はさみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 01:48 UTC 版)
唐鋏と博多鋏
福岡市には「博多鋏」がある。伝統工芸品であるが和鋏ではなく、かしめ付きで洋鋏に近い。鎌倉時代に南宋商人の謝国明が中国の鋏を日本へ伝え、「唐鋏」と呼ばれたことに始まる。幕末に、刀鍛冶だった安河内卯助が唐鋏を作るようになり、明治維新後の廃刀令で鋏づくりに転業する刀鍛冶が相次いだ。卯助の弟子である高柳亀吉が明治20年に「博多鋏」と称するようになった[5]。2017年にその製作技術が国の無形民俗文化財に選ばれたが、現役の職人は1人で、後継者がいない状況である[6]。
法律による規制
日本においては、所持には法律による規制がある。正当な理由[注釈 2]を持たずに隠して携帯[注釈 3]することは軽犯罪法に抵触するため、科料、勾留されることがある。
また、刃体の長さが8センチメートルを超える[注釈 4]はさみを、業務[注釈 5]その他正当の理由を持たず携帯することは銃刀法第22条に抵触するため、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金を課せられることがある。
ハサミの日
山野愛子の提唱により、毎年8月3日が「ハサミの日」とされ、増上寺(東京)でハサミの供養が行われている[7]。
脚注
参考文献
- 木内勝作・絵、田中皓也絵「はさみ」『工作図鑑 : 作って遊ぼう!伝承創作おもちゃ』福音館書店、1988年、62-140頁。ISBN 4-8340-0724-3。
関連項目
注釈
- ^ 刃が2枚あるため1丁でも複数形となる。発音は sízɚz(‐zəz)「シザーズ」で、日本でよく聞かれる、シーサースやシーサスは不正確。
- ^ 社会通念上正当な理由が存在する場合であり、例えば、店からはさみを購入して自宅に持ち帰るような場合等。
- ^ 自宅または居室以外の場所で、手に持ったり、身体に帯びたりするなど直ちに使用できる状態で、人目につかないよう隠して身辺に置くこと。
- ^ ネジのあるはさみはネジから切っ先までの長さ。握り鋏は全体の長さから8センチメートルを引いた長さ。
- ^ 社会生活上の地位に基づき、反復継続してはさみを使用することがその人にとって仕事であり、はさみを使うことが業務にあたる場合。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s “刃物の歴史”. 関市. 2019年10月19日閲覧。
- ^ Q 金属箔はハサミでも切れますか?竹内金属箔粉工業(2019年1月1日閲覧)。
- ^ 【モノ・フラッシュ】料理のプロが厳選「最強」キッチンバサミ10選日経トレンディネット(2016年11月17日)2019年1月1日閲覧。
- ^ “長持ちするはさみ作りたい 美容師に愛され半世紀 宝塚のメーカー”. 神戸新聞NEXT (2019年7月1日). 2019年7月1日閲覧。
- ^ “博多鋏”. はかた伝統工芸館. 2021年1月25日閲覧。
- ^ 高柳晴一「博多鋏 鍛冶に熱き魂◇火入れ・冷まし・磨き…、伝統守る唯一の職人◇」『日本経済新聞』朝刊2017年10月23日(文化面)
- ^ 第33回「ハサミ供養法要」山野美容芸術短期大学(2009年8月5日)2019年1月1日閲覧。
はさみと同じ種類の言葉
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