崇峻天皇 陵・霊廟

崇峻天皇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 02:52 UTC 版)

陵・霊廟

崇峻天皇 倉梯岡陵
奈良県桜井市
崇峻天皇 倉梯柴垣宮伝承地
奈良県桜井市)

崇峻天皇の(みささぎ)は、宮内庁により奈良県桜井市大字倉橋にある倉梯岡陵(くらはしのおかのみささぎ)に治定されている。宮内庁上の形式は円丘

「日本書紀」の崇峻天皇の五年十一月条に「馬子宿禰、群臣を詐めて曰はく、「今日、東国の調を進る。」という。乃ち東漢直駒(やまとのあやのあたいこま)をして、天皇を弑せまつらしむ。是の日に、天皇を倉梯岡(くらはし)陵に葬りまつる。」とある。「延喜式」諸陵式に「無陵地幷無戸」とある。「陵墓要覧」では所在地を奈良県桜井市大字倉橋字金福寺跡(今、桜井市倉橋)とする[5]

現在、崇峻天皇陵は、倉梯柴垣宮の旧地と伝えられてきた小字「天皇屋敷」(桜井市倉橋)にある。同地に、崇峻天皇の位牌を祀る金福寺があったことから、陵地として決定したという。1876年(明治9年)、奈良県十市郡倉橋村にあった雀塚と呼ばれる古墳が一旦崇峻天皇陵として治定されたが、1889年(明治22年)に現在の陵に改定された。

ただし、根拠には乏しいといい[6]、近年では、桜井市倉橋にある巨大方墳赤坂天王山古墳を崇峻陵とする森浩一の見解が有力視されるようになっている。同古墳は6世紀末から7世紀初頭に築造された方墳で、東西45.5m、南北42.2m、高さ約9.1m、全長17mの横穴式石室を持つ[7]。また、斑鳩町法隆寺にある藤ノ木古墳の被葬者を崇峻天皇とする説もある。

皇居では、皇霊殿宮中三殿の1つ)において他の歴代天皇・皇族とともに天皇の霊が祀られている。


注釈

  1. ^ 便宜上崇峻天皇の嬪とされることが多いが、日本書紀の記述では誰の嬪なのか不明瞭。聖徳太子の嬪とする説もある。
  2. ^ 他に、安康天皇眉輪王によって暗殺されていると日本書紀に明確に記されているが、史実性が低いとして除外されることも多い。安康天皇の暗殺を認める場合には、崇峻天皇と共に「暗殺された2人の天皇の1人」という扱いとなる。また、配流先からの逃亡に失敗した直後に急逝した淳仁天皇の例は有力ではあるが未確定、毒殺の疑いのある孝明天皇については多くの反論が出されている(他に文徳天皇など不審死を疑う研究者もいるが憶測の範囲に留まる)。なお、安徳天皇は無理心中とされ、殺害とは区別されている。

出典

  1. ^ 「古事記」崇峻天皇段に、「弟(おと)、長谷部(はつせべ)の若雀(わかささぎ)天皇、倉橋(くらはし)の柴垣(しばかき)宮に坐しまして、天の下治らしめすこと、四歳(よとせ)なりき。(分注、壬子の年の十一月十三日に崩りたましき。)御陵は倉橋の岡の上にあり」とある。倉橋の柴垣宮は、奈良県磯城郡
  2. ^ a b c d e f g 倉本一宏「蘇我氏 古代豪族の興亡」(中央公論新社、2015年)
  3. ^ 佐藤長門「七世紀における倭王権の展開過程」(初出:「国学院大学研究紀要」39号、2001年/所収:佐藤「日本古代王権の構造と展開」吉川弘文館、2009年 ISBN 978-4-642-02471-6
  4. ^ 歴代の女性天皇について(2022年4月5日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  5. ^ 坂本太郎他校注「日本書紀(四)」(岩波書店、2002年)384頁下段
  6. ^ 和田萃「飛鳥の諸宮と大藤原京」(和田萃・安田次郎・幡多鎌一弘・谷山正道・山上豊「奈良県の歴史」山川出版社、2003年 54頁)
  7. ^ 飛鳥資料館 - 蘇我氏の墓|崇峻天皇の墓






崇峻天皇と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「崇峻天皇」の関連用語

崇峻天皇のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



崇峻天皇のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの崇峻天皇 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS