帰依とは? わかりやすく解説

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き‐え【帰依】

読み方:きえ

[名](スル)神仏高僧信じてその力にすがること。「三宝(さんぼう)に—する」


帰依

読み方:キエkie

神仏高僧などのすぐれた者を信じ、それによりすがること


帰依

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 19:53 UTC 版)

仏教用語
帰依
パーリ語 saraṇa (सरण)
サンスクリット語 śaraṇa (शरण)
ベンガル語 শরন
中国語 皈依
(拼音Guīyī)
日本語 帰依
(ローマ字: kie)
朝鮮語 귀의
(RR: gwiui)
タイ語 สรณะ, ที่พึ่ง ที่ระลึก RTGSsarana, thi phueng thi raluek
ベトナム語 Quy y
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三宝のシンボル(Chorasan, Gandhara, 2世紀ごろ, ベルリン民族学博物館)

仏教用語において帰依(きえ、: saraṇagamana: śaraṇagamana)とは、拠り所にするという意味[1]

一般的に仏教に帰依をする際には「三帰五戒」(さんきごかい)とされ、を拠り所にすることを宣言し(三帰依)、五戒とよばれる戒律と、可能であれば更に「八斎戒」を授かることになる。宗教的には仏教以外の教えを信じることをやめ、「五戒」を守ることを誓ってはじめて正式な仏教徒となるのである。

サンスクリットの「śaraṇa शरणパーリの「saraṇa」は、保護所・避難所という意味である。いわゆる中国語には「依帰」という言葉が『書経』に出てくるが、この場合は「頼りにする」という程度の意味である。

  • 大乗仏教の一部の宗派では、帰依とは勝れたものに対して自己の身心を帰投して「依伏信奉」することをいう。
  • 自帰依、法帰依(自洲自依、法洲法依)(: attadīpo attasaraṇo dhammadīpo dhammasaraṇo)という場合の「自帰依」(自灯明)は、四念処の実践を意味する。

仏法僧の「三宝」に帰依することを、先の様に三帰依(さんきえ、: ti-saraṇa: tri-śaraṇa)というが[1]、この三帰依の文章は仏道に入る儀式である『受戒会』や『得度』にも用いられ、しばしば音楽法要にも使われる。

八宗の祖と仰がれる龍樹は、「仏法の大海は[注 1]の一字をもって入る」と『大智度論』の中で述べていて、また、空海は「仏法の殊妙を聞かば、必ずよく帰依し信受すべし」と『十住心論』に述べている。

三帰依文

三宝は以下を指す[1]

パーリ三帰依文

南方仏教ではパーリ語で仏法僧の三宝への文章を、以下のように3度繰り返して帰依を表す(三帰依)[2][1]

  • 1度目の帰依
Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi(ブッダン・サラナン・ガッチャーミ)
(私はブッダ(仏)に帰依いたします)
Dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi(ダンマン・サラナン・ガッチャーミ)
(私はダンマ(法)に帰依いたします)
Saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmi(サンガン・サラナン・ガッチャーミ)
(私はサンガ(僧)に帰依いたします)
  • 2度目の帰依
Dutiyampi Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi(ドゥティヤンピ・ブッダン・サラナン・ガッチャーミ)
(再び、私はブッダ(仏)に帰依いたします)
Dutiyampi Dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi(ドゥティヤンピ・ダンマン・サラナン・ガッチャーミ)
(再び、私はダンマ(法)に帰依いたします)
Dutiyampi Saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmi(ドゥティヤンピ・サンガン・サラナン・ガッチャーミ)
(再び、私はサンガ(僧)に帰依いたします)
  • 3度目の帰依
Tatiyampi Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi(タティヤンピ・ブッダン・サラナン・ガッチャーミ)
(三度(みたび)、私はブッダ(仏)に帰依いたします)
Tatiyampi Dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi(タティヤンピ・ダンマン・サラナン・ガッチャーミ)
(三度、私はダンマ(法)に帰依いたします)
Tatiyampi Saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmi(タティヤンピ・サンガン・サラナン・ガッチャーミ)
(三度、私はサンガ(僧)に帰依いたします)

大乗仏教

三宝に帰依した後は以下の文章を毎日3回唱えて仏法僧への誓いを新たにし、御仏や諸尊、加えて御先祖様の加護を祈るようにする。[要出典]

また、『華厳経』浄行品第7にある、以下の経文を「三帰礼拝文」とし、日本の伝統宗派では唱えながら礼拝する場合もある。

  • 自帰依 当願衆生 体解大道 発無上意
  • 自帰依 当願衆生 深入経蔵 智慧如海
  • 自帰依 当願衆生 統理大衆 一切無碍

真宗大谷派では、開経偈と併せて以下のように唱える。

人身受け難し、今すでに受く。仏法聞き難し、いますでに聞く。
この身今生において度せずんば、さらにいづれの生においてかこの身を度せん。
大衆もろともに、至心に三宝に帰依し奉るべし。
自ら仏に帰依したてまつる。まさに願わくは衆生とともに、大道を体解して、無上意を発さん。
自ら法に帰依したてまつる。まさに願わくは衆生とともに、深く経蔵に入りて、智慧海のごとくならん。
自から僧に帰依したてまつる。まさに願わくは衆生とともに、大衆を統理して、一切無碍ならん。
無上甚深微妙の法は、百千万劫にも遭遇うこと難し。
我いま見聞し受持することを得たり。
願わくは如来の真実義を解したてまつらん。
(無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来真実義)

脚注

注釈

  1. ^ ここでは帰依と信心の両方を指す。[要出典]
  2. ^ ブッダ:仏陀、覚者。直接的には歴史上の釈迦牟尼仏を指し、広義には諸仏・菩薩や仏像をも含める。
  3. ^ ダルマ:仏法。主に『大蔵経』における律蔵・経蔵・論蔵の「三蔵」の教えを意味する。
  4. ^ サンガ:正しくは「僧伽」(そうぎゃ)。いわゆる20名以上の僧侶の集団である事が必要で、具足戒を保持している状態の人々を指す。

出典

  1. ^ a b c d 仏旗・法輪・三帰依文”. 公益社団法人全日本仏教会. 2022年12月閲覧。
  2. ^ 初期仏教の世界 - 礼拝の言葉”. 日本テーラワーダ仏教協会. 2022年12月閲覧。

参考文献

関連項目


帰依

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:44 UTC 版)

擬古猫」の記事における「帰依」の解説

擬古猫がその身を消し空白に戻る現象そもそも匿名掲示板では匿名、つまり2ちゃんねるで言うところの名無しメインであり、固定2ちゃんねるでのコテハン特異な存在(場所にもよる)。特に21世紀になってからはその傾向増大しあやしいわーるど全般固定嫌われる傾向存在する全て目立たない存在、それはつまり世界に返ることであり、仏教で言うところの帰依に相当する事からこの名前が付いた。 ※どうでもいい神仏習合。いいかげん。実際消え、の変換間違い擬古猫の名前と同じ。 帰依プロセス 擬古猫は、わずか1ミリ秒で帰依を完了するでは、そのプロセスもう一度見てみようまったり太陽エネルギー擬古猫ロボソーラーシステムスパークする。 | \ / /‾\ 〜 (´ー`) 〜 \_/ / \ | ∧ ∧ /(´ー`)<あたたかい /|‾‾‾‾‾| \| |\ | |/ | | |_____| | | |__Λ__| | | | | |_| |_| ノ | | ヽ (___| |___増幅され太陽エネルギーにゃんこエネルギー転換され擬古猫に帰依されるのだ。∧ ∧´ー`)<きU U ∧ー`)<え U`)<えU)<え<え ※宇宙刑事シリーズパロディ

※この「帰依」の解説は、「擬古猫」の解説の一部です。
「帰依」を含む「擬古猫」の記事については、「擬古猫」の概要を参照ください。

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帰依

出典:『Wiktionary』 (2021/08/19 13:17 UTC 版)

名詞

(きえ)

  1. (仏教) 神仏高僧教えじ、拠り所にすること。

発音(?)

き↘え

動詞

活用

サ行変格活用
帰依-する

「帰依」の例文・使い方・用例・文例

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