しゃかいほけん‐しんりょうほうしゅうしはらい‐ききん〔シヤクワイホケンシンレウホウシウしはらひ‐〕【社会保険診療報酬支払基金】
社会保険診療報酬支払基金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/10/04 21:03 UTC 版)
|
|
このページの名前に関して「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」への改名が提案されています。
議論はこのページのノートを参照してください。改名の議論中は本文先頭の主語を書き換えないでください。(2026年10月) |
| 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構 | |
|---|---|
| 正式名称 | 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構 |
| 英語名称 | Japan Healthcare Payment & Digital Transformation Services |
| 略称 | DX審査支払機構 |
| 組織形態 | 特別民間法人 |
| 所在地 | 〒135-0061 東京都江東区豊洲二丁目1番9号 豊洲セイルパークビル7・8階 |
| 法人番号 | 3010405002439 |
| 人数 | 職員4,434名(平成26年度末) |
| 理事長 | 樽見英樹 |
| 目的 | 診療報酬請求書の審査など |
| 設立年月日 | 1948年(昭和23年)9月1日 |
| 所管 | 厚生労働省 |
| 拠点 | 審査事務センター |
| ウェブサイト | https://www.ssk.or.jp/ |
社会保険診療報酬支払基金(しゃかいほけんしんりょうほうしゅうしはらいききん)は、社会保険診療報酬支払基金法に基づき、医療機関から提出された診療報酬請求書の審査および保険者(全国健康保険協会、健康保険組合など)から医療機関への診療報酬の支払仲介を目的として設立された特別民間法人である。
なお、国民健康保険においては国民健康保険団体連合会が同等の役割を果たしている。
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法について、以下では条数のみ記す。
設立経緯
ユニバーサルヘルスケア制度の下、生活保護の受給者など一部を除く国民は被用者保険(社保)または国保いずれかの公的医療保険に加入していて、保険医療機関での診察などに係る費用は、患者が保険医療機関の窓口で一部負担金を支払い、残りの額は保険者から各保険医療機関へ支払がなされる。
このとき、支払基金の創設以前は、審査は保険医指導委員会が、診療報酬の支払事務は社会保険協会・健康保険組合連合会支部が受け持っていた。しかし、関係する複数の団体間の法的責任が必ずしも明確ではなく、一部で深刻な支払遅延も生じたことから、診療報酬の審査・支払を一元的に請け負う機関の創設が必要となった。こうして昭和23年の第2回国会で社会保険診療報酬支払基金法が成立し、社会保険診療報酬支払基金の業務が開始された。設立当初は特殊法人であった。
医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)により、令和8年10月1日より名称を「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」に変更される。
管掌業務
機構は、患者に対する良質かつ適切な医療の確保その他の国民の保健医療の向上及び福祉の増進に資する情報、医療機関等(病院若しくは診療所若しくは薬局又は指定訪問看護事業者をいう。)及び保険者(全国健康保険協会若しくは健康保険組合、都道府県及び市町村若しくは国民健康保険組合、後期高齢者医療広域連合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。)における業務運営の効率化その他の医療の効率的な提供に資する情報並びに医療に要する費用の適正化に資する情報について、これらの情報の収集、整理及び分析並びにその結果の活用の促進並びにこれらのための情報基盤の整備及び運営に関する事務を行うとともに、保険者が医療保険各法等の規定に基づいて行う療養の給付及びこれに相当する給付の費用について療養の給付及びこれに相当する給付に係る医療を担当する者に対して支払うべき診療報酬の迅速適正な支払を行い、併せて診療担当者から提出された診療報酬請求書の審査を行うほか、保険者の委託を受けて保険者が医療保険各法等の規定により行う事務を行うことを目的とする。(第1条)。
機構は、診療報酬請求書の審査における公正性及び中立性の確保を通じた国民の保健医療の向上及び福祉の増進、診療報酬請求書情報等の分析等を通じた国民の保健医療の向上及び福祉の増進並びに医療費適正化、情報通信の技術の活用による業務運営の効率化の推進並びに業務運営における透明性の確保に努めるとともに、医療保険制度の安定的かつ効率的な運営に資するよう、国民健康保険団体連合会と有機的に連携しつつ、診療担当者に対する診療報酬の適正な請求に資する支援その他の取組を行うよう努めなければならない。(第1条の2)。
審査業務
各保険医療機関から提出された診療報酬請求書(レセプト)の適否を審査する。保険医療機関等において行われた診療行為が、保険診療ルールに適合しているかどうかを確認する行為である。
- 各支部ごとに審査委員会を設け、審査委員会の委員は、診療担当者を代表する者、保険者を代表する者及び学識経験者のうちから、定款の定めるところにより、それぞれ同数を理事長が委嘱する。この委嘱は、診療担当者を代表する者及び保険者を代表する者については、それぞれ所属団体の推薦により行わなければならない(三者構成、第19条)。機構の理事又は審査支払運営委員は、審査委員会に出席して、審査に関して意見を述べ、必要ある場合には、審査の内容につき説明を求めることができる(第20条)。審査委員会は、診療報酬請求書の審査のため必要があると認めるときは、厚生労働大臣の承認を得て、当該診療担当者に対して出頭及び説明を求め、報告をさせ、又は診療録その他の帳簿書類の提出を求めることができる(第21条)。
審査で確定した診療報酬額を、医療機関に代わって保険者へ支払請求する。
支払業務
- 保険者→医療機関の支払の媒介
- 保険者から診療報酬の払込みを受ける。
なお、支払業務を迅速に行うため、実際には前もって先に保険者から一定の概算金額の委託を受けておく。 - 保険者から受け取った診療報酬を、各医療機関へ支払う。
- 介護保険関連事務
- 保険者から、介護保険料の払い込みを受け、各市町村に分配する。
- 後期高齢者関連事務
- 保険者から、後期高齢者支援金・後期高齢者関係事務費拠出金の払い込みを受け、各後期高齢者医療広域連合に分配する。
- 出産育児一時金関連事務
- 直接支払制度に基づき、医療機関等は出産育児一時金等に係る請求書を用いて、支払機関を通じ保険者へ請求することとなり、保険者は支払機関を通じ医療機関等へ支払うこととなる。
オンライン資格確認・データヘルス等業務
- 全国医療情報プラットフォームの構築に向けた取組
- 電子カルテ情報共有サービスの全国運用開始、医療DX関連システムとのクラウド間連携開発の取組、PMH医療費助成システム等の移管、PMH関連システムへの対応及び電子処方箋管理サービスの開発・運用を行う。
- 医療等情報の二次利用の抜本的強化
- レセプトデータ等の研究者等への提供の支援、保険者のデータヘルスへの貢献及び保険者協議会への参加による地域の医療費適正化への具体的な貢献等がある。
- 医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システム等の安定的な運用
- 安定的な運用に向けたシステム改修等、保健医療情報の提供の充実及び医療DXの取組に関する保険医療機関等への支援を行う。
- オンライン資格確認等
- オンライン資格確認等システムの運用を行う。オンライン資格確認等システムを基盤として、処方箋の運用を電子的に行うとともに、処方情報及び調剤情報を電子的に管理し、医療機関・薬局間で連携する全国的な仕組み電子処方箋管理サービスの運営を行う。
組織
東京都に本部があり、 本部の下に中核審査事務センター及び地域審査事務センター並びに地域審査事務センターの分室がある(第3条、定款第43条第1項及び第2項並びに附則第8条、別表第3)。
機構に機構の業務の方針を決定する機関として運営会議を置く(第8条第1項)。
- 運営会議の委員は、次に掲げる者から選任するものとし、その数は、それぞれ当該各号に定める員数以内とする(第8条第2項)。
- 1 保険者を代表する者 3人
- 2 診療担当者を代表する者 3人
- 3 被保険者を代表する者 1人
- 4 地方公共団体を代表する者 1人
- 5 保健医療又は保健医療に係る情報システムに関して高い識見を有する者その他の学識経験者 1人
- 運営会議の委員のうち、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者、被保険者を代表する者及び地方公共団体を代表する者の選任にはそれぞれの所属団体、連合会並びに都道府県知事、市長及び町村長の全国的連合組織の推薦(第3号にあっては共同推薦)によるものとする(第8条第3項)。
- 一月を下らない期間を定め、その期間内に、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者、被保険者を代表する者及び地方公共団体を代表する者につき、候補者を推薦することを、それぞれの所属団体、連合会並びに都道府県知事、市長及び町村長の全国的連合組織に求めるものとする(第8条第4項)。
- 委員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない(第8条第5項)。
- 厚生労働大臣は、委員が、法令若しくは定款又は第39条に規定する命令に違反したときは、機構に対し、その委員を解任すべきことを命ずることができる(第8条第6項)。
- 厚生労働大臣は、機構が第8条第6項の規定による命令に従わなかったときは、その委員を解任することができる(第8条第7項)。
機構に役員として、理事長、審査支払運営委員、理事及び監事を置く(第11条第1項)。
機構は、定款の定めるところにより、第28条第1項に規定する医療情報化推進業務を担当する理事(第13条第1項及び第15条第2項において「医療情報化推進担当理事」という。)を置くことができる(第11条第2項)。
- 理事長及び理事は、運営会議が選任する。ただし、医療情報化推進担当理事を置く場合にあつては、運営会議は、情報通信の技術に関する高度かつ専門的な知識経験を有する者のうちから、当該医療情報化推進担当理事を選任しなければならない(第13条第1項)。
- 審査支払運営委員は、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者及び被保険者を代表する者から、それぞれの所属団体の推薦に基づき、定款の定めるところにより、運営会議が選任するものとし、その数については、各々同数とする(第13条第2項)。
- 監事は、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者、被保険者を代表する者及び公益を代表する者から、定款の定めるところにより、運営会議が選任するものとし、その数は、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者及び被保険者を代表する者については、各々同数とする(第13条第3項)。
- 監事の選任には、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者及び被保険者を代表する者については、それぞれの所属団体の推薦によるものとする(第13条第4項)。
- 審査支払運営委員又は監事を選任しようとするときは、一月を下らない期間を定め、その期間内に、保険者を代表する者、診療担当者を代表する者及び被保険者を代表する者につき、候補者を推薦することを、それぞれの所属団体に求めるものとする(第13条第5項)。
- 役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない(第14条第1項)。
- 運営会議は、機構の役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、その役員を解任することができる(第14条第2項)。
- 1 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
- 2 職務上の義務違反があるとき。
- 厚生労働大臣は、機構の役員が第14条第2項に規定する事由に該当すると認めるときは、機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる(第14条第3項)。
- 厚生労働大臣は、機構が第14条第3項の規定による命令に従わなかったときは、その役員を解任することができる(第14条第4項)。
機構は、審査支払運営委員会を置く。(第15条第1項)
- 審査支払運営委員会は、理事長、理事(医療情報化推進担当理事を置く場合にあつては、当該医療情報化推進担当理事を除く。)及び審査支払運営委員で組織する(第15条第2項)。
歴代理事長
歴代理事長は、次のとおり[1]。
- 樽見英樹:理事長(2026年 - 現職)、元厚生労働事務次官、元内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長
- 神田裕二:理事長(2018年 - 2026年)、元県立広島大学大学院特任教授、元厚生労働省医政局長
- 伊藤文郎:理事長(2016年 - 2018年)、元愛知県津島市長
- 河内山哲朗:理事長(2010年 - 2016年)、元山口県柳井市長
- 中村秀一:理事長(2008年 - 2010年)、元厚生労働省社会・援護局長、一般社団法人医療介護福祉政策研究フォーラム理事長
- 中西明典:理事長(2002年 - 2008年)、元社会保険庁長官
- 末次彬 :理事長(1996年 - 2002年)、元社会保険庁長官
- 北郷勲夫:理事長(1992年 - 1996年)、元社会保険庁長官
- 正木馨:理事長(1987年 - 1992年)、元社会保険庁長官
- 河野義男:理事長(1985年 - 1987年)、元厚生省援護局長
- 柳瀬孝吉:理事長(1978年 - 1985年)、元環境庁企画調整局長
- 穴山徳夫:理事長(1977年 - 1978年)、元厚生省児童家庭局長
- 大山正:理事長(1965年 - )
- 久下勝次:理事長( - 1965年)
- 川上和吉:第3代理事長、元和歌山県知事
- 宮崎太一:第2代理事長(1954年)、元厚生事務次官
- 清水玄:初代理事長(1948年 - 1954年)、元厚生省保険院社会保険局長
脚注
- ↑ “社会保険診療報酬支払基金 70年のあゆみ 57頁(歴代役員名簿)”. 2020年5月17日閲覧。
参考文献
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法(昭和二十三年法律第百二十九号).e-Gov法令検索. デジタル庁
関連項目
- 日本の医療
- 医療保険 / ユニバーサルヘルスケア
- 診療報酬 / レセプト
- 国民健康保険 / 国民健康保険団体連合会
外部リンク
- 社会保険診療報酬支払基金のページへのリンク