に距離を置いて見守っている。警護現場でも問題視されがちな井上の後ろ盾となり、常に自由に動かせる。しかしそうした行動の真意は語らない、影を帯びた人物。 軍隊格闘術系の素養があり、高い射撃能力や近接格闘能力を持つ。 笹本 絵里(ささもと えり) 演 - 真木よう子 警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長。(26歳) 本作のヒロインで第4係の紅一点。容姿端麗でクールな情熱家。男勝りの性格と度胸を持ち、口が悪い。射撃の元オリンピック候補選手であり、身体能力も高く、SPとしての資質は男性隊員に引けをとらない。両親からは常に危険と隣り合わせなSPをやめるように懇願されている。 井上が配属された当初は懐疑的だったが、現場でその才能に気づき、早くから井上を認めている。その特異性ゆえに時に誤解を招いたり不調に苛まれる井上をさりげなく気遣うなど、後輩思いの一面もある。井上同様に勘が良く行動力がある為、井上とは任務上のパートナーとして特に相性がいい。井上が自分に気があると思い込んでいる。 黄色いハンドグリップやルービックキューブを愛用しいつも鍛えている。“関さばのように身が引き締まった男性”が好みのタイプだが、曰く「いい男が警察官になるわけない」。 合気道の他にクラヴ・マガを使用。 山本 隆文(やまもと たかふみ) 演 - 松尾諭 警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長。(25歳) 総合格闘家を目指しており、当初は格闘家としての経歴に箔をつける為にSPになった。井上より2か月早く配属されたため、先輩風を吹かせる。井上に対抗意識を抱き、行き過ぎた行動に反感を表すが、井上の活躍を無かった事にする上層部には不満を感じている。井上を疫病神だと言い張るものの、時折り彼を気遣う言動も見せる。七三分けの髪型を今時頑なに守る珍しい男である。人一倍食欲旺盛で、警護対象者に毒見を求められて大食いし一同を呆れさせることもある。 多忙な任務のため、高校時代から付き合っている彼女とは破局の危機にある。 タックルやスラムなど、総合格闘技の技術を活かしたパワフルな戦いを得意とする。 石田 光男(いしだ みつお) 演 - 神尾佑 警護課第四係機動警護班隊員・警部補。 尾形のサポートを務め、笹本、山本、井上の面倒を見るサブリーダー的存在で警護課の誰からも慕われている。寡黙で意志が強く、不言実行タイプ。バツイチで3歳の娘がいるものの、仕事が忙しく何か月も会えないこともある。任務中は娘の写真を胸ポケットに入れてお守りにする。 以前はSPとして井上を疑問視していたが、次第にその資質を知り受け入れるようになる。後輩たちを常に見守り、理解され難い井上を気にかけている。 柔道の有段者で投げ技を多用する。 2007年1月に放送された、踊る大捜査線のスピンオフドラマ『警護官 内田晋三』に警護課第4係の巡査部長(作中で2004年12月24日当時)として、本作に先駆けて登場している。
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