全編を通じた登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 08:25 UTC 版)
「のたり松太郎」の記事における「全編を通じた登場人物」の解説
坂口 松太郎(荒駒 松太郎) 声 - 松平健(テレビ版)、屋良有作(OVA版) 本作品の主人公で、四股名は「荒駒(あらこま)」。長崎県のある廃坑の街で生まれ、3年も留年(アニメでは「すでに成人」とされている)した中学校で出会った女教師・南令子に憧れる。見かねた担任の島田が松太郎を連れて就職活動のため街へ出るが、その途中で立ち寄った食堂で巡業に来ていた力士(アニメでは巖の国(声 - 檜山修之))と喧嘩を繰り広げた。松太郎は力士に叩かれるが、巡業会場まで追いかけて仕返しした。その並外れた怪力と恵まれた体格を見た多くの親方がスカウトするが、令子が教師を退職して東京の実家へ引っ越していたため、その近くに住みたいがためだけに相撲部屋「雷神部屋」に入門する。 相撲未経験者としては前代未聞の幕下付け出しでデビューするが、傍若無人な性格のため、何度も兄弟子相手にトラブルを起こす。松太郎にとって初めてとなる大阪場所を控えて過ごしていた宿舎では、泥酔した田中を擁護して暴れ、兄弟子全員を敵に回して大乱闘を起こす。兄弟子は全員が重傷を負って大阪場所に出場できず、雷神親方は持病の心臓病が悪化して入院、松太郎と田中も重傷を負って入院し、雷神部屋を破門になる。入院を機に改心した松太郎は、ケガの完治を待ってから田中と共に伊勢駒部屋へ移籍する。伊勢駒部屋では怠けながらも出世し、十両・幕内に昇進。 懸賞の付く対戦には強さを発揮するものの、懸賞が付かないと消極的な相撲を取ることから「万年三役」「ごっちゃん力士」、勝ち越しと負け越しを交互に繰り返すことから「ムラ駒」、さらに相撲協会からは「100年経っても三役」と皮肉を言われる。ある意味「無気力な天才」タイプである。 血を見るのが苦手で対戦相手の流血を見た際に気が動転し、9割方勝っていた相撲を逆転され落としたこともある。 優勝回数6回(幕下3回、十両1回、平幕2回)。新入幕ながら初優勝の記録を持ち、蔵前国技館における最後の優勝力士でもある。 田中 清(駒田中 清) 声 - 塩屋浩三(テレビ版、OVA版共に) 秋田県大仙市刈和野出身、四股名は「駒田中(こまたなか)」。松太郎より先に雷神部屋へ入門していたが、体と気が小さいことが災いして出世できずにいた。極度の酒乱で、普段は内気・無口だが酒を飲むと人柄が豹変し松太郎ですら手に負えないほどである。大阪場所を控えたある日の夜に大阪市内で松太郎と飲酒し、宿舎の門限を破ったために締め出されたことに腹を立て、松太郎と騒ぎを起こす。翌朝、竜ノ川から事実を知って茫然自失となったが、これに激高した松太郎と兄弟子の大乱闘に巻き込まれ、重傷を負う。その後、雷神部屋を破門されたことから病院で自殺未遂を起こすが、松太郎に説得されて松太郎とともに伊勢駒部屋に移籍。その後、何度か酒が原因で失敗しながらも松太郎の後を追うように出世していく。 特技は将棋で、伊勢駒部屋移籍後は同部屋の力士が苦手とする対戦相手との取組を録画したビデオを多数所有しているほどの研究熱心。これをもとに松太郎にアドバイスをする。優勝回数2回(序ノ口、平幕)。 南 令子(坂口 令子、旧姓:南) 声 - 水谷優子(テレビ版)、佐久間レイ(OVA版) 松太郎が通っていた中学校の女教師。松太郎より5歳年上。酒に酔った松太郎に狼藉を働かれ、出身地で実家の材木店がある東京・両国に帰る。その後第三者と婚約するが破局となり、数年後に松太郎と再会。その場所(名古屋場所)で松太郎が優勝したのを機にプロポーズされ、結婚。元教師らしく松太郎を上手く操っており、南の実家においては松太郎も禁煙を余儀なくされている。 西尾 留次(西尾 勝也) 声 - 島田敏(テレビ版)、槐柳二(OVA版) 松太郎と同じく長崎県の廃坑の街に住んでいた初老の男。戦前から炭鉱労働者として働くが、原子爆弾投下で妻子を失う。炭鉱の閉鎖後は松太郎とともに廃坑から集めた屑炭を金に換えて暮らしていたが、足を痛めてからは生活保護を受けながら生活していた。角界入りした松太郎を頼って上京し、雷神部屋で居候として暮らし始める。松太郎の移籍後は一度故郷へ帰るものの、再び伊勢駒部屋に居候して雑用係を務める。博打・酒・女好きのだらしない性格で、よく松太郎と競輪・競馬へ出かける。 7巻では名刺に「(株)栄光社 西尾勝也」とあるが、26巻では西尾留次と紹介されている。 阿久津 五郎(駒ヶ嶽五郎) 神奈川県横浜市出身。松太郎と田中の後に伊勢駒部屋へ入門した弟弟子で、伊勢駒部屋の生え抜き力士。父親は漁師、兄は暴力団幹部、自身も少年院上がりで、通っていた中学校では停学・非行の常習犯だった。中学校を追われたことを機に相撲での更生を誓い、松太郎に激しい稽古を受けつつ、十両に昇進した田中の付き人を務めて、自身も順調に出世する。 周囲への気配りも上手だが、入門当初は松太郎の暴虐無人ぶりに散々振り回された。松太郎が右足骨折によって十両陥落後は、積年の恨みを晴らすかのように、稽古でしごいている。 伊勢駒親方の娘と仲が良く、将来伊勢駒部屋を継ぐのではと言われている。 青木 春夫 伊勢駒部屋の元力士。松太郎の十両昇進時に付き人となったが、体に恵まれなかったため三段目の上位で廃業。しかし好きな相撲界から去れなかったため、雷神部屋の床山から手解きを受け、伊勢駒部屋に床山として所属している。3児の父。妻はスナックに勤める「トシ子」で、家庭では尻に敷かれている。隠し芸が得意。 伊勢駒親方 声 - 佐藤正治(OVA版) 雷神部屋を破門になった松太郎の素質を惜しみ、雷神一門で自らが構える「伊勢駒部屋」に田中とともに引き取った。家族は妻と娘。部屋は小岩の江戸川堤防沿いにある。現役時代の四股名は「猪ノ川」で、松太郎の雷神部屋入門時に所属していた「関脇猪ノ川」の先代でもある。体に恵まれず、最高位は前頭9枚目だった。心配性で、松太郎の言動などですぐ気絶する。松太郎に秘められた才能を何とか引き出そうと、四股名を考えたり自ら稽古指導をしたりと苦心するが、なかなかうまくいかず、他の親方連中からは指導力不足呼ばわりされている。松太郎、田中に振り回されて気苦労が絶えることがないが、決して見放すことはしない心の広い人物。 島田 声 - 二又一成(テレビ版)、北村弘一(OVA版) 松太郎の中学時代の担任。やりたい放題の松太郎に手を焼きながらも、退学となった松太郎の就職先を探すなど、親身に世話をした。松太郎が角界入りした後も応援し続けるが、癌に侵される。その後、島田の余命が僅かだと感付いた松太郎が活躍したことで奇跡的に完治した。 金華山 伊勢駒部屋の力士。出身地不明。ソップ型で、松太郎・田中の入門時は豊川と並んで部屋頭だった。後編では十両。 豊川(豊ノ川) 伊勢駒部屋の力士。愛知県出身。あんこ型で趣味は絵画。高校時代に美術部に所属していた。後編では十両。 戸室(大戸室) 伊勢駒部屋の力士。豊川と同様のあんこ型で、特技は将棋。後編では十両。四股名は大戸室だが、一部で「戸室山」と書かれている。 大西 伊勢駒部屋の後援会長。本業は医師。松太郎の幕内昇進祝いにゴルフへ連れ出すが、松太郎の発案で無理に参加させられた賭博に敗れ、自身が所有していたBMWを奪われたり、酔った田中から「あんなのだって医者だ」と暴言を吐かれるなど苦労が絶えない。 トミ 声 - 中友子(テレビ版)、沼波輝枝(OVA版) 松太郎の母親。長屋住まい。実家近所の市場で乾物を中心とした食料品販売(主に紅生姜)を営んでいたが、後編は菊に手伝ってもらっている。 ツル子 声 - 千葉千恵巳 松太郎の妹で長女。のちに家庭教師をしていた森山なる人物と結婚して家を出た。 坂口 竹志 声 - 森下由樹子(テレビ版)、丸山裕子(OVA版) 松太郎の弟で次男。のちに雷神部屋に入門、幕下力士。若貴に続く兄弟そろった幕内力士になる可能性を示唆されていた。愛称はタケ。 百合、菊 声 - 下地紫野(百合)、美馬利恵子(菊) 松太郎の妹で、双子。百合は公務員になり、菊は母親の手伝い。 梅夫(修) 声 - 千葉千恵巳 松太郎の弟で三男。愛称はチビ。大学で考古学を専攻している。18・24巻では「修(しゅう)ちゃん」と呼ばれるも、27巻では梅夫と呼ばれている。 令子の母親 声 - 多岐川まり子(テレビ版)、山口奈々(OVA版) 松太郎の暴行未遂事件(アニメでは令子を巻き込んでのトラックでの暴走事件)以来、松太郎を快く思っていない。 令子の叔父 声 - 宮崎寛務 小料理屋「樽久」を営んでいる。
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