ドルビー‐トゥルーエッチディー【ドルビーTrueHD】
読み方:どるびーとぅるーえっちでぃー
《Dolby TrueHD》米国ドルビーラボラトリーズ社が開発した音声データの記録方式。可逆圧縮のコーデックであり、7.1チャンネルサラウンドに対応する。ブルーレイディスクやHD DVDで使用される。
ドルビーTrueHD
別名:TrueHD
【英】Dolby TrueHD
ドルビーTrueHDとは、ドルビーラボラトリーズが開発した、HD映像向けの音声技術のことである。
ドルビーTrueHDでは、8チャンネル以上の多チャンネルがサポートされている。このため5.1チャンネル以上のマルチチャンネルオーディオによる、臨場感のあるホームシアターをを構成できる。
また、ロスレス圧縮(可逆圧縮)を採用している点もドルビーTrueHDの大きな特徴である。ロスレス圧縮は、記録されたオリジナルのデータが100%再現できる圧縮形式で、スタジオで録音した音質を全く損なわない。データの格納を効率化するため、ドルビーTrueHDでは可変ビットレートが採用されている。
ドルビーTrueHDは、ブルーレイディスクやHD DVDなどの、いわゆる次世代の光ディスク向けの規格である。高精細な映像と共に高音質なオーディオを可能とし、より高品質なホームシアターを実現する。ドルビーTrueHDは、ブルーレイディスクではオプション音声に、HD DVDでは必須音声に採用されている。
参照リンク
ドルビーTrueHD
ドルビーTrueHD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/05 01:48 UTC 版)
ドルビーTrueHD(ドルビートゥルーエイチディー) とは、ドルビーラボラトリーズによる可逆音声コーデックであり、HD DVDやBlu-ray Disc等の第3世代光ディスク規格での使用を目的としている。
概要
ドルビーTrueHDでは、オーディオ標本圧縮の数学的基盤としてMeridian Lossless Packing(MLP)を使用している。MLPは以前のDVDオーディオフォーマットでも使われていたが、ドルビーTrueHDとDVDオーディオの詳細はかなり異なっており、ドルビーTrueHDのビットストリームでは、最大14の音響チャンネルを含めることができる。標本当たりの量子化ビット数(ビット深度)は最大24bitで、サンプリング周波数は最大192kHzまでサポートしている。
現在普及しているドルビーデジタルと同様、ドルビーTrueHDのビットストリームはプログラムのメタデータを搬送する。メタデータは符号化フォーマットや圧縮された音声サンプルとは分離されているが、音声波形に関する情報を格納している。例えば、音量正規化やダイナミックレンジ圧縮はドルビーTrueHDビットストリームに埋め込まれたメタデータで制御される。
なお、この用途で競合する規格としては、デジタル・シアター・システムズの可逆圧縮音声コーデック『DTS-HDマスターオーディオ』がある。
ドルビーTrueHDと第3世代光ディスク規格
HD DVDでは、ドルビーTrueHDが必須コーデックとなっており、HD DVDプレーヤーでは、2.0chステレオのドルビーTrueHDビットストリームの伸張と復号をサポートが義務付けられている。ただし、実際のHD DVDプレーヤーは5.1chサラウンドのデコードをサポートしていた。また、ドルビーTrueHDの音声トラックのみを収録という形態も可能となっている。実際にドルビーTrueHDを再生する場合は、再生機器と視聴機器のHDMIケーブルの接続も必須となり、S/PDIFを使用すればドルビーデジタルに音源が劣化してしまう。
BD-Videoでは、ドルビーTrueHDはオプションの1つであり、補助音声トラックとして存在する。Blu-rayプレーヤー側で再生必須なコーデックはリニアPCM、ドルビーデジタル、DTSデジタルサラウンドのみとなっており、すべてのBlu-rayプレーヤーがドルビーTrueHDの再生をサポートしているわけではない。また、競合規格のDTS-HDマスターオーディオの方がライセンス代が安い傾向にあるため、近年のブルーレイは、通常ドルビー規格はドルビーデジタルで歯どまりする傾向にあり、代わりにDTS、DTS-HDを両者とも一枚のBD-ROMに含有させる傾向にある。
HD DVDでもBD-Videoでも、ドルビーTrueHDの機能自体は同じで、最大7.1chサラウンド(96kHz/24bit)となっている{BD-Videoでは、5.1chサラウンド(192kHz/24bit)というエンコードも可能}。最大ビットレートは18Mbpsで、実際の映画タイトルのビットレートは5Mbps程度が割り当てられている。ドルビーTrueHD はダウンミキシングが可能であり、プレイヤーは必要に応じて、例えば5.1chサラウンドの音声トラックから2.0chステレオ信号を生成できる。
ドルビーTrueHDをデジタルリンクで送受信する場合、符号化されたビットストリーム(最大 18Mbps)か伸張したリニアPCM(35Mbps)を転送できる必要がある。HDMI Ver1.1以降はサラウンドのリニアPCMを転送できるので、ドルビーTrueHDの音声トラックも伸張すれば問題なく転送できる。HDMI Ver1.3以降ではドルビーTrueHDのそのままのビットストリームを転送可能となった[1]。TOS-Link(およびS/PDIF)は、仕様上ドルビーデジタルなどにトランスコードせずにはドルビーTrueHDを転送できない。
HDMIを装備したプレイヤーは、内部でドルビーTrueHDをリニアPCMにデコードし、リニアPCMをHDMI Ver1.1以降のインターフェースに出力することができ[2]、Blu-rayプレーヤーの機能を持つゲーム機であるプレイステーション3もこの方式をサポートしている。また、プレイヤー内でドルビーTrueHDをデコードできないか、またはデコードしないよう設定されている場合、ドルビーTrueHDのビットストリームをそのまま HDMI Ver1.3以降で転送し、転送先の機器でデコードするという構成も可能である。HD DVDプレーヤーには、TrueHDを古いフォーマット(ドルビーデジタルやDTS)に変換する機能もあった。
また一部の再生機や録画機にもこの機能が存在する(パナソニックのDIGAなど)。
2006年(平成18年)4月18日に発売されたHD DVD版の『オペラ座の怪人』は、ドルビーTrueHDでサウンドトラックを提供する最初のタイトルとなった。
主な採用媒体
主にHD DVD、2008~2009年あたりに発売されたものかワーナーブラザーズ製の一部のBlu-ray Discで採用。
主な採用作品
- 洋画
- 邦画
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関連項目
- DOLBY ATMOS
- DOLBY AUDIO:ドルビーオーディオとは、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルプラス、ドルビーTrueHDの総称である。
- dts:X
- Auro 11.1
- IMAX ENHANCED
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脚注
- ^ “HDMI Part 5 - Audio in HDMI Versions” (2006年8月9日). 2008年9月6日閲覧。
- ^ HDMI FAQ at hdmi.org
外部リンク
ドルビーTrueHD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:58 UTC 版)
「ドルビーラボラトリーズ」の記事における「ドルビーTrueHD」の解説
Blu-ray Disc、HD DVDよりさらに次の世代の高精細光ディスクを見据えた可逆圧縮音声規格。96kHz/24bitでは最大7.1chサラウンド、192kHz/24bitでは最大5.1chサラウンドまで記録できる。
※この「ドルビーTrueHD」の解説は、「ドルビーラボラトリーズ」の解説の一部です。
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固有名詞の分類
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