活動の分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:17 UTC 版)
ランドスケープアーキテクトが共同作業する専門の仕事の種類は非常に広範囲であり、プロジェクトの種類でいくつか例があるが、次のとおりである。 総合デザイン。公園と公共インフラ 持続可能な開発 レインガーデン、グリーンルーフ、地下水涵養、グリーンインフラストラクチャー、人工湿地などの雨水管理 公的機関や政府施設の教育機能のためのランドスケープデザインやサイトデザイン 公園、植物園、樹木園、グリーンウェイ、そして自然保護区 レクリエーション施設;例:遊び場、ゴルフコース、テーマパーク、スポーツ施設 住宅地、工業団地および商業開発 不動産および住宅景観計画および設計 高速道路、交通機関の施設である橋および運輸路などの景観およびアクセント設計 アーバンデザイン、町と都市の広場、ウォーターフロント、歩行者施設への貢献 自然公園、観光地、歴史的景観の再現、および歴史的庭園の評価と保全に関する研究 貯水池、ダム、発電所、採掘産業用途の再生といった主要産業プロジェクト施設緩和策 環境アセスメントとランドスケープアセスメント、計画助言および土地管理提案 沿岸および沖合の開発と緩和 エコロジカルデザイン自然のプロセスと持続可能性との融合により、環境破壊的な影響を最小限に抑えるエコロジカルデザインにてあらゆる側面 中心商業地区の都市再生 パブリックスペースの再生 ランドスケープコンサルタントはランドスケープの長期的なケアと開発について助言するためにランドスケーププロセス等の知識を扱う。自らはしばしば林業、自然保護、農業等に従事している。 ランドスケープを専門とする学者は、ランドスケープ作業の実際的な問題に関連する土壌学、水文学、地形学または植物学方面の専門的技能を備えている。プロジェクト関与は計画や管理を目的とした敷地調査から広い範囲の生態学的評価まで多岐にわたる。また、開発の影響や特定の分野における特定の種の重要性についても指摘報告していく。 ランドスケープ・プランナーは、都市、農村および沿岸の土地利用の場所、景観、生態学的およびレクリエーションの側面についてのランドスケープ・プランニングに意識があり、仕事では景観計画のプロセスには考古学や法律などの追加の専門性を適用する者もいるが、方針と戦略の書面による声明で具体化され、任務は新しい開発のためのマスタープランニング、景観評価と評価、そして地域計画管理や政策計画の準備を含む。 グリーンルーフ (またはより具体的には、植物性ルーフ)の設計者は雨水管理、蒸発散冷却、持続可能な建築、美学、および生息地の創造のために広範で集中的なルーフガーデンを設計する。 作業範囲 以下は、ランドスケープアーキテクトの典型的な適用範囲の概要である新規または改良された理論、政策、景観計画、地方や地域・国家や多国籍レベルでの設計と管理手法開発 自然公園等の保全やレクリエーション地域のための方針・計画を開発・実施し、提案を策定する 環境意識を促進するために、新規または改良された理論と方法の開発、企画、設計、修復、管理、および文化的景観もしくは歴史的景観、公園、土地や庭園の維持管理 計画、設計、管理、保守、プライベートとパブリックオープンスペース、公園、庭園、街並み、広場、住宅地開発、墓地、記念碑など、都市部、郊外、および農村部から 観光、商業、工業、教育関連媒体;運動場、動物園、植物園、レクリエーションエリアや農場 などの建築環境の機能と審美的なレイアウトを策定する 道路、ダム、風力発電所などのエネルギー施設や主要開発プロジェクトなどの計画、審美的および機能的なデザイン、場所、管理、および社会基盤の整備に貢献 ポリシー策定や新たな展開を知らせるために、環境と視覚影響評価を含む景観アセスメント着手 気候、土壌、動植物、地表および地下水や排水等要因分析、対象地の検査;クライアントと相談し、景観や建築環境に関連するプロジェクトのための仕事の方法や作業の配列に関する提言を行う 特定地区と、都市部、郊外や農村部で構築された環境の質や使用に関する適切なソリューションの開発や設計、計画、施工図、作品の仕様、コスト見積もりとタイムスケジュールを作る 実現の確認行為、計画、仕事の仕様、コスト見積もりとタイムスケジュールの遵守を確実にするための提案と建設監理 科学論文や技術レポート、開発政策、教育、および関連した地理情報システム、リモートセンシング、法律、ランドスケープの通信、解釈と景観生態学のアプリケーションに関し造園に関する側面について助言し、研究を行う 関連するエンジニア、建築家やプランナーなど、他のコンサルテーションの管理を含む、大規模な景観計画とデザインプロジェクトのプロジェクトマネジメント 開発と環境問題に関する裁判での専門家証人として行動する 近代の公園はロイヤル・パークと言われるものから王室が市民に土地を開放するという考え方で生み出された。このため従来の、一個人の好みに合わせた庭では公園のようなパブリックな空間は成り立たない。税金などが導入される、税金を使うということは説明、根拠が必要になるが、そのバックボーンには科学的・客観性のある公的な説明も欠かせず、これらの諸問題をプロフェッションとして解決し実行していく人材が、19世紀後半以降必要と化した。 ランドスケープ・アーキテクトは、単に景観をデザインするだけではなくて、ランドスケープコンサルタントとして、開発地の付近住民との公聴会なども仕切る、リア・マネジメントという、特定の場所やプロダクツだけではなく、地域全体の価値を上げようという考え方が主流になっている。 日本の資産としての土地の評価の仕方は、更地で自由に建物が建てられて利便性が良いという土地こそが資産価値が高いとされており、また日本で定められている建築基準法から察すると、敷地があるとするとその中央にひとつ建物があるという観念がベースとなっており、隣接する敷地とは隙間を設ける敷地主義という考え方が強い。諸外国の場合はこうした要素も大事ではあるが、どのような場所にその土地があるのか、ということが重要 で、不動産の評価の仕方の面で、大きく影響していたのである。デザイン事務所・デザイナーでは民間も含めた庭園設計などから現在でも公共事業として街路や緑道、公園を別にして、総じて言えるのは建築という開発行為がないと、まちづくり仕事へ参入ができない状態である。 人と自然が織りなす物語の土台をつくることは可能でも、その上に出来上がるものを、逐一100%デザイナーの思い通りにはできない。 宮城俊作『ランドスケープデザインの視座』(学芸出版社、2001)では、日本の近代の造園業はその黎明期においてはランドスケープアーキテクチュアへの発展の予感を内包していたとしているが、アメリカのランドスケープアーキテクチュアと比べると、日本の造園分野はいわばランドスケープになりきれなかった分野とみている。
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