東京から北日本方面の各新幹線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 10:21 UTC 版)
「新幹線車両」の記事における「東京から北日本方面の各新幹線」の解説
200系 東北・上越新幹線の初代車両で、1982年6月23日に営業運転開始した。2007年時点では多くが廃車されており、一部が延命工事と塗装変更を施されて現存していた。登場時は12両だったが、2008年現在は10両編成だった。E5系の増備により東北新幹線からは2011年11月18日に撤退した。その後もE5系の増備で運用に余裕が出たE2系やE4系への置き換えにより、2013年3月15日に上越新幹線でも定期運用を終了し、同年4月14日に営業運転を終了した。これにより、国鉄時代の新幹線車両は全て姿を消し、新幹線での営業車両が全て可変電圧可変周波数制御(VVVFインバータ制御)となった。 400系 山形新幹線への直通運転を行うための車両。1992年7月1日に営業運転開始した、最初のミニ新幹線用車両。登場時6両、後に7両編成。かつては200系K編成と併結して東北新幹線内を走行していたが、後はE4系のみとの併結運転となった。「つばさ」の大部分で使用されたほか、早朝や夜間の「なすの」でも使用された。2008年12月からE3系2000番台への置き換えが進み、2010年4月18日をもって営業運行を終了した。 E1系 輸送力の強化を狙って登場した総2階建て車両で、「Max」と呼ばれている車両の1つ。1994年7月15日に営業運転開始したが、12両編成という長さのためにミニ新幹線車両との併結ができないなどの理由により少数生産にとどまり、またE4系の登場とともに東北新幹線から撤退した。2006年以降は新塗装車のみだった。上越新幹線「Maxとき」「Maxたにがわ」の大部分で使用された。 当初は「600系」として製造される予定であったが、JR各社の間で形式番号の取り合いが起こるのを避けるために、JR東日本の方針で車両形式番号の付番方法が変更された。このため「600系」は欠番となっている。 2012年3月からE5系の増備で運用に余裕が出たE4系への置き換えにより、2012年9月28日に定期運用を終え、同年10月28日の引退記念団体専用列車「さよならE1MAXとき号(東京〜新潟間で運転)」をもって営業運行を終了した。 E2系 東北新幹線の200系置き換え目的と北陸新幹線(高崎駅 - 長野駅間)開業に伴い1997年3月22日に登場した。8両または10両編成(登場時は8両編成のみ)。「あさま」「はやて」「やまびこ」「なすの」 で使用される。北陸新幹線用編成は特有の下り連続勾配(最大30 ‰)に備えるための抑速ブレーキを備える。1998年から2004年までは上越新幹線でも運行されていたが、2013年1月26日より200系を置き換える形で運用を再開した。 「あさま」用の車両には併結機構がない(「やまびこ」用から改造されたN21編成を除く)。1000番台充当の「やまびこ」の一部列車では東京駅 - 福島駅間で山形新幹線「つばさ」の併結運転も行われる。かつては新青森駅に乗り入れる定期運用の「はやて」(東京駅 - 盛岡駅間は秋田新幹線「こまち」と併結運転)も存在した。E7系への置き換えにより、北陸新幹線では2017年3月31日をもって営業運転を終了した。 中国の鉄道(在来線)高速化用に本系列を基にしたCRH2型がフランスやドイツの車両とともに使用される。E2系1000番台 0番から構造を変更し全面的にダブルスキン構造を採用、パンタグラフも下枠交差形からシングルアーム式にしている。窓も0番の最終型と同じに大窓になっている。主に東北・上越新幹線に使用されるため50 Hz専用となった。 E3系 秋田新幹線用の車両として1997年3月22日に登場し、秋田新幹線「こまち」(登場時5両、後に6両編成)として使用される。かつては200系K編成やE2系と併結して東北新幹線を走行していたが、現在はE5系と併結運転を行う。 E5系との併結により、「やまびこ」「なすの」で使用される。E6系への置き換えにより、秋田新幹線からは2014年3月14日をもって営業運行を終了した。E3系1000・2000番台 山形新幹線用の車両として1999年12月に登場し、山形駅 - 新庄駅間延伸開業用として3編成(1000番台)増備された。また上記で先述した通り400系の置き換え用として2008年に12編成(2000番台)が増備された。さらに2014年には1000番台初期車の置き換え用として秋田新幹線用の0番台を改造して1000番台に編入された編成がある。主に山形新幹線「つばさ」(7両編成)として使用される。かつては200系K編成やE4系と併結して東北新幹線を走行していたが、現在はE2系1000番台のみと併結運転を行う。 1000番台と2000番台は共通で使用され、400系と同様に早朝と夜間の「なすの」としても使用されている。2014年からは塗装変更が実施された。 E3系700番台 とれいゆ 観光列車「とれいゆ」用の車両として秋田新幹線用のE3系R18編成を改造した車両である。2014年7月19日に山形新幹線の臨時列車「とれいゆつばさ」として営業運転開始。新幹線車両初のジョイフルトレインであり、「温泉街のように散策しながら列車の旅を楽しむ」というコンセプトをテーマに登場した。土休日を中心に年間120日程度運転された。2022年3月27日の「ありがとう とれいゆ つばさフィナーレ号」もって運行終了した。 E3系700番台 現美新幹線 観光列車「現美新幹線」の車両として秋田新幹線用のE3系R19編成を改造した車両である。2016年4月29日に上越新幹線(越後湯沢駅 - 新潟駅間)の臨時列車(「とき」号の一部)として営業運転開始。「とれいゆ」に続く新幹線車両のジョイフルトレインであり、「走る美術館」をコンセプトとしている。土休日を中心に年間120日程度運転された。2020年12月をもって運行終了した。 E4系 総2階建て車両で、E1系と同様に「Max」と呼ばれている。1997年12月20日に東北新幹線、2001年5月7日に上越新幹線で営業運転を開始した。8両編成が基本で、2本を連結した16両編成での運行も行われた。主に東北新幹線の「Maxやまびこ」と上越新幹線の「Maxとき」「Maxたにがわ」で使用されていた。一部の編成に限り北陸新幹線にも入線可能。E5系の増備により東北新幹線からは2012年9月28日をもって営業運行を終了した。以後は上越新幹線のみで運用され、2014年以降は新塗装に変更された。E7系への置き換えにより、2021年10月1日に運行を終了した。これにより、新幹線車両における2階建て車両は全て姿を消した。 E5系/H5系 E954形「FASTECH 360 S」での走行試験の結果を元に開発された。2011年3月5日から東北新幹線で「はやぶさ」として営業運転を開始した。後に「はやて」「やまびこ」「なすの」への投入も開始され、E3系やE6系との併結運転も行われるようになった。2013年3月16日から320 km/hでの営業運転を開始した。2014年3月15日からはE6系との併結により、320 km/hでの営業運転を開始した。 2016年3月26日の北海道新幹線・新函館北斗延伸開業時にはE5系と同一仕様のH5系(JR北海道所有分)が営業運転を開始し、E5系の北海道新幹線への乗り入れも開始した。 E6系 E955形「FASTECH 360 Z」での走行試験の結果を元に開発された、秋田新幹線用の新型車両。2013年3月16日から秋田新幹線で「スーパーこまち」として営業運転を開始した。2014年3月15日からは列車名を「こまち」に統一し、フル規格区間でE5系同様320 km/hでの営業運転を開始した。東北新幹線の車両は(山形新幹線を除き)全てE5系ないしE6系に統一される。 E7系/W7系 北陸新幹線の営業用車両。JR東日本所有分がE7系、JR西日本所有分がW7系の系列名が与えられる。E7系は2014年3月15日よりE2系の老朽取り替えも兼ねて東京 - 長野間の「あさま」に先行投入された。2015年3月14日の北陸新幹線・長野 - 金沢間延伸開業時には「かがやき」「はくたか」「つるぎ」の各列車にも運用が拡大され、W7系も営業運転を開始した。E2系と同様に、下り連続勾配に備えるための抑速ブレーキを備える。 2019年3月16日からはE4系・E2系を置き換える形で上越新幹線「とき」「たにがわ」でもE7系の営業運転を開始した。 E8系 山形新幹線用の新型車両として2024年春から導入予定。 以上の新幹線営業車両の諸元をまとめ下表に示す。形式によって複数の仕様を持つものは、断りのない限り代表的な値を示した。 表:東北・北海道・上越・山形・秋田・北陸新幹線営業車両の諸元形式200系400系E1系E2系E3系E4系E5系・H5系E6系E7系・W7系E8系新製時の編成12両 6両 12両 8・10両 5 - 7両 8両 10両 7両 12両 7両 最高速度 (km/h)210 - 275* 240 240 275 275 240 320* 320* 260 - 275* 300(予定) 編成定員 (名)749 - 1235 399 1235 630 - 813 338 - 402 817 731 336 934 355(予定) 編成質量230 t 318 t 692.3 t 366 - 440 t 258.6 t 428 t 453.5 t 306.5 t 540 t 車体材質アルミニウム合金* 普通鋼 アルミニウム合金 編成出力7360 - 12880 kW(8 -14M) 5040 kW(6M) 9840 kW(6M) 7200 - 9600 kW(6 - 8M) 4800 - 6000 kW(4・5M) 6720 kW(4M) 9600 kW(8M) 6000 kW(5M) 12000 kW(10M) 電動機直巻整流子電動機 かご形三相誘導電動機 製造初年*1980年 1990年 1994年 1995年 1995年 1997年 2009年 2010年 2013*年 2022*年 製造両数700両 84両 72両 502両 261両 208両 630*両 168両 492*両 105*両 最大在籍両数700両 84両 72両 502両 261両 208両 168両 (製造両数-120両) 備考200系H編成の二階建て車両(2両編成6本)は普通鋼製。 製造初年は量産先行車(E1系・E4系・E7系は量産車第一編成)の落成年を記す。 編成出力におけるM・Tは、それぞれ編成中における電動車(モーター付車両)・付随車(モーターなし車両)の両数を示す。 200系の最高速度は1985年に240 km/hへ引き上げ(E・G編成を除く)。 E5系の最高速度(単独のみ)は2013年に320 km/hへ引き上げ。 E6系の最高速度(E5系併結含む)は2014年に320 km/hへ引き上げ。 E5系は増備中。最終編成数(E5系 : 590両、H5系 : 40両)を記す。なお鉄道博物館 (さいたま市)のE514-9001はレプリカで鉄道車両として入籍していないので製造両数から除外。 E7系は増備中。最終編成数(E7系 : 372両、W7系 : 132両)を記す。 E7系・W7系の最高速度は2023年に275 km/hへ引き上げ予定。令和元年東日本台風長野新幹線車両センターの被災でE7/W7系の水没が出たため、東日本8編成96両・西日本2編成24両の120両の廃車となった。 E8系は2022年秋以降の製造開始予定。最終編成数を記す。コロナ流行後の需要変化により、編成数を当初の予定から2編成削減(17編成119両→15編成105両)となった。 200系 200系(200番台、2000番台) 200系1999年から施工された新塗装 400系 400系1999年から施工された新塗装 E1系 E1系2003年から施工された新塗装 E2系(東北・上越新幹線用) E2系(北陸新幹線用) E3系(秋田新幹線用) E3系(山形新幹線用) E3系(山形新幹線用)2014年から施工された新塗装 E3系700番台とれいゆつばさ E3系700番台現美新幹線 E4系 E4系2014年から施工された新塗装 E5系 H5系 E6系 E7系/W7系
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