仲達一派
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仲達(ちゅうたつ) (声:家中宏)(演:山碕薫太 / 薫太) 本作品の最大の敵。生まれ持った「破凰の相」の概念の下、漢に戦乱を起こし、最終的に全てを滅ぼそうと企んでいる。 元は曹軍の武将で、曹純の急死により虎豹騎の将となる。その後、赤壁の戦いで曹操を裏切り、現在は漢の丞相となっている(赤壁の戦いで斃されたのは影武者)。 「雲体風身」の体術に加え、五虎神の全ての技や念体が使えるなど、凄まじい戦闘能力を誇る。その心の中は完全な虚無であるため感情の起伏がほとんど無いが、心中で嘲笑する描写が多い。無表情で全ての攻撃を無効化する術を使う(ただし虚空の攻撃は無効化しきれず)。 本作中に司馬仲達と呼ばれることがあった。なお、作中では二重引用符を用いた、“仲達”と表記される。 大幻(ダーファン)(演:Kimeru / - ) 仙人。元は左慈と同門の道士であったが、「破凰の相」に魅入られ、人類の破滅こそ仙道の極致であるとして暗躍している。 仲達と青龍に仙術を教えた男であり、漢を滅亡させようとする黒幕として描かれている。ただし、仲達と青龍を完全に操っているわけではなく、仲達に見限られ殺されることを恐れている描写もあるなどその関係は未だ不明な点が多い。 また、元武・シュアンとは実の兄弟。 虚空(こくう)(演:鷹松宏一 / 鷹松宏一) 仲達配下で五虎神と一線を画す強者。本作では呂布の弟。ライ・ラン兄妹の叔父にあたる。盲目ではあるが、大気の振動や氣から敵を認識できる「心眼」を持つ。 赤壁の戦いでは圧倒的な力で志狼を追い詰めるも、真澄の力による降雨で形勢を逆転されて敗れる。 初登場時は物腰柔らかな青年として登場していたが、志狼との対戦時には圧倒的な風格を持ち、「ワシ」と一人称が変化するなど変化が見られる。 初期のころは五虎神最強の男などという肩書きが所々に見受けられた。しかし、赤飛虎・黄尸虎・白冥虎・黒瘴虎・青竜の五虎神が出揃って以降は、五虎神には数えられずに別格の存在として扱われていることもあれば、「五虎神の中でも〇〇できたのは虚空だけ」と五虎神扱いされることもあり、設定に迷走が見られる。 志狼と対戦するまで仲達に完全に忠実な部下であった。これは心中に埋め込まれた呪縛によるものである。しかしその後、呪縛の力が弱まり、自らの意思で行動している描写がある。 妖将・李傕に対する殺害について仲達や赤飛虎が驚いている描写があり、志狼もそのことを虚空の意思によるものと疑っている。 仲達に対する態度も、仲達様から仲達公へと変わり、その命をつけ狙うことを再開している。 作中では呂布が曹操に敗れる数日前に、城内で呂布と戦い倒し深手を負わす。 赤飛虎(せきひこ) (声:沢海陽子) 仲達配下で五虎神と称される部将の1人。 大気の刃を放つ「空破山」のほか「阴刀術」を得意とする。また暗示も得意で、長坂で志狼と戦闘になった際、志狼に暗示をかけて「破凰の相」の種を埋め込んだ。現在はその暗示の能力を活かして陰謀工作を担当している。 作中、仲達の情婦をしている描写がある。 黄尸虎(おうしこ) 仲達配下で五虎神と称される部将の1人。「双天戟」という槍を用いて戦う。その正体は、趙雲の父親の同門・黄順の操る鎧人形。大病を患った黄順が鎧と死んだ武将の遺髪を依代として使役している。しかし、この病は大幻と仲達によって仕組まれたものだった。 張飛に匹敵する怪力、趙雲と互角の槍術、馬超と同様の神速の攻撃ができるなど、武力については五虎神最強と仲達が認める。また、一切の攻撃が本体に伝わらず、不死身である(しかし、その分槍術の力が落ちてしまう)。 『匈奴編』では幾度となく志狼と一騎討ちを繰り広げるも、最終的に第三関城の攻防戦で敗れる。この時、黄順が本来の槍術の力を発揮するため、自分の意識を黄尸虎と融合させたために痛みが黄順にも伝わり、黄順は命を落とした。五虎神の中で最初の死亡者である。 黒瘴虎(こくしょうこ)(演: - / 吉岡佑) 仲達配下で五虎神と称される部将の1人。黒装束を纏い、顔を包帯で覆っている。その正体は黄巾の乱の主導者・張角。 「影斬り」や黒糸の操作など、暗殺技術に長けている。また、仙術武具の1つ「乾坤圏」も使える。自分たち黄巾族がなしえなかった国の変革をなしえるかもしれない志狼や真澄たちに対し、激しい嫉妬と敵意を抱いている。 『中原繚乱編』にて、妹を失ったライの逆鱗に触れ、自分で仕掛けた黒糸の罠を逆に利用されて敗北、断末魔の叫びを上げながら毒死した。死に際の断末魔によってライからは犬畜生と変わらないと吐き捨てられた。 白冥虎(はくめいこ) 仲達配下で五虎神と称される部将の1人。 生きた人間の心臓を抜き取り、代わりに「符心臓」と呼ばれる仮の心臓を与えることで人物を操る能力を持つ。また寄生虫や毒に関する方術にも通じている。 五虎神の中では最後に志狼と直接対峙する。 青龍(せいりゅう) 仲達配下で五虎神と称される部将の1人。治癒の力を持ち、許昌では皇宮官吏を務めている邵何(しょうか)という人物。 『匈奴編』ではグエンに暗示をかけることで匈奴同士の戦争を引き起こすことに成功する。体術もかなりの腕を誇り、摩牟や呼厨泉、志狼を撃破するも、黄尸虎の双天戟を用いた趙雲に敗れる。その後密かに許昌に帰還し、傷を癒している。 心臓を貫かれても死ぬことがなく、一時的に動きが止まるだけという驚異的な肉体を持つ。また、氣を消したまま闘うことができるため、あらゆる仙術に対して優位性を持つ(ただし、動揺すると「鬼氣」が流れてしまうようである)。本人いわく治癒の力を有しており驚異的な回復力はそれによるもの。また、触れるだけで相手に対して治癒の力を流し込み、過剰な治癒力で体を自壊させるなど攻撃にも使える。 「青龍」という男性であると同時に、「鳳凰」という女性でもあるなど、五虎神の中で最も謎めいている人物であったが、その正体は秦末期に前漢の祖・劉邦と天下の覇権を争って敗れた項羽の妻で、不死の力を持つ虞姫であった。 真澄の救出に駆け付けた張飛を一度は殺害するも、張飛の攻撃で短時間に何度も致命傷になる傷を負い、治癒を繰り返したために再生するべき血と肉が枯欠してしまい、治癒が出来なくなってしまったことにより、蘇った張飛に倒される。 初登場時(五虎神揃い踏み)の影絵でのイラストや口調などは、かなり異なっていた。 仲達の影武者(ちゅうたつのかげむしゃ) 赤壁の戦いにおいて曹軍と志狼と戦った仲達の影武者。 その正体は僵尸鬼。凄まじい戦闘力を誇り曹操も志狼も影武者と見抜けなかった。 本物の仲達に比べ感情の起伏が激しいなどの特徴がある。 「乾坤圏」により邪気を破られ絶命する際に仲達を止めるよう志狼に託す。作者によれば本物の仲達の非常に近しい人間であったらしい。 ライ 呂布の遺児。父を殺した曹操に恨みを抱く。張遼の養女となっているランとは実の兄妹である。 呂布の死後、叔父の虚空によって育てられる。ランとは異なり虚空のことは然程恨んではない様子。 この時代の本来の「天運の相」の持ち主であり、武の資質は志狼と同等、基礎能力と熟練度の差により実際には志狼を遥かに上回るほどの戦闘力を誇る。 志狼同様、体格には恵まれないため手技よりも足技主体で戦うスタイルであり、その蹴り技は神業の域に達している。 志狼との初戦では途中まで圧倒するも念体を受け敗北、捕縛されるが脱走。 太史享の策で襄陽城の城門を抑えられ、妹のランが人質にされた際、助けに入り、逆上して襲いかかって来た太史享を殺す。 実は仲達に対して忠誠を抱いているわけではなく、最終的には仲達をも倒して自身が漢の皇帝となることが目標。そのため同じ「天運の相」を持つ志狼に対しても激しい敵愾心を燃やしている。 虎豹騎 基本的には演義にもとづく。元は黄巾党の精鋭であり、一兵が百兵に匹敵するともいわれる武人達。曹操に服属していたが黒障虎(張角)の命令により反旗を翻す。仲達に忠誠を誓い、信仰心から死を恐れない戦いを行う。痛みや恐怖を感じない強さの秘密は、戦いの前に吸引している麻薬によるものであった。ただし空破山をかわせないなど、五虎神クラスに対しては一撃で倒されることも多い。その後は仲達の主力兵として活動していたが、漢軍と曹操との戦いのときに仲達が反旗を翻した際の作戦が失敗したこともあり、精鋭50を除き壊滅している。 虚空衆 虚空やライの直属の配下。兵卒すべてが氣を読む術を習得しているなど実力は虎豹騎や竜騎兵を上回り、張郃にも手強い兵と言わしめたほど。ただし実戦経験を欠くため、関羽や張飛、馬超と言った猛者にはそこを突かれて全く歯が立たなかった。最終的には鳳凰の命で真澄を逃がさないように囲っていたことが仇となり、怒りを買った張飛に相当数を倒され、残った兵も敗走中に漢軍に捕捉され、既に仲達が賊軍となっていたことが知れ渡っていたことから、馬超の命を受けた漢軍の総攻撃を受けて壊滅。志狼追尾の命を受けていたごくわずかな生き残りしかいないと思われる。 石柳 虎豹騎の元部隊長。仙術を身に付けた志狼と初めて戦い敗れた。柳の体術を用い蓮花を圧倒するが、志狼の雲体風身には全く通じず技を盗まれ敗走する。さらに仲達に使い捨ての道具として殺害され、死した後まで道具にされるなど悲惨な目にあうが、自らも敵を悶死させてきた過去がある。 冒頓(ハン) 元は匈奴の戦士で、後に仲達の忠実な配下になる。雲体風身を会得し僵尸鬼並の怪力を持った剣術を得意とする。一方で術策にも通じており、勝利のためならばいかなる手段も問わない面も見せる。仲達の鬼神の武力を信望し、最後は戦士の誇りを失ってまで志狼を倒そうとした。 王炎 虎豹騎の副将。怪力を用いて五人を同時に大刀で倒す実力を持つ。蔡瑁に致命傷を負わせた。志狼は、病を使った術策を用いた副将としての彼を許せず、非情に徹して殺害した。
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