東々第一高等学校関係者
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「中卒労働者から始める高校生活」の記事における「東々第一高等学校関係者」の解説
逢澤 莉央(おうさわ りお) 声 - 山田麻莉奈 真実・真彩が通う東々第一高等学校通信制コースの同級生で、富豪の令嬢。兄弟姉妹はいない一人娘。10月生まれで、真彩・新・遼介らと同じく15歳。高校では2年目で生徒会生活委員となる。 小学生のころは非常に明るく冗談が大好きで、学校でも男子と相撲を取って投げ飛ばすほどであった(高校生になった今でも、口には出さないが力が強いことは自覚している)。しかし、家庭教師として現れた従兄のタクヤによるトラウマで次第に無口となり性格も暗くなっていったことで、級友も距離を置き始める。 タクヤから性的虐待を受け続けていたが、心の中では誰か助けてほしいと願いつつも口に出さぬまま殻にこもるようになり、そのまま中学校卒業を迎える。高等学校進学を控えて、終いには(事情を知らなかったとは言え)タクヤと仲良くするよう強要するなど何も分かってくれない母親に反発し、「(母親が進学を希望する)高等学校には行かない」と言い出してしまう。困りかねた父親から、せめて高卒の資格だけは取るよう諭されたため、東々第一高等学校の通信制コースに進学することを決意する。 入学当初は感情を押し殺して対外的にはクールに振る舞っていたが、実は可愛いもの好きで、若葉の娘ひなぎくを見て内心ときめいていた。真実とは、東々第一高等学校での出会いの後、入学式で席が隣同士となったこともあり互いに嫌味を言い合い、衝突する。ただ、入学式のあと遼介らに絡まれていた真彩を体を張ってまでして守った真実の姿を見て心を動かされ、真実に対して、自分も助けてもらいたいと内心思うようになる。そして、夏休み中に自宅でタクヤと勉強していた最中、危うくタクヤに強姦されそうになったところで真実に助けられたことをきっかけに、一度は断った真実からの交際の申し込みを受け入れ、真実と付き合うようになる恋愛脳である。一方、若葉も真実のことが好きであることを知っており、内心では若葉を警戒している他、真実に好意を持っているあかりにはライバル意識を向けられている。 タクヤから性的虐待を受けていたことで男性恐怖症にも陥っており、身内や昔から傍にいた新以外の男性は受け付けず、真実にも当初は触れることさえもできなかったが、付き合いを続けてその後は真実とはキスもするようになった。そして2年生の夏に生徒会の合宿交歓会に参加した時、「真実や真彩らは普段何かしら仕事をしているのに自分は何もしていない」とふと考え出したことをきっかけに、池衣駅前のファミレスにあったアルバイト募集の貼り紙を見て、そこでアルバイトを始めることを決意する。だがそこには恋敵であるあかりが先輩として働いていたため、早々に居心地が悪くなってしまうも、ある程度仕事には慣れていく。その後、アルバイト先に配達しに現れるドライバーこそが真実らの父親である真であり、その存在を初めて知ることとなる。真の話を聞かされた真実から別れ話を切り出されるも、激しく拒絶する。 <外伝> 真実が逢澤家に入ったので、結婚後も逢澤姓である。自身の誕生日が真実との結婚記念日でもあり、結婚して1年を迎える。 資産家の令嬢ということもあり、気に入ったものは値札を気にせずすぐに買ってしまう癖があり、また新婚旅行も飛行機はビジネスクラスで行こうと言い出すなど、金銭感覚が緩い(真実はそれを見るたびいい顔をしない)。 父親の紹介でマスコミ関係の会社に就職したが、「コネ入社のお嬢さん」だと思われるのが嫌で、頼まれた仕事を断らず一手に抱え込んでしまい、ストレスで爆発しそうになることもある。 会話の少ない真実には不満があり、誤解することもしばしば。それでも真知子の墓前で「この人(真実)がいないと生きていけません」と言い、特にお酒を飲みすぎて酔ってしまうと真実に甘えたくなる。夫である真実に対しては、結婚してからも「片桐くん」と呼んでいる(莉央本人が気に入っている)。 一条 新(いちじょう あらた) 声 - 伊東健人 莉央と行動を共にしている男子生徒。真実の発言から、真彩・莉央・遼介らと同い年の15歳。常に感情を押し殺しており、明るく笑っている姿は見せたことはなかったが、後に微笑んだ姿も見せるようになった。 両親は幼いころに離婚。ギャンブル好きで働かない父親に愛想を尽かして家を出た母親について行き、小学生のころから母親とともに莉央の自宅で暮らしている。母親は今も莉央の家で住み込みで家政婦として働いている。 口や態度には出さないが、内心は莉央のことを強く想っており、莉央の性格が暗くなっていったのはタクヤに原因があることを薄々感じ取っていた。また、莉央が通信制高等学校に通うことを決めた際には、その姿を見て自分も同じく通信制高等学校に通うことを決意する。高等学校では2年目で真彩とともに生徒会編集委員になる。 真実のことは当初から快くは思っておらず、年上なのに真実にタメ口で話しぶつかり合っていたが、「莉央にとって、今の自分に本当に必要な人は真実」だと気付いてからは一歩引いた立場におり、真実ともぶつからない程度で接している。莉央に対しては、同い年だが母親が家政婦という事情から一貫して敬語でさん付けしている。 <外伝> プロの作家になろうと決意し、就職はしていない。賞レースに応募しているが、まだ入賞経験はない。今でも真彩、遼介とは時々酒を飲むなど「良き友人」として付き合いは続けている。 斉藤 若葉(さいとう わかば) 声 - 折井あゆみ 真実らと同級生。20歳のシングルマザー。3人きょうだいの真ん中で、ほかに兄と弟がいる。 普段はSEIBOデパートの売り場で店員のアルバイト(準社員)をしている。大口のお得意様がおり、営業成績は良い。本人は社員登用を希望しているが、高卒資格を取ることが社員登用の条件であるため、東々第一高等学校通信制コースに入学した。 元は東々第一高等学校とは別の全日制の高等学校に通っていたが、1年生の夏に泰平と情に流され一夜限りの肉体関係を持ったときに妊娠してしまう。泰平とは交際していたわけではなかったが、聴いていた音楽などを接点に親しい間柄となる。だが、泰平と当時付き合っていた彼女やその同級生らから別れるよう忠告されていたのに妊娠してしまったことで負い目を感じてしまい、両親や周囲の反対を押し切って高等学校を中退、そして自ら泰平の元から離れてしまった。ひなぎくを出産してから1年間は親戚の家に居候したが、その後は駅から離れた安アパートの2階でひなぎくと二人で暮らしている。実際は、父親や兄に時々ひなぎくの保育園への送迎を頼むこともあるなど身内と絶縁したわけではないのだが、妊娠が分かったときに「シングルマザー(が身内にいること)なんて恥ずかしい」と言った母親(声 - 木間萌)だけは許せず「一人で産む」と意地になり、その母親が身を案じて電話を掛けてきた際にも「誰とも関わらないようにしてやってる」と反抗的な態度を取るなど今も強いわだかまりがある。 何かと世話を焼く真実に好意を抱くようになり、キスをしたり、娘を職場の同僚に預けてまで映画館デートに誘ったりした。しかし、そのデートのあと勇気を出して告白しようとした寸前で、真実からは「ごめんな」と言われてしまう。真実が莉央と付き合い出してからは一歩引いた立場にいるが、それでも二人だけの時に真実とキスしたい衝動にかられたこともあるなど内心諦めきれていない面もある。泰平とは再会した際に紆余曲折の末に和解を果たしそれからは良好な関係を築くものの、恋愛感情は既になく再三の復縁の希望もすべて断っている。 <外伝> 真実と莉央が結婚してからも付き合いはあり、真実のキャバクラ通いを疑う莉央に対し(電話を通してだが)親身なアドバイスを送るなど、良き相談相手である。 既に結婚し、夫(作中では登場していない)と泰平との間に生まれた長女のひなぎく、そして今の夫との間の子供である次女のしおんの4人でマンションで暮らしている。働きづめであり、ひなぎくに心配されている。 斉藤 ひなぎく(さいとう ひなぎく) 声 - 射場美波 若葉の長女。4歳。父親は泰平で、泰平に対しては、実の父親だと分かった上でかは不明だが『あだ名』で「パパ」と呼んでいる。 母親である若葉が一人で頑張っている姿を常に見ているので、幼いながらも自分(および学校に居ついている野良犬)で弁当を買いに行くなど、とてもしっかりした面を見せる。 <外伝> 中学生となった。真実らの自宅の近くで暮らしており、真実とはよく顔を合わす。真実に直接意見するなど、言いたいことはハッキリという性格。歳は離れているが真実に気がある素振りを見せる。 「しおん」という幼いころの自身にそっくりな保育園児の妹がおり、忙しい母親に代わって朝食を用意したり、妹の通園の送迎をしたりしており、若葉曰く「自分より3倍しっかり者」。 松井 善治(まつい ぜんじ) 声 - 佐治和也 真実らと同級生。76歳の男性。中学生の孫娘がいる。莉央と口喧嘩して気まずくなった真実や、真彩になかなか振り向いてもらえない遼介に対し、人生経験豊富な立場から優しくアドバイスする、良き仲間でもある。東々第一高等学校では2年目に生徒会長となる。 五十嵐 遼介(いがらし りょうすけ) 声 - 土田玲央 入学式終了後、真彩に絡んできた男子生徒3人組の中の1人。具体的な年齢に関する描写はないが、作中の描写から真彩・莉央・新らと同じく15歳。姉がいる。 未成年ながら喫煙する不良だが、根っからの不良というわけでなく、元はいじめられっ子の少年だった。小学生のころにいじめられっ子の味方をしたことで逆に自身もいじめられ、助けた相手からも裏切られた経験から人を信用しなくなり、「長いものに巻かれろ」な流れで悪友との付き合いから不良になってしまった。そして他の不良仲間について行く形で東々第一高等学校通信制コースに入学しただけであったので、当初は自身もいつ退学してもいいという感覚で通学していた。年上の松井に対しても、初めは鞄を持たせたりテストで代筆させるなど、パシリで使わせていた。 真彩に松井をパシリさせているところを咎められたことなどで、それからは真面目に授業を受けるようになる。次第にそんな真彩に好意を寄せるようになる。彩の方は恋愛対象としては気に留めていないようだが、新を含めた3人での友人関係が形成されている。また、真彩からは「五十嵐」と呼び捨てで呼ばれている。 <外伝> 一般企業に就職しており、「いつまで続くか分からん」とは言いつつ社会人している。真彩、新とは時々酒を飲むなど「良き友人」として付き合いは続けているが、彼氏がいる真彩に対しては今も未練がある素振りをみせる。 鈴本 健太(すずもと けんた) 真実や莉央らが住む、小泉支部に属する街の生徒たちを纏めるクラスメイト。真実らより1年早く入学した23年度生であり、先輩にあたる。東々第一高等学校では3年目に生徒会副会長になった。 皆からは「支部長」や「副会長」と呼ばれているが、初めて名前が分かったのは真実らが通学2年目の運動会。年齢は20歳代後半(30手前)。真実に対しては「片桐兄」、真彩に対しては「片桐妹」と呼んで区別している。 賃貸マンションで独り暮らしだが、部屋数が幾つかあるそこそこ広い物件に住んでいる。普段は会社員をしている。 とても明るい性格で、小泉地区の支部長として勉強会を取りまとめたりするなどリーダーシップを発揮している。だが、女性関係の話になると急にテンションが下がり暗くなる。 富田 泰平(とみた たいへい) ひなぎくの父親であり、若葉を妊娠させた張本人。真実や若葉らから1年遅れて、東々第一高等学校の通信制コースに入学した25年度生。初登場時23歳。腹違いの弟・優平がいる。若葉の兄とは同級生で面識がある。喫煙者。年下だが先輩となる真実に対しては、一応は敬語を使うものの、「パイセン、しくよろ」と呼ぶなど軽い面がある。 元は若葉と同じ全日制の高等学校に通っており、若葉とはそこで知り合ったが、その時若葉が1年生で泰平が3年生だった。高校生のころには既に親元を離れて一人暮らしをしており、また病気の父親の医療費を稼ぐためあまり登校せずアルバイトばかりしていた。そして当時付き合っていた同級生の彼女に食事や部屋の掃除など身の回りの世話をしてもらっていたのだが、実際は一方的に惚れた彼女による押しかけ女房のような状態だったため彼女のことは本気で好きになっておらず、ふとしたきっかけで若葉とも深い仲になってしまう。そしてある夏の日の夜、若葉とは一度きりの肉体関係を持つが、その時妊娠させてしまったことをきっかけに、付き合っていた同級生の彼女にも別れ話を切り出して別れ、自身も若葉の後を追うようにその直後に高等学校を中退した。それからは、仕事をしつつ姿を消した若葉に会おうと若葉の兄に何回も接触を試みるが、その都度断られる。ただ、若葉が通信制高等学校に通っていることを若葉の兄がうっかり口にしてしまったことで、自身も通信制高等学校に進学することを決意する。そして、若葉が東々第一高等学校に入学した1年後、入学式の会場で、長らく音信不通となっていた若葉(とひなぎく)と偶然に再会することになる。その後若葉とは話し合いを持つことはできたが、ヨリを戻すことは断られている。
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