国民健康保険団体連合会とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 国民健康保険団体連合会の意味・解説 

こくみんけんこうほけんだんたい‐れんごうかい〔コクミンケンカウホケンダンタイレンガフクワイ〕【国民健康保険団体連合会】


国民健康保険団体連合会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/06 16:36 UTC 版)

国民健康保険団体連合会(こくみんけんこうほけんだんたいれんごうかい)は、国民健康保険法第83条に基づき、国民健康保険の保険者が共同してその目的を達成するために設立する公法人である。通称は国保連合会、略称は国保連。各都道府県を単位として全国に47団体が設立されており、都道府県、市町村および国民健康保険組合が会員となっている[1]

国民健康保険および後期高齢者医療制度に係る診療報酬の審査・支払を中心に、介護給付費、障害福祉サービス等の給付費の審査・支払、保険者事務の共同処理、保健事業の支援などを行っている[2]。47の国保連合会を会員とする全国組織として、公益社団法人国民健康保険中央会がある[1]

組織と法的地位

国民健康保険団体連合会は、都道府県の区域を単位として各都道府県に1団体、全国に47団体が設立されている[1]。各国保連合会はそれぞれ独立した法人であり、47の国保連合会を会員とする全国組織として、公益社団法人国民健康保険中央会が設けられている[1]

国民健康保険法第83条は、都道府県、市町村または国民健康保険組合が、共同してその目的を達成するために国民健康保険団体連合会を設立できること、連合会を法人とすること、名称中に「国民健康保険団体連合会」の文字を用いることを定めている[3]

国保連合会の会員は、その区域内の都道府県、市町村および国民健康保険組合である。都道府県の区域を区域とする国保連合会に、その区域内の都道府県、市町村および国民健康保険組合の3分の2以上が加入した場合、加入していない保険者もすべて当該連合会の会員となる[3]

国保連合会の設立には、その区域を管轄する都道府県知事の認可を要し、認可を受けた時に成立する。規約には、事業、名称、事務所の所在地、区域、会員の加入・脱退、経費の分担、業務執行、会計、役員、総会または代議員会、財産および公告方法などを記載しなければならない[3]

各都道府県の国民健康保険団体連合会

国民健康保険団体連合会は各都道府県に1団体ずつ設置されている。各団体の名称および所在地は、国民健康保険中央会が一覧を公表している[4]

診療報酬の審査・支払

国保連合会は、市町村および国民健康保険組合から委託を受け、療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費および訪問看護療養費の請求について、審査および支払を行う[3]

保険医療機関や保険薬局などから提出された診療報酬明細書(レセプト)について、被保険者の資格、診療内容および診療報酬の算定が法令や診療報酬点数表などに適合しているかを審査する。審査後、国保連合会は市町村、国民健康保険組合または後期高齢者医療広域連合などへ診療報酬を請求し、受領した資金を保険医療機関等へ支払う[2][5]

2023年度には、全国の国保連合会が年間約10億件のレセプトを審査し、国民健康保険および後期高齢者医療に係る約29兆円の医療費を取り扱った[2]

厚生労働省は、国保連合会と社会保険診療報酬支払基金を診療報酬の審査支払機関として位置付けている[6]

国民健康保険診療報酬審査委員会

国民健康保険法第87条に基づき、診療報酬請求書の審査を行う国保連合会には、国民健康保険診療報酬審査委員会が置かれる[3]

審査委員会は、保険医および保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員ならびに公益を代表する委員によって構成される。委員は都道府県知事が委嘱し、保険医・保険薬剤師を代表する委員と保険者を代表する委員はそれぞれ同数とされる[3]

審査委員会は、審査に必要がある場合、都道府県知事の承認を得て、保険医療機関等に報告、診療録その他の帳簿書類の提出・提示を求め、または開設者、管理者、保険医、保険薬剤師などに出頭や説明を求めることができる[3]

国民健康保険以外の審査・支払

国保連合会は、国民健康保険の診療報酬のほか、後期高齢者医療に係る診療報酬、公費負担医療費、地方公共団体が独自に実施する福祉医療費、介護給付費および障害者総合支援給付費などの審査・支払を行っている[2]

介護保険

介護保険法に基づく業務として、介護給付費等の審査・支払、介護保険者の事務の共同処理、第三者行為に係る損害賠償求償事務、介護給付の適正化支援などを行う。また、介護サービスの利用者などから寄せられる苦情について、調査、事業者への指導・助言その他の処理を行う[2][7]

障害福祉

障害者総合支援法および児童福祉法に基づく障害福祉サービス等の給付費について、請求の受付、資格や支給量などの一次審査、市町村等への審査結果の提供および事業者への支払を行う[8]

保険者事務の共同処理

国保連合会は、都道府県、市町村、国民健康保険組合および後期高齢者医療広域連合などから委託を受け、保険者が行う事務を共同して処理している[2]。主な業務には、次のものがある。

  • 被保険者の資格確認
  • 高額療養費の支給額計算
  • 医療費通知および後発医薬品利用差額通知の作成
  • レセプト点検の支援
  • 第三者行為による損害賠償求償事務
  • 特定健康診査および特定保健指導に係る費用の支払とデータ管理
  • 国民健康保険事業費納付金の算定
  • 保険料または国民健康保険税の算定支援
  • 保険料の公的年金からの特別徴収に係る情報の受け付けと配信
  • 高額療養資金の貸付け
  • 保険者協議会の運営支援

これらのほか、国民健康保険法第85条の3は、診療報酬請求書、特定健康診査等に関する記録その他の情報を収集、整理および分析し、その結果の活用を促進する業務を国保連合会が行えることを定めている[3]。国保連合会は、国保データベース(KDB)システムなどを用いた保健事業およびデータヘルスの支援も行っている[9]

国民健康保険中央会との関係

国民健康保険中央会は、全国47の国保連合会を会員として組織された公益社団法人である。国保連合会が国民健康保険法に基づく公法人であるのに対し、国保中央会は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に基づいて設立され、公益認定を受けた法人である[1]

国保中央会は、診療報酬等の審査支払業務に関する全国的な調整、国民健康保険診療報酬特別審査、全国決済、各種事務処理システムの開発、国保連合会および保険者への業務支援、調査研究などを行っている[10]


根拠法

国民健康保険法 第83条
保険者は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という)を設立することができる。
2.連合会は、法人とする。
3.連合会は、その名称中に「国民健康保険団体連合会」という文字を用いなければならない。
4.連合会でない者は、「国民健康保険団体連合会」という名称またはこれに類する名称を用いてはならない。

業務

  1. 審査支払業務・・・画面を利用した審査・事務共助システムを活用することなどにより、国民健康保険(一般被保険者・退職被保険者等)、後期高齢者医療、公費負担医療及び医療福祉費に係る診療報酬等の公正・適正な審査支払業務を行う。
  2. 事業振興・・・国保財政の健全な運営を確保するため、新・国保3%推進運動の推進及び国保制度改善実行運動の促進を図る。
  3. 保健事業・・・国保被保険者の健康づくりの推進及び必要な知識の啓発と育成を図る。
  4. 広報宣伝・・・国保情勢の動向に対応し、適切な事業運営と被保険者の育成等に資するため、関係者に対し広報事業を実施する。
  5. 保険者レセプト点検事務支援・・・保険者の医療費適正化支援策として、保険者レセプト点検事務支援を実施する。
  6. 損害賠償求償事務・・・保険者の医療費適正化事務支援策として、第三者行為(交通事故)損害賠償求償事務を実施する。
  7. 育成指導・・・保険者事務担当者の資質向上と国保運営上の諸問題の研究等について、県の協力のもとに実施する。
  8. 協議会・・・本会及び支部等関係機関の事業の円滑な運営を図るため、緊密な連絡、協議等を行う。
  9. 保険財政安定化事業及び高額医療費共同事業・・・県内の市町村国保間の保険料の平準化、財政の安定化を図るため、保険財政共同安定化事業及び高額医療費共同事業を実施する。
  10. 保険者貸付事業・・・国保財政の円滑な運営を図るため、資金の貸付を行う。
  11. 保険者事務共同電算処理業務・・・保険者等における国保、老人保健及び医療福祉費の事務の省力化、合理化を図るため、共通する事務の電算業務を行う。
  12. 妊婦・乳児健康診査委託料審査支払事業・・・母子保健法に基づく妊婦・乳児健康診査委託料の審査支払業務を行う。
  13. 介護保険事業・・・介護保険法に基づく介護給付費の審査支払業務及び保険者支援業務並びに苦情処理業務を行う。
  14. 障害者自立支援給付費等支払事業・・・障害者自立支援法に基づく支援給付費等の支払業務を行う。
  15. 年金特別徴収経由機関業務・・・市町村と年金保険者間で行われる保険料の年金からの天引きに関する情報を受付・配信等を行う。

関連項目

脚注

  1. 1 2 3 4 5 国保中央会のご紹介”. 国民健康保険中央会. 2026年8月6日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 会員(国保連合会)”. 国民健康保険中央会. 2026年8月6日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 国民健康保険法”. e-Gov法令検索. 2026年8月6日閲覧。
  4. 都道府県国民健康保険団体連合会一覧”. 国民健康保険中央会. 2026年8月6日閲覧。
  5. 審査支払機関の現状と課題について (PDF). 厚生労働省. 2026年8月6日閲覧。
  6. 審査支払機関の現状と課題について (PDF). 厚生労働省. 2026年8月6日閲覧。
  7. 国民健康保険団体連合会等における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス (PDF). 厚生労働省. 2026年8月6日閲覧。
  8. 障害福祉サービス等にかかる給付費等の審査支払事務の見直しについて (PDF). 厚生労働省. 2026年8月6日閲覧。
  9. 国保中央会の事業”. 国民健康保険中央会. 2026年8月6日閲覧。
  10. 国保中央会の事業”. 国民健康保険中央会. 2026年8月6日閲覧。

外部リンク



英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「国民健康保険団体連合会」の関連用語

国民健康保険団体連合会のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



国民健康保険団体連合会のページの著作権

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国民健康保険団体連合会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS