娑婆とは? わかりやすく解説

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さ‐ば【×娑婆】

読み方:さば

「しゃば(娑婆)」に同じ。

「—のほかの岸(=彼岸)に至りてとくあひ見む」〈源・若菜下


しゃば【×娑婆】

読み方:しゃば

《(梵)sahāの音写忍土堪忍土などと訳す》

仏語釈迦衆生(しゅじょう)を救い教化するこの世界煩悩(ぼんのう)や苦しみの多いこの世現世娑婆世界

刑務所兵営などにいる人たちが、外の自由な世界をさしていう語。「—の空気」「—に出る」


娑婆

読み方:シャバshaba), サバ(saba)

俗世界


娑婆 (さば)


娑婆

作者春河金汰

収載図書まどろみ代償―他三篇
出版社文芸社
刊行年月2000.4


娑婆

読み方:しゃば

  1. 1 苦界人間界この世の中のこと。蓋しSaha忍土訳し三毒煩悩忍受せざる可らざる国土の義なり。2 獄内より獄外の自由の世界をいふ。
  2. 世間とか浮世とかと同じ意で監獄外のことを指す。娑婆に出る娑婆の風に当るなどといふのは出獄することをいふ。
  3. 服役中の者が一般社会をいう。仏典の娑婆より刑務所地獄とみる。〔盗〕

分類 犯罪語、盗/犯罪

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娑婆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/06 04:12 UTC 版)

仏教用語
サハー,しゃば
パーリ語 सह
(Saha)
サンスクリット語 सहा
(IAST: Sahā)
チベット語 མི་འཇེད་འཇིག་རྟེན་
Wylie: mi 'jed 'jig rten
中国語 娑婆, 忍土
(拼音Suōpó)
日本語 娑婆 , 忍土
(ローマ字: Shaba)
朝鮮語 사바
(RR: Saba)
ベトナム語 Sa bà
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娑婆(しゃば、さば、: sahā, サハー)は、仏教において、釈迦衆生を教化するこの世界、すなわちこの世のこと[1][2]。仏教における三千世界の総称であり、娑婆世界娑界ともいう[1]。「サハー」には、その意味を表す「忍土(にんど) 」という意訳語もある。忍土とは、「苦しみを耐え忍ぶ場所」という意味である[3]

仏教用語でない用法としては、第一に人間の世界、この世、俗世間、第二に 刑務所内や軍隊遊郭などの自由が束縛されている世界に対して、その外の自由な世界を指す[1]

原語と漢訳

原語とされる: sahāは「大地」を意味し[1]、動詞の: sahは「忍ぶ」「堪ふ」を意味する[2]。漢訳では sahā は忍土、忍界、堪忍、堪忍土、娑訶(しゃか)、索訶(さくか)、堪忍(たんにん)、能忍などと訳される[1]。娑婆の原語を: sabhāとする場合には、雑会(ぞうえ)と漢訳された[1][2]

此の仏の世界を娑婆と名づくべし、何の因緣の故に名づけて婆婆と日ふや。是の諸の衆生三毒及び諸の煩悩を忍受す、是の故に彼の界を名づけて忍土と日ふ

悲華経 第5巻[2]

日本での用例

江戸時代になり、吉原などの遊郭では、さえ出せば身分に関係なく自由に心ゆくまで遊べるということから、遊郭を「浄土」に見立て、郭(くるわ)の外の世界を娑婆と呼んだ。しかし一方、「籠の鳥」になっている遊女の視点から見ると、郭の中は地獄で、外の世界である「娑婆」こそ、自由に過ごせる人間的な世界である。この「遊女の視点」の意味合いのほうがだんだん一般的になっていき、軍隊や刑務所、閉鎖病棟などの拘束を受ける場所と外の世界を対比して、自由に過ごせる外の世界という肯定的な意味合いで娑婆と表現するようになった。

2017年現在、日本の公娼制度や軍隊は廃止になったが、刑務所自衛隊(営内居住が義務となる自衛隊員)、社会的入院を強いられる病院老人ホームなどに対し、外(俗世)の世界を『娑婆』と言うことが多い。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f 娑婆』 - コトバンク
  2. ^ a b c d 望月信亨『望月仏教大辞典』 3巻、世界聖典刊行協会、1954年、娑婆。doi:10.11501/3004890 
  3. ^ 娑婆 | 生活の中の仏教用語 | 読むページ | 大谷大学”. www.otani.ac.jp. 大谷大学 (2012年). 2019年1月13日閲覧。

関連項目


娑婆

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 01:17 UTC 版)

名詞

(しゃば)

  1. (仏教)煩悩の多い現世
  2. 俗語刑務所などの拘束され自由制約された場所にいる者から見た、外の自由な世界一般社会

「娑婆」の例文・使い方・用例・文例

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