論者とは? わかりやすく解説

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ろん‐しゃ【論者】

読み方:ろんしゃ

《「ろんじゃ」とも》論ずる人。議論を好む人。


知識人

(論者 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/11 03:03 UTC 版)

知識人(ちしきじん、: intellectual)は、 高い知識教養を持つ人 のこと[1]インテリ有識者(ゆうしきしゃ)とも呼ばれる。

概説

フランスでは、19世紀末のドレフュス事件の際、モーリス・バレスやフェルディナン・ブリュヌティエールによって用いられたのをきっかけに、知識人(: intellectuel)という語句が、広く知られるようになったと言われている。バレスやブリュヌティエールは反ドレフュス派であり、エミール・ゾラオクターヴ・ミルボーアナトール・フランスなどドレフュス擁護の論陣を張った文人たちに対して、彼らが地政学や軍事的問題といった方面には疎いにもかかわらず無闇にドレフュスを擁護していると非難して、彼らに対して知識人という言葉を投げつけた。

したがって、このとき知識人とは軽蔑的意味をもっており、抽象的思考をするあまり現実感覚を見失って、ろくに知りもしない話題に安易に口を出すといったニュアンスを帯びていた。あるいは知識はあっても知恵はないという侮蔑、へりくだりをも意味していたのかもしれない。

これとはまったく逆の方向から知識人について論じたのがジュリアン・バンダである。バンダは著書『教養人の裏切り (Trahisons des clercs) 』(邦題『知識人の裏切り』)において、真理正義といった普遍的価値の代弁者たるべき知識人が、政治的な議論に熱中するあまり、本質を見失っていると論じている。

しかし、その後この語句が広まるにつれ、否定的意味よりも肯定的意味が強調されるようになり、狭い専門性に閉じこもることなく、公共的議論に積極的に参入していく人たちについて用いられるようになっていった。

アメリカ合衆国の社会学者チャールズ・ライト・ミルズが著書『社会学的想像力』で行った大学人に対する批判もこのような知識人論の一種であると考えられる。すなわちミルズは、大学人たちが専門性に特化するあまり公共的議論に参加する能力を失いつつあることを警告し、この点ではジャーナリストのほうが知識人的であるとしたのである。

フランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルは、知識人の大きな役割を社会参加に置き、フランス共産党に入党して(その後離党)、様々な政治的出来事に対して発言を行った。

今日このような意味での知識人の代表的存在といえるのがノーム・チョムスキーである。チョムスキーの発言は大きな政治的影響力をもつようになっている。しかし、チョムスキー自身は知識人の役割が一人歩きすることに対して警戒しており、いわゆる知識人の発言とされるものはほとんどの場合支配的イデオロギーを擁護する役割しか果たさないと述べている。

福田恆存は知識人について、以下のように述べている[2]

……知識人を自認する事によつて、専門の職能人としての怠慢をごまかし、その資格からの転落を防がうとしてゐる知識人が余りに多過ぎはしないでせうか。といふより、くどい様ですが、さういふ人々を知識人と呼ぶと定義すべき実情です。例は幾らでもあります。知識人が職業化した時、平和屋になり、テレビ・タレント化して行くのです。これもくどい様ですが、さうして知識人が職業化すれば、それが職業である以上、危機を食ひ物にする利己心に支配されざるを得ず、大義名分と利己心との混同といふ自己欺瞞に追ひ込まれて行くのは必然と言へませう — 「知識人とは何か」『福田恆存全集』6

脚注

  1. ^ 知識人」『デジタル大辞泉』https://kotobank.jp/word/%E7%9F%A5%E8%AD%98%E4%BA%BAコトバンクより2022年2月10日閲覧 
  2. ^ 竹内 2012, p. 340.

参考文献

関連項目

外部リンク


論者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 03:18 UTC 版)

地球平面説」の記事における「論者」の解説

近代においても個人集団散発的に地球平面説主張してきたが、注目に値する科学者主張した者はいなかった。 イングランド作家サミュエル・ロウボタン(1816年1885年)は「Parallax」という変名用いて1849年に『探究天文学』(英: Zetetic Astronomy)というパンフレット作成して地球平面説主張し長い排水管の中の水の湾曲度合い調べ実験多数行った結果発表した。これに続いて近代天文学矛盾とその聖書対す背馳」なる文書出された。彼の支持者一人ジョン・ハムデン地球平面説証明しようとする有名なベッドフォード水位実験アルフレッド・ラッセル・ウォレス賭けをして負けた1877年にはハムデンは『新し聖書宇宙地理学』(英: A New Manual of Biblical Cosmography)を作成したまた、ロウボタンは、船が水平線の下に消えていく現象人間の眼との関係で視点法則から説明できる称する研究行った1883年には彼はイングランドおよびニューヨークで真理探究協会設立しニューヨークへは『探究天文学』の数千ものコピーを船で送った。この挑戦ニューヨークのデイリーグラフィック紙で報じられ地球自転していることを証明した者には1万ドル支払われるとされた。 もともとイングランドグリニッジ印刷業者だったウィリアム・カーペンターという男がロウボタンの支持者となり『暴かれ理論天文学地球球体でないことの証明』(英: Theoretical Astronomy Examined and Exposed - Proving the Earth not a Globe)を1864年に『コモン・センス』(英: Common sense)の題で8部構成として出版した。彼は後にボルチモア移住し1885年に『地球球体でないことの百の証明』(英: A hundred proofs the Earth is not a Globe)を出版した彼の主張はこうである: 「1、2フィート位置が下がることなく数百マイルもの距離を海に向かって流れていく川が存在する — 特に、ナイル川1000マイル流れるが1フィートしか下がらない。この範囲一定の高さが保たれているということは大地凸状であることと両立しないそれゆえ、これは地球球形でないことの手ごろな証明である。」 「もし地球球形なら、小さな球形モデルが海に行く際のまさに最高の―なぜならばもっとも正しいのだから―ナビゲーターになるであろう。しかし地球儀持って航海する人などいない: そんなおもちゃガイドにした船乗り間違いなく船を難破させてしまうであろう! これが地球球形でないことの証明である。 同世代南部牧師聖職者の中で最も多くの人に対して説教したとされる奴隷黒人説教師ジョン・ジャスパーは友人大工意見に対して自身の最も有名な説教引用して麗し太陽動き地球四角い」と。この説教250回も使われた。 1887年ニューヨーク州ブロックポートでM.C. Flanders球体説を擁護する二人科学的な紳士に対して三晩にわたって地球平面説場合主張した審判として選ばれた5人の村人最終的に満場一致地球平面説支持した。この事件は『ブロックポートの民主主義者』(英: Brockport Democrat)に報告されている。 元治判事メーン州の「プロフェッサージョゼフ・W・ホルデンはニューイングランド州で無数の講義行いシカゴ万国博覧会地球平面説講義行った彼の名声ノースカロライナ州鳴り響き同州のステイトヴィルのセミ・ウィークリー・ランドマークで1900年彼の死が報じられた: 「我々は地球平面説奉じるとともに我々の一員逝去の報を聞き及んで深く悼むのである。」 ロウボタンの死後、エリザベス・ブロントが1893年イングランド世界真理探究協会設立し、『Earth not a Globe Review』という雑誌創刊して2ペンス売ったが、『Earth』という雑誌もありこちらは1901年から1904年まで続いた。彼女は自然世界に関して聖書疑いのない権威であると考えており、地球球体だと信じている者はクリスチャンではないと主張した世界真理探究協会著名なメンバーには、三位一体聖書協会メンバーでもあるEthelbert William Bullingerダブリン大学トリニティ・カレッジ自然科学の上議長でもある大司教エドワード・ホートンらがいた。彼女はロウボタンの実験繰り返しいくつかの興味深い反証実験生み出したが、第一次世界大戦後には関心薄れていった。この運動によりデイヴィッド・ワルドー・スコット『確固とした大地』(羅:Terra Firma)などの地球平面説主張するいくつかの書籍発表された。 ジョシュア・スローカムは世界一周旅行中の1898年ダーバン地球平面論者の一団出会った一人聖職者を含む三人ボーア人彼にパンフレット贈ったが、それには地球平面説の証明記されていた。トランスヴァール共和国大統領ポール・クリューガーも同じ考え広めていた: 「You don't mean round the world, it is impossible! You mean in the world. Impossible!」 クリスチャン・カトリック使徒教会英語版)の宗教都市であったイリノイ州ザイオン (イリノイ州)(英語版)を1906年から支配したウィルバー・グレン・ボリヴァ(英語版)は、1915年から地球平面説説教主張し始めウィスコンシン州ウィネベーゴ湖12マイル長さ湖岸線を水位より3フィート上から撮った写真用いて地球平面説証明した1928年飛行船イタリア北極旅行中遭難した際、彼は世界中新聞飛行船世界の端を越えてしまうと警告したまた、5000ドル懸賞をかけて彼の課した独自の条件のもとで地球平面でないことの証明募集したザイオンでは地球球体説教えることが禁じられ、WCBDテレビで地球平面説流布された。1942年、ボリヴァは死ぬ直前教会行った数々の不正を告白し教会崩壊追い込まれた。 大本出口王仁三郎終生天動説地球平坦説を信じ地球が丸いなどという学者阿呆だ唱えていた。愛善苑はこの存在観を受け継いでいる。 ナイジェリアサラフィー・ジハード主義組織ボコ・ハラム創設者モハメド・ユスフは地球は平たいという自身信念表明している。

※この「論者」の解説は、「地球平面説」の解説の一部です。
「論者」を含む「地球平面説」の記事については、「地球平面説」の概要を参照ください。

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