劇中劇『Shadow&Lights』の登場人物
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「スタミュ」の記事における「劇中劇『Shadow&Lights』の登場人物」の解説
綾薙学園伝統の卒業記念公演の演目。ウエストエンドに劇場が立ち並び始め、ショービジネスが盛んになり始めている時代のロンドンを舞台とした作品で、演劇を通じて築かれた強い絆で結ばれつつも、不慮の事故をきっかけにすれ違う二人の青年、ランバートとアレクシスの物語として描かれている。全二幕15場で展開され、第一幕と第二幕との間には20分の休憩を挟んで上演される。卒業した華桜会が主演を務めるのが恒例となっており、柊世代以前の華桜会は4人体制だったため、ランバート、アレクシス、ルーカス、クリフがメインの役柄だった。華桜会が増員となった柊世代からは新たにランバートとアレクシスの友人ポジションのエディが書き加えられている。上演時期は卒業後の8月であり、卒業寸前まで華桜会としての務めを担う生徒への配慮も綾薙学園の伝統の一つとされている。また、『Shadow&Lights』は2年生の最初の課題にもなっており、かつての指導者であった華桜会メンバーと共演できる「2年生育成枠」が設けられ、育成枠に選ばれた5名の生徒がランバートの影、アレクシスの影、ハーディー、パーシー、オーランドを演じる。4月から夏休み前までの間に2年生の指導に当たるアンシエントが2年生の稽古と育成枠の選抜を行い、卒業生の稽古への参加は夏休み直後となる。作中では漣の口から「他の卒業生の都合もある」と他の卒業生の参加を窺わせる発言も見られたが、劇中における配役はすべて華桜会と2年生育成枠で埋められており、他の卒業生が参加している描写はされていなかった。 ランバート 『Shadow&Lights』の主人公。美しい容姿をした舞台役者の息子。幼い頃から舞台役者になることを夢見ているが、自分に自信がなく、アレクシスとの初対面時には父親の背に隠れているような内気な少年だった。同じ舞台役者になる夢を持つアレクシスとは出会ってすぐに打ち解け、いつか同じ舞台に立とうと未来を語り合う間柄だったが、不慮の事故でアレクシスから舞台役者の夢を奪ってしまう。後に幼い頃から思い描いていた舞台役者となるも、一度も役をもらえない売れない舞台役者であり、オーディションを受けては落ちる日々を送っている。が、苦境に立たされながらも笑顔を絶やさず、自身が奪ってしまったアレクシスの夢も背負い、成功への道を諦めず突き進んでいる。事故後、屋根裏に引きこもってしまったアレクシスにも唯一恐れることなく真正面から向き合っており、毎日のように屋根裏を訪れてはその日あったことを語り聞かせており、アレクシスからどんなに罵られようとも彼の心を開くことを諦めなかった。一方で、アレクシスに対してのみ弱みも見せており、そのたびにアレクシスの不器用な優しさと彼が手渡す宝物と称したガラクタに救われてもいる。エディとは幼馴染み、オーランドは苦楽を共にした役者仲間だった。第一幕6場「ランバートの転機」にて憧れの看板ダンサーのハーディーから推薦され、初めてオーディションに合格し、メインの役を勝ち取る。同時にアレクシスから夢を奪った責任を感じ、自分だけが成功を手に入れることに躊躇いを感じていたが、初めてメインを務める舞台のゲネプロでルーカスによって奈落から落とされ、舞台役者の夢を絶たれ、成功を手に入れることは叶わなかった。が、舞台役者としての成功と引き換えに心の支えとしてきたアレクシスの閉ざされた心を開き、笑顔を取り戻す。 繊細な演技力が必要とされる役柄であり、首席卒業生が演じるのは恒例となっているが、柊がブロードウェイデビューのためにランバート役を降板したため、本人の推薦のもと、柊世代の卒業記念公演の主役は星谷が引き継いでいる。が、本番では11場「奈落落ち」で星谷が怪我を負ったため、全身を使うダンスシーンが入った14場「ランバートの夢」のみ揚羽が代役として出演した。 アレクシス 『Shadow&Lights』のもう一人の主人公。劇場主の息子。少年時代は役者の才能と華やかさを持ち合わせており、将来は舞台役者になることが夢だったが、ランバートを庇って顔に怪我を負い、舞台役者の夢を絶たれる。以降、屋根裏に引きこもり劇作家として活動していたが、ロンドンミュージカルとしては異端的な内容が多く、ランバート同様売れない日々を過ごしていた。また、役者としての夢を絶たれたことで自身を憐れみ、その運命を呪いながら書かれた作品故に「狂気じみている」と劇場に出入りする役者や裏方から噂されており、「狂人」として恐れられていた。親友であるランバートに対しては事故以降、毎日のように訪れる彼を罵り、追い返そうとするも突き放し切れず、自身にのみ弱みを見せるランバートを不器用ながらに慰めたりしている。4場「ウエストエンドの外れの小劇場」で上演されていた作品を観劇したルーカスに認められ、ブロードウェイで上演する誘いを受ける。が、ランバートを置いてアメリカに渡る決心が固まらず、ルーカスを追い出しまったことでランバートから舞台役者の夢を奪う原因を作ってしまい、罪悪感からより一層心を閉ざしてしまう。暗い悲しみだけを与えただけだったと自分自身を責めるが、自身のために明るく振舞おうとするランバートの気持ちに触れ、閉ざしていた心を開き、ランバートと和解を果たした。 例年、実力と華やかさを備えた役者が演じることが恒例となっており、柊世代では鳳が演じた。 ルーカス アメリカからやってきたブロードウェイミュージカルのスポンサー。華やかな風貌だが、野心家であり、自らの成功のためなら手段を選ばない性格をしている。小劇場で観たアレクシスの作品に魅了され、ロンドンミュージカルで評価されないアレクシスの作品をブロードウェイで上演させようと探偵のクリフを使ってアレクシスの居場所を調べさせた。が、ランバートを置いていくことができなかったアレクシスに追い出され、自らの成功のためにアレクシスの足枷となっているランバートを排除しようと彼を奈落から突き落とす。後にアレクシスの身辺調査でランバートの存在も把握していたクリフによってランバートに怪我を負わせた犯人の正体を暴かれ、捕らえられた。その際、ルーカスの思惑を知りながら見逃してしまったオーランドの告白文がエディによって証拠として提出されている。 作中で唯一の敵役であり、見せ場が多いため、華桜会メンバーが演じるのが通例となっている。柊世代では楪が演じた。 クリフ ルーカスがイギリスで雇った探偵。優秀だが、酒と女と金に目がない。自身の成功のためにアレクシスを母国に連れ帰ろうとしたルーカスによって雇われるも、依頼より遊びを優先する性格であり、そのたびにお目付け役のパーシーに口うるさく止められている。作中では女を侍らせ、大酒を食らっているいい加減な様が描かれているが、受けた依頼はしっかり果たしており、ルーカスの依頼だったアレクシスの居所もパーシーと協力して掴んでいる。また、アレクシスを手に入れるためにランバートに怪我を負わせたルーカスを見過ごすことができず、逮捕にも貢献した。 コメディリリーフを担う役柄だが、物語後半に格闘術を用いての見せ場があるため身体能力の高い役者が演じることが多く、柊世代では武道の心得のある漣が演じた。 エディ ランバートとアレクシスの幼馴染。ランバートの良き相談相手であり、毎日のようにアレクシスの元に通うランバートの優しさに呆れつつも長所だと褒めており、同時にその優しさが身を滅ぼすのではないかと心配もしていた。アレクシスに対しては重要な助言を行うことが多く、ランバートの様子を報告しに屋根裏に引きこもるアレクシスをたびたび訪ねている。すれ違う二人が和解することを望み、二人の仲を取り持つために行動を起こしていた。また、ランバートが奈落から突き落とされ、怪我を負った際にはオーランドが残した告白文を手にルーカスを断罪している。 それまでの4人体制から華桜会が5人体制になったことに伴い、柊世代から新たに書き加えられた役柄。そのため他の役とは異なり、それ以前に演じた役者は居らず、伝統とされてきた『Shadow&Lights』で暁が最初にエディ役を演じた。主要な登場人物と万遍なく絡むため、調整能力の高い役者が演じることが望ましいとされている。 アレクシスの影 アレクシスに寄り添い、見守り続ける人ならざる存在。天真爛漫な雰囲気がランバートに似ており、その正体はいつも笑顔を絶やすことなくアレクシスを支えたランバートの写し鏡だった。アレクシスからは「俺の天使」と呼ばれていた。 育成枠の中でも特に重要度が高く、育成枠の中で唯一ソロでの歌唱パートがある花形。かつて首席で卒業した遥斗も演じた。星谷世代でも各チームの実力者がそれぞれ受験に名乗りを上げ、team鳳から海斗、team柊から辰己、team楪から揚羽、team漣から南條、team暁からは十文字が受験した。後に音域と適正の問題からteam鳳は海斗から星谷に受験者が変更されている。育成枠には辰己が選ばれた。 ランバートの影 ランバートに寄り添い、見守り続ける人ならざる存在。暗く冷たい眼差しがアレクシスに似ており、その正体は厳しくもいつもランバートを思い遣ってくれていたアレクシスの写し鏡だった。ランバートからは自分の心の闇だと恐れられ、「僕の悪魔」と呼ばれていた。 台詞は無いものの、ランバートと共にほぼ舞台に出突っ張りとなる主要な役であり、繊細な演技力が必要とされた。team鳳からは星谷、team柊から申渡、team楪から甲本、team漣から中小路、team暁から百合野が受験。第5幕にて適正の問題からteam鳳は星谷と海斗が役をコンバートとしており、育成枠には途中交代にも関わらず海斗が選ばれている。 ハーディー ウエストエンドのスターであり、看板ダンサー。売れない舞台役者であったランバートをメインに推薦した人物。 難易度の高いダンスを披露する見せ場があるため、ダイナミックさと華やかさが要求される役柄であり、ランバートより格上という役どころからランバート役とのバランスを重視した配役が成されることが多い。team鳳から天花寺、team柊から戌峰、team楪から蜂矢、team漣から東堂、team暁から千木良が受験し、天花寺が育成枠を勝ち取った。 パーシー 探偵であるクリフの助手であり、お目付け役。クリフと共にルーカスからの依頼でアレクシスの身辺調査を行っており、彼の居所を掴む。金と酒と女に突っ走るクリフには手を焼いており、アレクシスの居場所を掴んだことで報酬が確実のものとなったことを喜んだ様には呆れた様子も見せるが、探偵としての腕は尊敬している。 クリフ同様コメディリリーフとして活躍し、台詞が多い。キャラクターとしての柔軟度が高く、演じる役者によって印象が変わることから注目度が高い役として挙げられている。team鳳から那雪、team柊から卯川、team楪から蟻坂、team漣から香西、team暁から一色が受験し、卯川が育成枠を勝ち取る。 オーランド ランバートの役者仲間で売れない舞台役者。ランバート同様、オーディションを受ける日々を送るも芽が出ず、苦楽を共にしてきた。が、ランバートがハーディーからの推薦を得てオーディションに合格し、メインを掴み取ったことでランバートの成功を妬み、ランバートを排除しようと目論むルーカスの動向に気づいていながら見逃してしまう。が、内心では自身の行いが間違ったものであったことに気づいており、責任を感じてルーカスが犯人であることを証拠付ける告白文を残し、劇場から姿を消した。 苦悩しながらも陥れてしまうという繊細な演技力が必要とされる役であり、パーシー役と同様に、キャラクターの印象は演じる役者によって左右されるため注目度が高い役柄。team鳳から空閑、team柊から虎石、team楪から蛍灯、team漣から北原、team暁から万城目が受験し、空閑が育成枠を勝ち取った。
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