社会保障 日本の社会保障

社会保障

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/24 05:43 UTC 版)

日本の社会保障

日本の社会保障給付費の推移[10]
年度 金額 国民所得比
1980年 24兆7736億円 12.15%
1985年 35兆6798億円 13.69%
1990年 47兆2203億円 13.61%
1995年 64兆7243億円 17.54%
2000年 78兆1191億円 21.01%
2005年 87兆7827億円 23.99%
2009年 99兆8507億円 29.44%
2012年 109兆5000億円
2020年
(2012年の予測[11]
134兆4000億円
2025年
(2012年の予測)
148兆9000億円
日本の社会的支出(兆円)。緑は医療、赤は年金、紫はその他[12]

財政規模は毎年約3兆円程度増え続けると予想されており、2025年度の社会保障給付費は141兆円(国民所得比26.1%)に達するとの見通しである(「社会保障の給付と負担の見通し」(2006年5月厚生労働省推計)の「並の経済成長」のケースによる)。

日本では、かつては細川内閣が国民福祉税を構想していた。2012年には消費税法改正において社会保障と少子化対策に用途が規定された。日本が社会保障による慢性的な財政赤字に陥る要因となったのは1969年12月21日に 日本社会党日本共産党、左派団体の支援を受けて東京都知事に当選した美濃部亮吉が増税など支給に対する財源の負担を求めずに高齢者の医療費負担の全額無償化を行ったことだった。これ以降、高齢者の医療費無償を求める左派ポピュリズム運動が起きて、左派組織の支援を受けた候補が当選が増加する[13][14][15][16][17][18]1973年1月1日に第33回衆議院議員総選挙での敗北と左派政党の増進への危機感から、財源と財政から継続不可と反対のあったが、内閣総理大臣田中角栄の主導で、70歳以上の老人医療費の無料化が実施された。高齢者の無償のための医療費負担は、国が3分の2で地方自治体が3分の1を負担することになった[14][15][16][17]。同年7月 に美濃部都知事は国の無償制度の対象外だった、都内の65歳以上70歳未満の医療費も無料化する「マル福」制度を開始する。さらに、高齢者の東京都交通局が運営する運賃無料化というバラマキ政策や多額の税収を産んでいた公営ギャンブルである後楽園競輪場を1972年10月26日から廃止していた上に東京都は増税せずにバラマキをするポピュリズム政策の連発で東京都は財政赤字に陥る[14][15][16][17]1974年に 前1973年10月の第1次石油危機で高度経済成長が終了して、日本は戦後初のマイナス成長と増税なしの高齢者医療費無償という過剰な高福祉の社会保障支出で大幅な歳入不足の財政赤字になって以降から赤字国債を発行することになる[14][15][16][17][19]1975年12月に歳入不足のため、補正予算にて財政法で禁じている赤字国債を2兆3000億円分発行する。のちに内閣総理大臣となる当時の大平正芳大蔵大臣は「子孫に赤字国債のツケを回すようなことがあってはならない」と決意する。首相就任後は何度も消費税の導入を図るが、1980年に選挙運動中に死亡する。以降も消費税を訴える度に反対する野党に自民党は敗北したため、1989年まで導入されずに増大する高齢者への社会保障支出のためにその後の日本の国債依存財政が始まる[20][17][15][19]1979年第35回総選挙において大平正芳首相が一般消費税(税率5%)の導入を打ち出すが、自民党が過半数割れに追い込まれる大敗を喫する[19]1987年に中曽根首相は「大型間接税」ほどの包括性をもたない「新型間接税」であるとして売上税法案(税率5%)を国会提出。しかし、第11回統一地方選挙で自民党が敗北したため、廃案で与野党合意[21]1988年に導入論議から約20年後の竹下内閣時に消費税法が成立。12月30日公布[22]1989年4月1日に消費税法施行 税率3%で導入された。1994年2月 細川内閣にて細川護煕首相が、消費税を廃止し税率7%の目的税「国民福祉税」を導入する構想を発表するが、担当となる閣僚を含めた政権要人からも反対論が上がり、即日白紙撤回。11月25日に村山内閣で3年後の1997年、に消費税等の増税(3%から5%に増税、うち地方消費税1%導入)のための税制改革関連法案[23]を成立[24]1997年村山富市首相が成立させた法案に基づき、橋本内閣が実施した[24]

2017年の日本の社会保障費は歳出の33.3%を占め、約33兆4000万円が支出されている。社会保障費の内訳では、高齢者関係給付が圧倒的多数を占め、逆に児童・育児家庭分野などの割合が低い。日本は世界の全世代型福祉国家と比べて、社会保険など現役世代に大きく重い負担させて高齢者にのみ年金、医療費、介護費への手厚く多額の社会保障費が支出されている。ここ数年は保育所など子育て世代への割合を増やしているが、社会に必要な子育て世代よりも高齢者世代に対してアンバランスな税金分配されてきたことが少子高齢化の原因になっている[25][26]


  1. ^ a b c d OECD Social Expenditure Statistics (Report). OECD. (2011). doi:10.1787/socx-data-en. http://www.oecd.org/els/soc/expenditure.htm. 
  2. ^ glossary of statical terms -SOCIAL SECURITY SCHEMES”. OECD. 2015年3月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 片山 信子 (2008-10). “社会保障財政の国際比較 : 給付水準と財源構造”. レファレンス (国立国会図書館) 58 (10): 73-103. 
  4. ^ glossary of statical terms -SOCIAL SECURITY FUNDS - SNA”. OECD. 2015年3月1日閲覧。
  5. ^ glossary of statical terms -SOCIAL INSURANCE SCHEMES”. OECD. 2015年3月1日閲覧。
  6. ^ OECD 2014, pp. 29-30.
  7. ^ European Social Statistics - Social protection Expenditure and receipts - Data 1997-2005 (Report). 欧州連合. (2008-01-24). http://ec.europa.eu/eurostat/en/web/products-statistical-books/-/KS-DC-08-001. 
  8. ^ 日本経済新聞社編 『やさしい経済学』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、179-180頁。
  9. ^ 松井和子「イタリアの医療制度改革」、『海外社会保障情報』第85巻、国立社会保障・人口問題研究所1988年12月
  10. ^ 社会保障費用統計 (Report). 厚生労働省. (2013年12月6日). 
  11. ^ 社会保障給付費、25年度に149兆円に 厚労省推計”. 日本経済新聞 (2012年3月30日). 2017年10月31日閲覧。
  12. ^ 社会保障費用統計, 厚生労働省
  13. ^ 小児科 医師不足を加速させている小児医療費無料化政策に強く抗議し 条例の撤廃を求める・・・:医療経営財務協会ホームページ
  14. ^ a b c d <1960~70年代>  キーワード:「“老人医療費無料化”がもたらしたもの」NHK
  15. ^ a b c d e 高校無償化で「バラマキ教育」の競争が始まる
  16. ^ a b c d 柏市議会議員 上橋泉 柏市政研究会 http://www16.plala.or.jp/kamihasi-izumi/kouki_kourei.htm
  17. ^ a b c d e 老人医療無料化制度の形成 と国民医療費呉 世榮
  18. ^ もう失敗できない」都知事の間違えない選び方 明大教授・元都副知事 青山佾
  19. ^ a b c 正々堂々と消費税導入を掲げて選挙に負けた男 あまりにも軽くなった政治家の言葉 | JBpress(日本ビジネスプレス)
  20. ^ [1]「佐藤優氏 消費税導入で日本の社会民主主義の矛盾が露わに」
  21. ^ 鄭子真 "中曽根内閣と消費税 : 導入失敗の過程" 大阪大学大学院国際公共政策研究科紀要論文 国際公共政策研究 vol.14 no.1 pp.191-205 2009年9月
  22. ^ 鎌倉治子 2008.
  23. ^ 第131回国会概観 参議院
  24. ^ a b 消費税5%への決定 村山富市 元総理大臣 2010年9月1日 日本記者クラブ
  25. ^ https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171114-00196208-toyo-bus_all&p=2
  26. ^ https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171114-00196208-toyo-bus_all&p=1


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