Blu-ray Disc
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仕様
構造
サイズは直径12 cmのほかに8 cmが存在する。
波長405nmの青紫色半導体レーザーと、0.1 mmの保護層(カバー層)の光ディスクを使うことでレンズのNA値を0.65から0.85に上げたことで 、DVDの5倍以上の記録容量(1層式ディスクで25 GB、2層式ディスクの場合は50 GB、ほか)を実現している。青紫色は可視光線の中で最も波長が短いことから、ソニーはBDを「家庭用光ディスクの最終形」とホームページ上でうたっている[発表 7]。一方で保護層(カバー層)をDVD、HD DVDは0.6 mmでCDは1.2 mmであるのと比較して厚さを薄くしたことで、傷に対する耐久面で難点がある。
BDでは記録層の数に応じて1層(単層)をSL(Single Layer)、2層(複層)[注 5]をDL(Dual Layer[発表 8])、BDXL[注 6](多層)[注 5]規格の3層をTL(Triple Layer)、同じくBDXL[注 6](多層)[注 5]規格の4層をQL(Quad Layer)と表記することがある。例えばBD-RであればそれぞれBD-R SL、BD-R DL、BD-R TL(BDXL-R TLとも)、BD-R QL(BDXL-R QLとも)となる。
転送速度
等速は36Mbpsすなわち4.5MB/s。これはDVDの転送速度を1倍速(1.4MB/s)として、約3倍速に相当する。BD-ROMは1.5倍速の54Mbpsすなわち6.75MB/sが標準転送速度である。追記型ディスクであるBD-Rは現在6倍速の216Mbpsすなわち27MB/s、書き換え型のBD-REは2倍速の72Mbpsすなわち9MB/sまで規格化され、BD-R/REディスク、BDドライブが商品化されている。なお、6倍速記録に対応したBD-Rに、12倍速で書き込み可能なBDドライブも発表されている。
記録時間・容量
1層のディスク(25 GB)では日本の地上デジタル放送(ISDB-T、1440×1080i、約16.8Mbps)なら3時間強、日本のBS2Kデジタル放送(ISDB-S、1920×1080i、約24Mbps)で2時間強のハイビジョン映像を収録可能。また動画圧縮/伸張用にMPEG-4 AVC/H.264エンコーダを搭載したBD/HDDレコーダーでは片面2層ディスク(50 GB)を用意することでXPモード(S-VHS標準モード並みの画質)で約10時間30分、SPモード(S-VHS3倍モード並みの画質)で約21時間録画可能とされている[発表 9]。
1層ディスクは25 GBが登場する前は23.3 GBのディスクが発売されていた。また、3層ディスクは100 GB、4層ディスクは128 GBである。
8 cmディスクの容量は1層で7.5GB、2層で15GBとなる。現在1層7.5GBのみが商品化されている。
拡張性
Blu-ray Discは、1枚のディスクの多層化により大幅な容量の拡張が可能である。BD-ROMに関しては8層構造までが学会発表済みであり、実用可能であると考えられる。これが実現すれば1枚のディスク(25GB×8層)で容量が200GBを超える光ディスクメディアが誕生することになる。BD-RE/BD-Rの記録型光ディスクについては片面4層(128GB)構造までが「BDXL」(Blu-ray Disc Extra Large)として2010年6月に規格が策定され、3層で100GBのBD-R TL・BD-RE TLと4層で128GBのBD-R QLが製品化されている[4][発表 10][5]。BDXL対応でないBD対応機器では動作しない[発表 10]。
TDKは2006年4月26日、「33.3GB×6層」の200GBの追記型Blu-ray Discを光ディスク関連技術の国際会議「ODS 2006」で試作品として発表した[6]。1枚のディスクにHD映像を約18時間分格納できる。信号処理技術の進歩で1層あたりの記憶容量が拡大したため、各層あたり33.3GBのデータが格納できるようになったという。
2008年1月24日のソニー発表によれば、BD用などの記録・再生光ディスクドライブの薄型化・低コスト化できる光集積デバイス(レーザカプラ)を日亜化学工業と共同開発した。高効率の1ビーム光学系を採用し、さらに独自の小型パッケージング技術を活用したことで厚み3mm未満、面積14mm×7.4mmと小型・薄型化を実現。BDなどの2層メディアでの信号読み出しを最適化し、安定的な記録・再生を可能にするドライブや光学ピックアップが設計できるようになるという。BDドライブの薄型化とコスト低減に向け、2008年内に量産化を目指すとした。
2008年7月7日、パイオニアはBDと互換性を有する400GB光ディスク技術を開発したと発表[発表 11]。BDと同じ25GBの記録層を16層に積層した再生専用光ディスクだが、記録型ディスクにも応用可能という。また、対物レンズの光学的仕様がBD規格と同一で、互換性維持が可能。
また、パイオニアのロードマップによれば2008年から2010年にかけて再生専用ディスクを開発し、さらに2010年から2012年にかけて書き込み・書き換え可能ディスクの開発を行うとし、2013年には記録層が40層で記録容量1TBの再生専用ディスクが登場する予定となっていたが[7]、商品化はされていない。
2010年、TDK(イメーション[8])は片面16層で容量512GBの光ディスクを開発したと発表した。両面記録では容量1,024GB(1TB)となり、世界初の1TB級の光ディスクを実現した[9]。
2014年5月13日、パイオニアとメモリーテックは片面256GB/両面512GBの「データアーカイブ用 次世代大容量光ディスク」を発表した[10]。
環境への配慮
2004年4月15日、凸版印刷とソニーは、「材質の51%以上が紙のディスクを共同開発した」と発表[11][12]。近いうちに紙の割合を70%以上まで引き上げると発表している。多くの自治体において、燃えるゴミとして捨てることが可能となる。また、日本ビクター(現:JVCケンウッド)やパイオニアはトウモロコシの澱粉(デンプン)から合成されたバイオプラスチックによるディスクを開発した[13]。両社の技術や原料は同じだが、製法が若干異なる。
注釈
- ^ a b BDXL規格。
- ^ なお、bluはイタリア語では「青い」を指す形容詞である。
- ^ 録画用ディスクにデータを記録することもDVDなどと同様に可能。
- ^ 私的録音録画補償金制度#デジタル放送専用レコーダーの私的録画補償金に対する訴訟を参照。
- ^ a b c 広義にはBDXLも複層に含まれる。
- ^ a b XLはExtra Largeを指す。
- ^ BDの普及を目的とする団体である。前身はBlu-ray Disc Founders(ブルーレイディスクファウンダーズ、略称BDF)。
- ^ CD-RWとDVD-RWは1,000回以上、DVD-RAMは10万回以上、光磁気ディスク方式は100万回以上。
- ^ アップデートにより読み取り / 再生できる場合はある。
- ^ BD-R Ver.1.1非対応のBDレコーダー以外は、殆どの機種がファームウェアの更新で対応されている。
- ^ DVDはUDF 2.0を採用。
- ^ MPEG-2とH.264/MPEG-4 AVCとの単純比較では概算として圧縮効率に約2倍程度の能力差があるとされている。従ってMPEG-2からH.264/MPEG-4 AVCに変えることで記録時間の観点からは同じ画質なら2倍の記録時間が期待でき、画質の観点からは同じ記録時間なら画質の記録・再現に2倍のデータ量を割り当てることが期待できる。なお、映像などの記録・再現に2倍のデータ量を割り当てた結果が、「画質が2倍良くなる」という評価に必ずしもならない点に注意。
- ^ フナイ製FBP-H240など。
- ^ 当時のHDDVDにはリージョンコードが存在しなかった。
- ^ システムソフトウェア バージョン3.50より。
- ^ 後継機種のPlaystation 5ではBlu-ray 3Dには非対応となった。
- ^ 作動距離。
- ^ DVDは3msである。
- ^ 『ネットランナー』で実験が行われた[42]。
- ^ ただし、SACDには対応する機種と非対応の機種が混在する。
- ^ Macと名前こそついているものの、macOS版の他にWindows版も存在している。
- ^ 再生用の解読キーをダウンロードするのにインターネットを使用する為、使用にはインターネット接続を必要とする。
- ^ リージョンコードが同じであるため。
- ^ 後継のPlayStation 4もBD対応。
- ^ 販売提携を結んでいるワーナーホームビデオ向けには先行供給している。
- ^ 完全撤退に伴いBlu-rayディスクなどの記録メディアに関する新製品の開発と既存製品の追加製造自体は終了するが、TDKブランド製品のアフターサービスのみに関しては2020年12月末まで継続すると発表。
- ^ PlayStation 5 デジタル・エディションを除く。
出典
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- ^ 【ODS】TDK、容量200Gバイトの6層追記型Blu-ray Disc媒体を実現 - Tech-On! 2006年4月26日
- ^ Pioneer showcases 16-layer 400GB optical disc - Jimmy Hsu, Taipei; Adam Hwang, DIGITIMES 1 December 2008
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- ^ 【続報】はさみで切れるBlu-ray Disc,その起源は紙製の飲料缶だった - Tech-On! 2004年4月16日
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- ^ BDディスクのDLとは何ですか?|「ブルーレイディスクの仕様について」よくあるご質問|FAQ|個人のお客様向けサイト - マクセル
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- ^ 撮像から記録まで1920×1080画素のフルハイビジョンで一貫して処理するための民生用ビデオカメラ向け基幹技術を新開発 - 日立製作所プレスリリース 2007年7月20日
- ^ HITACHI Wooo World ビデオカメラ BDカメラ商品紹介 - 日立製作所
- ^ 世界で初めてBDを記録メディアに採用した『BDカム(ブルーレイカム)』Wooo 2機種を発売 - 日立製作所プレスリリース 2007年8月2日
- ^ 世界初ビデオカメラ用8cm Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)追記型BD-R / 書換型BD-RE ディスク新発売 - 日立マクセルニュースリリース 2007年8月2日
- ^ 世界初! ブルーレイディスク(BD)ビデオカメラに対応した8cmブルーレイディスクを発売 - 三菱化学メディア株式会社プレスリリース 2007年8月2日
- ^ ブルーレイディスクレンタル、4月12日(土)よりゲオショップ800店にて取扱開始 - ゲオ 2008年3月17日
- ^ TSUTAYAグループ ブルーレイディスクレンタルを3月19日より開始 [リンク切れ] - TSUTAYA 2008年3月17日
- ^ 青紫色半導体レーザーの生産体制及びビジネスの強化、Sony Japan プレスリリース 2007年4月23日
- ^ ニュースリリース - ゲオ 2008年3月17日
- ^ ブルーレイディスクアソシエーション UltraHDBlu-rayTM規格策定と新ロゴを発表 2015年夏よりライセンス開始へ
- ^ TDKのLife On Recordブランドサイト
固有名詞の分類
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