常願寺川
世界屈指の急流河川-常願寺川-
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
常願寺川の源流域は、富山県と岐阜県・長野県との県境にそびえたつ標高3,000m級の山々の北アルプス立山連峰です。そのうちの北の俣岳(標高2,661m)を源にした『真川』と、立山三山の一つの浄土山(標高2,831m)を源にし、土砂崩壊の激しい立山カルデラを流れる『湯川』とが樺平(かんばだいら)付近で合流し、『常願寺川』と名を変えます。さらに千寿ヶ原で『称名川』と合流して水量を増し、山峡の地を流れ、大山町上滝・立山町岩峅寺付近からは扇状地を形成し、一部天井川となりながら富山平野にある富山市の東側を北流しながら日本海へ流れでます。その長さは約56km。流域面積は368km2です。 |
世界屈指の急流河川-常願寺川- |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.常願寺川の歴史 |
"常願寺川の改修事業は古く、明治時代に来富したオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケの立案によって、河口の付替、用水取水口の合併、霞堤の設置を行いました。 昭和20年代初めには、天井川対策としてタワーエキスカベータによる河床掘削行い、急流河川対策として十字型ブロック根固工とピストル型水制を開発施工し、全国の河川に普及しました。" |
急流河川常願寺川 治水の歴史 |
全国の河川改修計画立案に携わった、オランダ人土木技師ヨハネス・デ・レーケは、「これは川ではない、滝だ」と、言ったとも伝えられています。 大山町上滝地先から下流は扇状地を形成し一部区間で天井川(川底が周辺の地面より高い川)となっているところがあります。 ●中世~近世の治水―富山城下の死守― 戦国時代の常願寺川は、大山町馬瀬口地先で頻繁に破堤し、その度に富山城下が洪水の被害を被っていたため、当時の富山城主「佐々成政(さっさなりまさ)」は1581年に三面玉石張りの大堤防を築きました。現在では、「佐々堤(さっさてい)」と呼ばれ、常西(じょうさい)用水の川底にその天端部を一部のぞかせるのみとなっています。また、江戸時代には、富山藩の六代藩主「前田利與(まえだとしとも)」が、富山城下を洪水から守るため佐々堤と同じ辺りに水防林として松苗を約6ha植栽しました。現在は「殿様林(とのさまばやし)」と呼ばれ100本程度残っています。 約150年前の安政5年(1858年)の飛越地震では、常願寺川源流(湯川)の大鳶(おおとんび)山・小鳶(ことんび)山が崩壊し、その土砂が大土石流となり現在の富山市あたりまで襲ったため、多くの生命財産が失われました。これより常願寺川は、天井川となり、たびたび洪水の被害に見舞われました。当時、常願寺川から分流し富山城下を流れていた「いたち川」の24ある橋の橋詰めには、現在においても49ものお地蔵様や観音様が洪水災害の慰霊として奉られています。
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2.地域の中の常願寺川 |
"下流域は、扇状地が形成され、常願寺川の豊かな水を生かした富山県を代表する米どころとなっている他、扇端域では工業用水を利用した工業団地が多く展開しています。 河川利用は、公園、グラウンド、桜並木の遊歩道等が整備され、多彩なイベントが開催されています。" |
地域社会とのつながり 常願寺川はその昔、ニヒ川と呼ばれていたり、沿川の地名に由来し上流から芦峅川、岩峅川、大森川、常願寺川、水橋川等と呼ばれていました。現在では上流から下流まで常願寺川と呼んでいますが、これにはいろんな言い伝えがあります。
中流域は、霊峰立山を神山とした立山信仰の寺社仏閣が多く点在しています。
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3.常願寺川の自然環境 |
"常願寺川、急峻な山々を流下し、上滝を扇頂とする扇状地で、地質は砂礫層となっています。 急流河川であり、小規模洪水でも流路が変わる厳しい環境に耐えられる植物として、アキグミが広く分布し大群落を形成しています。 河口付近の砂州ではコアジサシの飛来が確認されている他、ボラ・ヒラメなどの海産種も見られます。" |
扇状地から上流にかけての谷地形は、出水後のみず道跡などにアキグミが繁茂し、河川敷など地盤が高く出水の影響が少ない場所にはススキ、オギなどの丈の高い草木が分布しているほか、流れの速い水際に生育するツルヨシもみられます。魚類ではウグイ・アユ・オイカワなどのほかイワナ・ヤマメがみられます。鳥類では浅瀬でアユなどの小魚を補食するアオサギや砂礫地に営巣するイカルチドリなどがみられます。 |
4.常願寺川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
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