ファフナー関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 08:03 UTC 版)
※ファフナー自体については別項で詳述する。 ジークフリード・システム 分離統括型全ファフナー指揮管理システム。当初は皆城総士が担当。本体はアルヴィス内に据え置かれ、フェストゥムの読心を防ぐために、思考防壁を張って、搭乗者とファフナー搭乗者の脳の皮膜神経を直接接続(クロッシング)し、意思疎通を行う。搭乗者にはファフナー搭乗者のあらゆる感覚や全体の戦況情報など膨大なデータが供給されるため、適格者以外は極度の酩酊状態になる。なお、ザルヴァートルモデルやノートゥングモデル以外のファフナーの場合は、シナジェティック・コードを発現しないためにクロッシングは不十分になる。また搭乗者を護るため、機体との痛覚の同調を強制的に遮断するベインブロックやコクピットブロックの強制射出、およびパイロットから各ファフナーの機体のコントロールや使用武器を剥奪・凍結・使用不能にすることも可能である。物語中盤から後期にかけての7機(ザイン・ドライ・フュンフ・ジーベン・アハト・メガセリオン・ベイバロン)が稼動されたが、最大12機のファフナーとの同時接続が可能となっていた(パイロット候補生の芹・広登・暉らなど)。そのため適格者は限定され、皆城総士の存在が前提の上で、稼動できるシステムだった。さらにこの分離型では、あくまで防衛前提の、しかもシステムの効果が及ぶ範囲内でしか運用できない。情報解析を一手に引き受ける分だけ、各パイロットへの負担は激減させられたが、その負荷と副作用をシステム搭乗者が全て負うことになり、総士は後で各パイロットが戦闘で受けたダメージの、フラッシュバックの発作に襲われることになった。名前の由来は、英雄ジークフリートから。 また、ファフナー搭載前提のコンセプトで開発された、一体型相互扶助タイプについては、後述のティターンモデルやゼロファフナー試作機などでパイロットに過度の負担が掛かったため、搭載は見送られ現在の形となった。しかし、後に真壁紅音 / ミョルニアによってもたらされた情報によって同化現象をほぼ完全に防げるようになったため、蒼穹作戦では4機のファフナーに分割搭載された。これによって搭乗者相互の通信が可能となったが、『全員が互いの痛みを共有する』、『1機の動作不能によってシステムがダウンしてしまう』という2つの欠点が浮上し、さらに運用が常にこの4機での作戦(クロスドッグ)のみに限定され、機体の増減ができないという別の新たな欠点を持つようになった。 劇場版では総士の不在とシステム適格者の代理が選出できなかった関係(適性があった剣司はファフナー搭乗が専門のため当初は搭乗不可能)で修復された機体も含めて各機体に内蔵される形になっている。改良によって機体数の増減や機体の変更による出撃の弊害は解消された。 『EXODUS』においては、皆城総士の復帰によって再び分離統括型全ファフナー指揮管理システムとして復活したが、総士がマークニヒトに搭乗するようになって以降、近藤剣司がシステム搭乗を担当する(システム適正があるという設定自体は1期の小説版から示されていた)。カノンが遺したエインヘリアルモデルへの改修案で負荷が軽減されたこともあり、第一次蒼穹作戦時に内蔵された物を改良してマークアハトに搭載。剣司はファフナーパイロットに加えてジークフリードシステム搭乗者と無人機制御の3役を同時にこなすこととなった。なお、将来的には鏑木彗が引き継ぐ予定となっている。 『THE BEYOND』においては第五次蒼穹作戦までは剣司が搭乗していたが、三年後には当初の予定通り彗がシステム搭乗者となる。 ニーベルング・システム 指輪状の操縦桿。10個のリングに指をはめるとジークフリード・システムに直結されファフナー本体も起動する。小説版および『EXODUS』では、使用後に小規模な同化現象によって手に指輪の跡が残る描写があり、その跡は歴戦のパイロットの証とされる。名前の由来は『ニーベルングの指環』からである。 シナジェティック・コード ファフナーと搭乗者の精神連結をするため形成されなければならない脳の状態。ノートゥングモデルに搭乗した際に最重要となるもの。成人はコード形成が難しくなるため、必然的にパイロットの多くが10代の少年少女となった。 シナジェティック・スーツ ファフナー搭乗者の戦闘服。機体との連結率を上げる働きがある。ノートゥングモデル搭乗者は両肩・両脇腹・両膝にコネクトを打ち込むため、あらかじめその部分に布地はない。男性用は灰色、女性用は桃色を基調としている。着ていないからといって搭乗出来ないわけではないが、着用していないとコネクトを打ち込む際の激痛を軽減出来ないので、絶叫するほど痛い。劇場版以降はダークブルーを基調としたものに新調され、男女の別はその濃淡(男性用は黒に近く、女性用は青に近い)で区別するようになった。 スレイプニール・システム ファフナー無人機の管制システム。ファフナーをホスト機とし、無人機のトルーパー・モデル4機を操作する。当初はマークドライのみだったが、のちにマークアハトにも搭載。 変性意識 ティターン・モデルおよびノートゥング・モデルに搭乗したパイロットに起こる、心の変化。フェストゥムには読心能力があるため、変異意識で思考の防御を築くという効果もある。 搭乗者の心境や境遇の変化で変性意識自体が変質するケースもあり、要咲良と立上芹の両名が特に顕著である。なお、人類軍製のファフナーでは技術不足のためにシナジェティック・コードも含めて大きな変化はなく、『EXODUS』の時点でコア搭載型が配備されるようになってもそれは同様。 フェストゥム因子 / MAKABE因子 アルヴィスの子供たちは、生まれながらに遺伝子にフェストゥム因子を組み込まれており、その効果によりファフナー・ノートゥングモデルへの搭乗を可能としている。その影響として、それぞれ天才症候群(サヴァン・シンプトム)の兆候を有する。一方でフェストゥム因子の植え付けには非常な危険も伴い、フェストゥム因子移植第1世代は多くが早世し、成人したのは由紀恵・弓子・道生らごく少数に留まる。その後の世代でも問題は完全に解決されず、フェストゥムへの同化現象が起きる場合があり、総士が一騎によって片目を失うことになったのも、これが原因であった。 しかし脳の成長過程を過ぎれば、例えこの因子を先天的に移植された人間でも1期時点の人類軍製ファフナーの搭乗は20代半ばが限界であり、ノートゥング・モデルやザルヴァートル・モデルなどのコア搭載型ファフナーの場合はファフナーとの一体化を促す因子の増強剤を投与しなければ搭乗が出来ない。増強剤の投与は同化現象が深刻化したファフナー搭乗者が再度搭乗するために投与されることもあり、片目を失明した一騎がその実例である。後天的な移植も可能であり、カノンは自らの意志で半ば強引に因子を移植している。 ミョルニアからもたらされた情報によって、同化現象の問題はかなりの解決がなされたが、まだ完全ではなく、一騎に関してはなおも生命の危険を抱えた。 『EXODUS』においては、人類軍のパイロットに真壁一騎から取り出された遺伝子を元に特効薬が開発され、一騎の名にちなんでMAKABE因子と名付けられ、後天的な移植が行われた。これによりノートゥングモデル同様のコアを搭載したファフナーへの搭乗を可能としたが、一騎同様に何らかの生命にかかわる障害発生が予測されるとともに、竜宮島出身者と比較しても適性は足りず、ザルヴァートル・モデルには同化されてしまうため搭乗・操縦はできない。MAKABE因子は、人類軍では一騎がファフナー開発に協力した一環の成果ということになっているが、実際には一騎がモルドヴァで捕虜となった際の検査で採取された血液などのサンプルが基地壊滅時に持ち出されたものと思われる。 同化現象 ファフナーの最大のリスク。フェストゥムの因子を移植されたパイロットがコアを搭載したファフナーに搭乗する際、コアとの共鳴で因子が増大して染色体が変化する。ファフナーの搭乗が長いほど深刻化し、最終的には肉体が結晶化して砕け散る。 アルヴィスおよびMAKABE因子を移植された人類軍パイロット共に搭乗後には同化現象の拮抗薬の投与が必要不可欠であり、第1期時点ではまだ研究途中であったためにある程度遅らせることは出来ても、拮抗薬の開発には至らなかった。また、第1期終盤で咲良が倒れた際の症状でさえも比較的初期段階であり、初期症状の特徴としては搭乗者の目が赤く変色することで判断可能。L計画実行時点では同化現象の抑制さえままならず、パイロット達の大半は戦闘ではなく同化現象で死亡している。後に人類軍でもコア搭載型の配備に伴って拮抗薬の開発に成功している。 同化現象の進行速度は機体によって異なり、ゼロファフナーとティターン・モデルの場合はジークフリード・システムとの二重負荷でノートゥング・モデルより遙かに上で、装甲にシリコンが使われているザルヴァートル・モデルは更にその上を行く。エインヘリアル・モデルはその機体コンセプトからノートゥング・モデルよりも更に同化現象が抑えられ、人類軍のコア搭載型の1/10以下にまで防がれている。 パイロットの同化現象の耐性は個人差があり、一騎の場合は高い耐性を持ちながらも同期の中で最も長くファフナーに搭乗した上に進行が早いマークザインへの搭乗が原因で同化現象が深刻化し、逆に一騎より耐性が低い咲良は一騎よりも先に同化現象で倒れた。基本的にこの症状に襲われたパイロットは身体機能を含めて日常生活においても支障を来し、抜群の運動神経を誇った一騎と咲良は大きく身体能力が衰えている。 同化促進剤/拮抗薬 同化促進剤はファフナーとの一体化を促す薬であり、一期では日野道生がファフナー搭乗の限界年齢によるハンデを解消するために投与し、一騎も同化現象による身体能力の衰えでファフナー搭乗が困難になったために投与した。 シナジェティック・コードの形成が困難になったもしくは身体的なハンデを一時的に解消してファフナーへの搭乗を行うが、深刻な同化現象を起こす副作用がある。 拮抗薬は別名アクティビオン。当初は緩和薬と呼ばれていた。紅音からもたらされたデータで開発が適い、第一次蒼穹作戦前にパイロット全員に投与された。その後、更に改良が重ねられて第五次蒼穹作戦時にはジークフリード・システムにもオプションとして搭載され、戦闘中に搭乗者が投与をすることも可能。 電池切れ ファフナーパイロットとしての寿命の比喩表現。元々は一期でミツヒロ・バートランドがアルヴィスの子供達を『ファフナーを動かすための電池』と侮辱したことが『電池』という表現の始まり。 後に咲良が同化現象で倒れ、それを見て悲嘆した剣司が『自分達はファフナーを動かす電池であり、咲良が電池切れ』と称した。 『EXODUS』時点ではその表現が子供達の間で使われ、一騎や咲良が自分を『電池切れ』と称している。しかし、一騎達はその『電池切れ』を承知でパイロットに復帰して自分の身体を酷使している。 ファフナー搭乗は十台半ばが最盛期で、どんなに長くとも通常は二十代の半ばまでしか搭乗できない。そうした年齢限界に達したパイロットも電池切れと同じである。※『EXODUS』に登場したナレイン大将は身体改造の影響で壮年でも人類軍製のファフナーに搭乗できているが、これはイレギュラー(例外)。またフェストゥム化した人間(或いはフェストゥムそのもの)がファフナーに搭乗した場合、当然こういった年齢的制約は存在しない。
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