「ギルの迷宮」より登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:29 UTC 版)
「ウィザードリィ外伝 (漫画)」の記事における「「ギルの迷宮」より登場」の解説
ショウ(人間族・善・侍) ホウライ国において、生命の根源「気」を操る強大無比の「鳳龍の剣技」を伝承し、それ故に殺戮機械として怖れられた名家・鳳龍家の嫡子。 幼少時は妾腹の上末子だったために立場が弱く、継母(正室)からは疎んじられた挙句に殺されかけるなどの災難に遭っていたが、異母兄達が悉く戦死したため、繰り上がりで跡継ぎになった。 戦闘スタイルはほぼ剣術一辺倒。卓越した剣捌きに加えて前述の鳳龍の剣技を自在に使いこなし、正に一騎当千の力を持つ。呪文は当人曰く「性格に合わない」ということで殆ど使わないが不得手では全く無く、侍の身でありながら第一部の時点で既に「窒息(ラカニト)」や「変異(ハマン)」などの高位呪文を、第二部では最高位の「爆炎(ティルトウェイト)」をも習得している。 父親曰く「鳳龍家創始以来最大の才覚を有している」とのこと。驚異的な回復能力を持っており、第三部ラストでこの能力の正体は「あらゆる事象の気を吸収して己の力に換える事」である事が判明した。 リルガミンとの国境戦の最中にル・ケブレスによって魔導師ギルの築いた迷宮に召喚され、ギルの野望を阻止するよう命じられる。 死闘の末、ギルを護る「召喚の書」の防御障壁を破り、蒼鬼獣魔(グレーターデーモン)の召喚を阻止するために禁じ手「鳳龍虚空斬」を放つ。ギルの片腕を切り落とし、召喚の阻止には成功したが、制御しきれずに自身の愛刀「一文字」を失った上にルー達やギルまで巻き込んで150年未来のホウライに飛ばされる事態を招いてしまった。 第二部ではホウライの小国のひとつ「イズモ」の剣術指南兼侍マスターの役職に就いていたが、ヒダカミに眠る宝刀クサナギを求めて鳳凰の塔に挑戦し、見事クサナギに認められその所有者になった。 第三部においてはイズモに勃発した反乱を収めるため、寺院から続く地下迷宮を通って城へ突入。異母妹ケイヒや異形の者との闘いの末、黒幕であったギルとの再戦に臨んでこれを制する。その際、自分を討つよう懇願したギルの意を汲み(下述のギルの項も参照)、「汝一人を逝かせはせん」と告げた後、「鳳龍地裂斬」を放つも救出されて生還。 後にルーシィディティと結婚し、イズモの将軍となる。実は「狂王の試練場」の主、狂王トレボーの遠い祖先。 作者曰くキャラクターのモデルは聖戦士ダンバインのショウ・ザマとのこと。 ルーシィディティ(エルフ族・善・ロード) リルガミンの第二皇女で、愛称は「ルー」。ショウよりも二つ歳上。皇女の身でありながら将軍職を務め「姫将軍」と呼ばれていたが、第二部以降では後述のホウライの国事情もあって、専ら愛称で呼ばれている。 リルガミン王家は皇子に恵まれなかったため男同様に育てられ、努力の甲斐あって若くして一流のロードとなったが、諦めかけた皇子が誕生した途端に皇女らしい振舞いを求められて反発。王家の中で浮いた存在になってしまった。鬱屈した心情を反映してか、言動や振る舞いに皇女らしからぬ乱暴な面があり、猪突猛進的な気の荒さも持っている。このようにショウやケイヒとは似たような家庭事情を持っており、ために二人を精神的に近い存在と感じている。 ショウと同じくル・ケブレスによってギルの迷宮に召喚された。ロードとしての実力は確かなもので、僧兵たちを扉越しにまとめて薙ぎ倒す高威力の剣圧を叩き出す(もっとも、一般のロードの域を超えるほどではない)。 第二部では後述のホウライの国事情からロードの身分を隠し、一介の女戦士に身をやつさなければならなかった。またショウは彼女を戦いから遠ざけたいと望んでいたために鳳凰の塔への探索ではイズモに置き去りにされ、ほとんど出番がなかった。 第三部においては序盤でギルの奇襲に遭い、城の地下牢に囚われの身になってしまう。これを卑怯と断じたケイヒの手引きで牢から出され、脱出のために地下をさ迷ううちに隠された宝物庫に迷い込み、未鑑定の「村正」を始め各種の武具を手に入れた。さらにガラス張りの鎧櫃に納められた謎の武具一式を得る。その後、サンザやショウの危機に居合わせた際には密かにショウの稽古を見取り独修した「鳳龍水月斬」を放ちそれぞれの逆転の契機を作ったが、ほぼ連続で放ったために3度目は暴発した上に力尽きて倒れ、技を教えてもらえなかった理由を身をもって知ることとなった。 呪文の腕も上がっており、最高位呪文の「死言(マリクト)」と「還魂(カドルト)」を習得している。ただし、使用回数は未だ1回止まりで、牢破りの際に追っ手の掃討に「死言」を使ってしまったため、後のシェーラの蘇生には「還魂」を使えず、成功率の低い「復活(ディ)」を使わざるを得なかった。 後にショウと結婚し、単行本未収録話時点ではホウライの皇位に就いた。「女皇(ひめみかど)」と呼ばれて家臣から敬われ、また恐れられている。 サンザ(人間族・中立・盗賊→忍者) ショウより先にル・ケブレスによってギルの迷宮に召喚された忍者で、忍者としてもかなりの腕を持っているが、過去のトラウマから来る鳥アレルギーを持つ。 第二部において、鳳龍の剣術でありながら侍に合わず忍者に伝授され失伝した「鳳龍幻影陣」を習得している事が明らかになった(劇中ではただ「幻影陣」とのみ呼称)。 第二部では後述のシェーラと結婚し、イズモの国の忍者マスターに就いており、第二部開始以前では諜報活動でホウライの国々を巡っていた。 第一部開始以前に既に結婚していたが、幻影陣の伝承者に選ばれた彼を妬んだザン・デンに妻と息子を殺されている。そのためショウに実の息子アイクの面影を重ね、成長した息子の理想像として見ている節があり、肉親の情に限りなく近い強い友情を抱いている。 シェーラ(人間族とエルフ族のクォーター・悪→善・僧侶→司教) ギルの高弟にして「牙の教徒(プリースト・オブ・ファング)」の一員だったが、ギルが「召喚の書」を入手した後の行動に疑念を抱き、組織から離反した。 当初から司教としてかなりの実力を持っており、第一部の時点で既に僧侶系最強の攻撃呪文である「死言(マリクト)」を習得している。 第二部ではサンザと結婚し(曰く、十歳以上離れた年の差夫婦)、イズモの国において司教のマスター職に就いている。サンザが諜報活動の為に国々を巡っている間に寺院の古文書を読み漁って「異形の者」の情報や失われていた呪文を研究していた。その成果である遺失呪文「凍嵐(ラダルト)」をザン・デン配下の忍者を一掃するのに行使したが、劇中の時点ではまだ調整が施されていない外法呪文のため「奪命(マバディ)」を受けた者同様の瀕死状態に陥った。治療に駆け寄ったリィナを庇って瀕死の忍者の攻撃を受け、一度斃れるもルーの「復活(ディ)」で復活した。しかし「凍嵐(ラダルト)」の反作用のためか髪が変色し、全体的にも若返った雰囲気が出ている。 キャラクターのモデルはショウと同じく『聖戦士ダンバイン』に登場したマーベル・フローズン。 ギル(種族不明・悪・司教) 「牙の教徒(プリースト・オブ・ファング)」の教主の一人であったが、「召喚の書」を手にしたのを機に配下を率いて教団から離反。世界の変革に踏み切ろうとした。 第一部終盤にて鳳龍虚空斬によって発生した空間の裂け目に飲み込まれて以降、時空の狭間を彷徨っていたらしく、ライカーガスによって150年後のホウライに引き上げられた際に「鳳龍虚空斬」によって喪った右腕の代わりに「異形の者」からカシナートの剣に匹敵する威力を持つ義手を貰い受け、さらに異形の技「邪波動」を身につける。顔面もおよそ半分が欠損する傷を負っており、人前では仮面を付けている。そしてショウへの復讐のため、ログ・ティとコウエンを味方に引き込み、寺院からケイヒとザン・デンを蘇らせた。 第一部終盤で、ギル本人もショウ達「守護者(ガーディアンズ)」の資格を持つ者だった事が判明(第二部終盤でショウもそれを知ることになった)。第三部のショウとの決戦では自身が異形の者達の手駒にされていたのを知り、彼らを抑え込んだ上でショウに自分ごと討つよう懇願する。そして願いを汲んだショウの「鳳龍地裂斬」によって、安らいだ表情と共に討たれた。 ル・ケブレス リルガミンの守護神と伝えられる龍。詳しくは鳳凰の項目、もしくはウィザードリィの登場キャラクターを参照。 「御老体」 第一部では、ギルの迷宮においてサンザ達を影ながら支援するために動いている存在であり、第一部終盤にて時空の狭間からショウ達を拾い上げた張本人。 第二部終盤にて、正体は「人」の意識の集合体であり、実体は無いに等しい存在であることが明らかになった。「無効化」などの人外な能力に加え、魔術師や僧侶の魔術も使えるだけでなく、「鳳龍千手斬」で斃れたリィナを失敗することなく蘇生したり、「転移(マロール)」で異空間に入り跳躍寸前のコウを「窒息(ラカニト)」で捕らえるなど、人の身では習得できない技を持っている。
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